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副田高行賞 くぼあやこ個展「素っ気」

大賞展4週目は、副田高行さんの大賞を受賞されたくぼあやこさん。
現在専門学校で講師も務める、プロのイラストレーターさんです。

 

 

—副田高行賞おめでとうございます。まずは感想をお聞かせ下さい。

最初お電話でお知らせを頂いたとき、足がガクガクしてしまうほどびっくりしました。
ほんとに嬉しくて、泣いてしまいました。(笑)

—一見シンプルに見えますが、よく見ると不思議な質感を持った作品ですね。画材は何ですか?

クレヨンを使用していますが、ちょっと変わったやり方をしています。
色をのせたあと、トレーシングペーパ—をひき、その上からアイロンをかけます。
そうすると、画面が波打つようなマチエールになるんです。
クレヨンを厚くのせている部分と、薄くひいている部分では質感が違って出てきて、
それが面白いなと思い、試行錯誤しながら今の作品にたどりつきました。

—クレヨンをアイロンで温めるのですか、そのような制作方法は初めてお聞きしました。
以前テレビで「クレヨンで描いた子供の絵の保管方法」というのがやっていまして。
アイロンで熱すると、裏写りしなくなるみたいです。
ある時その方法をふと思い出して、やってみました。
細かい線はひっかいたり、薄くといたアクリル絵の具で描いています。
水気が多いとクレヨンの油分で水がはじくので、その雰囲気も生かして制作します。

—まだまだ面白い質感になりそうなタッチですね。

はい、アイロンのかけ方や手を動かす方向でも、違った質感になったり模様が出来たりするので
そういった所も面白いですね。

—絵を描くときに大事にしている事などありますか?

そうですね、自分らしくあるという事でしょうか。
描いている物も好きなものばかりで。自分らしいといいますか。
あとはやりすぎないようにもしています。
例えば、このスカートの絵は、最初制服の襟やスカーフも描いていたのですが、
書き直して4回目ぐらいに、スカートだけの作品を描いてしっくり来ました。

 

 

—くぼさんならではのバランス感覚があるんですね。

行き過ぎると、なんだか自分らしくない気がしまして。
これだというものが出来るまで描きます。

—今後はどのような制作活動をしていきますか?

そうですね、今考えているのは、物だけでなく人物も描けるようになりたいです。
顔の部分が難しいので、今後の課題ですね。風景も挑戦してみたいです。
あとは仕事と両立しながら、売り込みも行こうと思います。

 

一見シンプルに見えますが、独特の存在感のあるくぼさんのイラストレーション。
くぼさんの制作に対する思いが滲みでているように感じました。

 

インタビュー / HBstaff 土生はづき

 

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