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やまぞえみよ個展「ソノ辺サイクロペディア」

今週の作家さんはHBでは3年ぶり2回目の展示となる、イラストレーターのやまぞえみよさんです。
やまぞえさんはミシンや針を自由自在に動かして糸で絵を描かれています。
今回は「ソノ辺サイクロペディア」というテーマで、身の回りの道具や、道ばたに咲く草花、
はるか彼方の天体や宇宙まで、やまぞえさん独自の視点で捉えたユーモアあふれる展示会となりました。
どれも刺繍ならではの糸のきらめきが美しい作品ばかりです。中には、実際に触って楽しむ作品も!

— 「ソノ辺サイクロペディア」と聞いてどんな展示になるんだろう?とわくわくしました。
百科事典のような意味合いでしょうか。今回のテーマについてお聞かせ頂けますか?

昔から、西洋の航海者が旅先で描いた植物の絵とかを見るのが好きで、博物図鑑なども好きでよく見てました。
今回の展示ではその好きな感じを出せたらなと。理科的な要素にすごく興味があります。

— 昆虫を分類した図や、人体模型、宇宙、天体など…
理科の教科書で見覚えのあるようなモチーフ選びが楽しいですね。
この作品は髪の毛がめくれるようになってるんですね!

そうなんです、ぜひ触ってみてください。人体模型のような感じを出したかったんですが、
あまりにもリアルすぎると気持ち悪いかな…と思って。
「めくってみてください 」とお客さんに話しかけたりして、コミュニケーションになって楽しいかなと。
見て触れてたのしんでいただきたいです。

— ふふふ。みなさん楽しそうにめくってますよね!
ところどころに絵筆の筆跡も見えますが、どのように描いてるんですか?

広い面などは、最初にアクリル絵の具で色を塗って、さらにその上からミシンで刺繍しています。
星屑のつぶつぶしたところは針で塗ったり…と使い分けてますね。
帆布という少し厚めの布に、色を塗ったり糸で縫ったりして絵を描き、最後に木枠に布をぴんと張るんです。

— なるほど、最後に木枠にはめるのですね。
絵を描くことと、お裁縫と、最初に興味を持ったのはどちらでしたか?

最初はやはり絵を描くのが好きでしたね。絵は子供のころから好きで。
でも絵で食べていくという方法がわからなかったので、
大学ではテキスタイル科で勉強をして、卒業後はテキスタルデザイナーとして働きはじめました。
でも徐々に、やっぱり絵で行きたい!と思うようになって、フリーで制作をするようになり、絵に戻ったという感じです。

 

— やまぞえさんと言えば、黒バックの作品が印象的です。
絵がぽうっと浮かんできて幻想的な雰囲気がでますね。

以前、チョイスに応募し入選を頂けた絵がたまたま黒バックの作品だったので、
それを見た方がお仕事でも黒バックでお願いします、と依頼して頂くことが多いんですよ。
なのでその方向で作品も多く作ってました。やはり背景が黒いと、糸の色が映えるんですよね。
でも、今回展示したような白バックでの作品でもお仕事も広げていきたいと思っているので、
こんなのも描けますというのをぜひ見ていただきたいです。

— 背景が白いとほんわかとしたやわらかい印象になりますね。どちらも違った魅力があります。
最後に、これからの目標や今後やってみたいお仕事などお聞かせ頂けますか?

本を読んで、そのお話をイメージして絵をつくることが好きなので、やはり装画のお仕事がしたいですね。
自分でストーリーを書いて、絵も描いて絵本も作ってみたいです。まずはオリジナルで制作してみようかなと。
また、白バックの作品でもお仕事を広げていきたいなと思います。そのためには営業をがんばらないとなんですけどね…

— ありがとうございました!益々のご活躍を楽しみにしております。

見る人の想像をふくらませるような幻想的な世界観の作品もあれば、
ユーモアな作風で思わずふふふ!と笑みがこぼれてしまうような作品も。
ユニークさとファンタジーさ、両方を兼ね備えたやまぞえさんの作品には、
楽しんでほしい!という見る人への思いや、作ることが楽しい!という作家さん自身の想いなど、
たくさんの気持ちが詰まっていました。

会場では、やまぞえさん手作りのアゲハチョウやクワガタなどの昆虫を模したピンバッチ、
「ムシムシピン」も展示・販売中です。残りわずかですのでお早めに!

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