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坂本奈緒個展「Storage」

今週の作家さんはHBでは5年ぶり2回目の個展となるイラストレーターの坂本奈緒さんです。
北海道岩見沢ご出身の坂本さん。東京で10年ほど活動されたのち、2年前に北海道へ戻り
絵のお仕事を続けられています。

潔いえんぴつ線と、空間のとり方がきもちのよい坂本さんのイラストレーション。
大自然に囲まれながら描いた、のびのびとした心地よい作品が並びます。

— 今回はどのようなテーマで制作されたのですか?

小さい頃住んでいた場所を描いてます。
現在も住んでいるので実際に見える景色や、記憶の中の景色を拾い上げながら描きました。
2年前に北海道に戻ったことが、記憶をとり出すきっかけになりましたね。
タイトルには「保管」という意味合いがあるので、
保管庫を開けて、ひらいて、思い出す…といったようなイメージです。

— 昔から馴染みのある風景なんですね。子供のころはどんな遊びをしていたんですか?

トンボの首飛ばしとか…

— !

やりませんでしたか?(笑)トンボをつかまえて、ぴんっ!って首から上を指ではじくと頭だけがもげて…でも飛んでいくんですよ!そのあとはゆっくり急降下して…
ほかには森とか林とかに入って、雪解け水をコップに汲んで飲んだり、木の実をつぶして色をつくったり。

— 外でたくさん遊んでいたんですね。絵も子供の頃からお好きでしたか?

好きでしたね。趣味でずっと描いてました。

— 坂本さんはこれまでもいろんな画材で線画を描かれてますが、今回の作品は何を使って描かれてますか?

画用紙に2B~6Bのえんぴつで描いてます。色は透明感を出すためにアクリルガッシュで塗ってます。
今回の作品は、すごく楽しんで描けました。
これまでは誰かのために描こうとか、苦しみながら生み出そうとする部分もあったのですが、
やっとそこから抜けれたような、自分自身のために描けた気がします。
この画材は描いていて楽しかったので、今後また違った見せ方ができるかなと。

— 楽しそうに描いているのが伝わってきます!
話しは変わりますが、東京と北海道の両方でお仕事をされてみて、いい面と悪い面があると思うのですが、
坂本さんにとってはどんなことがそれにあたりますか?

東京はたくさんものがあって、刺激的でたのしい。たくさんありすぎて、流されたり
いろんなものが目に入りすぎて忘れちゃう…でも仕事をするには良い土地!
疲れると休む場所がないかなと思いますね。

北海道は、ものはなく刺激も少ないですが、見ようと思ったものが見れて、いつでも立ち止まれる土地という印象です。ゆっくり見て、考えたりすることのできる場所でしょうか。

— 北海道に戻られてもお仕事を継続されているのがすばらしいと思います。

最初は戻っても絵の仕事ができるのか不安だったんですが、
うまく回せるようになってきたので、北海道に住もう!と決心できました。

—  やってみないとわからないものですね!いい決断だったのではないでしょうか。
最後になりますが、今後やってみたいお仕事や抱負をお聞かせ頂けますか?

装丁です!装画をまだそんなに描いた事がないので、もっと多く描きたいですね。
そして仕事をし続けたいです!

— すてきなお話ありがとうございました。今後益々のご活躍をたのしみにしております!



生まれ育った土地や、幼い頃の記憶、遊んでいたおもちゃ、昔の写真を元に
坂本さんのルーツを描いた今回の作品。
らくがきを夢中で描いていたころを思い出したかのように、心から楽しく描いた素直な作品に感じられました。

これからもさらなる広がりを期待させてくれる坂本さんなのでした!

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