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藤枝リュウジ賞 山下以登個展「ふくろとじ」

大賞展6週目は、藤枝リュウジさんの大賞を受賞された山下以登さんです。
HBギャラリーでの展示は2008年、2011年につづき今回で3度目となります。

 

 

— 藤枝リュウジ賞受賞、おめでとうございます。受賞されたお気持ちをお聞かせ下さい。

「うれしかったですね。15年くらいでしょうか、HBのファイルコンペにはずっと応募していました。
藤枝リュウジさんには今の絵とは違う、顔の無い絵を描いている頃から作品を知って頂いていましたので、
これまでの変化をずっと見ていてくださっていたので余計にうれしいですね。
あきらめずに描き続けていてよかったです。」

— ずっと描き続けていた事が今回の受賞につながったのでしょうね。

「線画での表現は仕事に繋がりにくかったこともあり、表現で悩み、描くのを休んだこともありました。
色鉛筆で描いていた絵で仕事が入り出していたので、この表現でいこうかなと思っていた頃、
唐仁原さんが「この線でいこうよ。他に描けるひといないんだから。」と背中を押してくださいました。
それからは「おもしろいね」と評価してくださる方が増えてきています。
自分の中でぐるぐると螺旋をたどるかのように、はじめに戻ったり、行ったり来たりしながら
今の表現にたどり着いたのかなと思います。
今回発表したような線画も、これまでの色鉛筆での表現も、両方頑張っていきたいと思っております。」

 

 

— 今回の「ふくろとじ」という展示タイトル、おもしろいですね。
以登さんの個展のタイトルはいつも魅力的なのですが、毎回悩まれますか?

「すごく悩みますね。いいタイトルをつけている作家さんがいると、やるな~!と思います。
今回の展示は物語をテーマにしようと考えていたので、候補には『目次に無かった物語』というものもありました。
藤枝さんに展示のご相談に伺ったところ、※『江戸紫絵巻』のようなものをやってみようよ!と
(※著者は井上ひさし氏、挿絵は以登さんのお父様の山下勇三氏)
ご意見をいただいたので、物語性の中に少しエロティシズムの要素も取り入れ今回のような展示に至りました。
エロ本の「ふくろとじ」という意味合いではありますが、その言葉からは、
袋をあける前のワクワク、ドキドキ感も表現できるのではと思いました。
袋のすきまから見えるように、あからさまに見えるのではない、ちょいエロな感じを今回の作品では表現しました。」

以登さんの描くしなやかな線画には、単に美しいだけではない
芯の強さや粘り強さのようなものさえ感じられました。
今回は、絵だけではなくスチレンボードを使ったオブジェの作品もあります。
様々な魅力を孕んだ以登さんの線画は、22日水曜日までご覧頂けます。
女性も男性も楽しめる「ふくろとじ」をぜひご覧下さい!

インタビュー / HBstaff 桑原紗織

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