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永井裕明賞 小笠原徹個展 「色付き線我小笠原徹個展」

大賞展3週目は、永井裕明さんの大賞を受賞された小笠原徹さんです。
2009年に仲條正義大賞を受賞し、今回は二回目の受賞となります。

 

 

 

― 2回目の大賞受賞おめでとうございます。まずは感想をお聞かせ下さい。
2回なんてもらえないと思っていたので、「え?宜しいんですか??」という感じで、とてもびっくりしました。

― いえ、1回受賞しても再度受賞される方もいますよ。てっきり2回目を目指しているのかと思いました。
参加するからには勿論狙いますが、今回は、絵を描く状態にもっていく動機付けに近かったので。
また、僕の場合コンペというのは、新しい事を試す場と言いますか、
この作品(作風)だとどう評価されるのか?という実験の場でもあります。

― 審査員の永井さんとお会いしていかがでしたか。
ダンディーで素敵な方でした。夜の街でお酒を飲みながらお話ししてみたいです。

― 今回の絵は、前回の仲條賞で発表した絵とは作風が違いますね。
先にお話しした内容の理由もありますが、僕は線が好きで生きた線ってあるじゃないですか、
見てて理屈抜きに「スコーン」と入ってくる気持ちの良い線。これを全面に出していきたいなと。
「スコーン」は線に限らず、塗りや構図など良い作品には当てはまる事なのでしょうが。
あとはモチーフの存在感。全てをイメージで描くとちょっと説得力が薄くなるので、
今回段ボールや三角フラスコなども描いているのですが、90%自分の表現、10%モチーフ、みないな。
自分なりの表現で崩して描くにしても、どこか本物を取り入れたい。

― 2回も受賞できた勝因はなんでしょうね。
何でしょうね(笑)
でもファイルコンペなので、自分が気に入っている良い作品をただ並べて入れるのではなく、
20枚最後まで惹き付けるような、「あれ?もう終わりか!!」みたいな見せ方とか運び方に
もっと気を配ると良いのではないでしょうか?
これは売り込みファイルにも通ずる所があると思います。媒体によって印象は変えていかないと。
ほんとは、自分がいえる立場ではないのですがね…。

― 作品を制作するときに、何か大事にしている事はありますか?
作業にならないよう、まずは楽しんで描くようにしています。
そして、「スコーン」と入る瞬間です。「スカーン」でもいいんですけど。これ大事。
わからなくなったら、一日寝かせてみたり、一年放置したり。グチャグチャにしちゃったり。
何をするにも、人間臭さは大事にしたいです。

 

 

― 小笠原さんがイラストレーターになったきっかけはなんですか?
僕はもともと工学部で、同じ敷地に芸術学部があってイラストレーターという職業を知ってから意識し出しました。

― 工学科にいたのですか、意外です。絵はどちらかで学ばれたのですか?
いえ、完全独学(我流)です。絵を本格的に意識し描き始めたのが24〜25歳なので、
他の方と比べてとても遅い出発ですね。

― 独学(我流)ですか。すごいですね。今のご活躍までの経由を教えて頂けますか?
最初は何をしていいのかわからなかったので、とりあえずイラストレーション誌を見て、コンペに出しました。
とはいえ、今の時代、入賞したからといって仕事に繋がる事はほとんどないので、
最終的には出会いを大切にしました。そこから色々と繋がったりです。
だれでも続けていれば、チャンスやターニングポイントがあると思います。
そこをどのように生かすか。まずは信じて続ける事です。出会いを大事にする事です。

― 前回の作品と同様、今回の作品もとても楽しそうに制作しているようです。
この作品(作風)でお仕事をしたいとお考えですか?
もちろんですし、まだまだ進化もさせます。僕は絵をずっと楽しんで描きたくて。
たとえばファッションイラストレーションのみをずっと描いて、
その道で活躍されている方もすごいと思うんですが、僕にはそれが出来なくて。
一つを続ける事が途中で飽きてしまうというか、違う事がしたくなるというか。
いろいろ描いてる事が僕らしいので、今回のような感じでも仕事が欲しいなぁ。
それが自分らしい作風なのかもと思えるようになりました。
逆に、もっともっと全体的に完成度も上げないといけないんですがね。

 

 
インタビュー / HBstaff 土生はづき

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