HB Gallery

Blog

副田高行賞 柴崎早智子個展「ぼくは、いつもギューニュー」

HBファイルコンペvol.23 大賞展3週目は副田高行賞を受賞された柴崎早智子さんです。
ファイルコンペの応募は今回が初めて。渾身の力作20点で見事大賞に輝きました!
今回の受賞展がご自身初の個展となります。
現在、山形県在住の柴崎さん。今回の展示のためはるばるお越し頂きました。

— 副田高行賞おめでとうございます。受賞を知ったときはどんなお気持ちでしたか?

一次選考に残るか残らないかだろうな…と思っていたので、とにかくびっくりしました!

— ファイルコンペは初参加だったんですよね。ファイル作りではどんな工夫をされましたか?

抽象的な背景と子供の表情で、子供が感じてることや、どんな子供なのかを伝える絵を描こうと思いました。
絵の具や色鉛筆など様々な技法で描くので、バリエーションはあっても
表現したいことやテーマはぶれずに、というのは意識していました。
ファイル1冊で「こういう世界の絵を描きます」というのを表現したいなと。20点という数はとても大変でした。

— これまでもコンペに出そうと思ったことはありましたか?

青山塾に通っていたのですが、通い終わる頃にようやく今のスタイルが出来てきたので、
それまではコンペに出せる絵がなかったんです。
習作ではなく作品として完成させたくて、卒業後もひとりで制作を続けていました。
背景と子供の世界を一致させるのに特に時間がかかってしまって、
色合いがするどすぎたり、時には大人っぽすぎたり。

— 抽象とポップな子供の絵を組み合わせた柴崎さんの絵は、見た事がなく新鮮だなぁとみなさん感心されています。
子供の表情を描く時、資料はどんなものを見ますか?

自分で撮った写真や、サイトで画像を探したり、YouTubeの動画を見て描いたりします。
はじめてレモンを食べた子供の表情や、はじめて炭酸を飲んだ表情などを撮影した動画がたくさんアップされていて、
それらを参考にすることもあります。実際の光景だと、じっと観察するというのは難しいので動画を見ることが多いですね。
一発描きなので、口元を描く時は特に慎重に。一本線なので、少しでもゆがむと違った表情になってしまうんです。

— 柴崎さんの絵は子供の表情がゆたかで可愛らしいです。そういった観察から生まれているんですね。
今回の展示が初個展だそうですが、実際に展示してみていかがでしたか?

ほっとしました。ファイルに入れていた2作品も展示しているのですが、それ以外はすべて新作なので、
HBさんで飾るのにこれで大丈夫かなぁ… という気持ちでした。ドローイング作品も発表するのは初めてなんです。

— みなさん楽しそうに絵を見ていますよ。すばらしい初個展だとおもいます!
話しは変わりますが、柴崎さんは幼稚園に通うお子さんがいらっしゃるそうですが、
制作時間はどのように確保されていますか?

まず、朝9時に幼稚園に送っていき、その帰りにドトールやスタバに立ち寄って絵を描きます。
だいたい10時頃まで描いて、そのあと近くのスーパーで20分くらいで買い物を済ませます。
帰ったら今度は家事を。家事は手抜きしちゃうんですけど(笑)。その時間がだいたい11時くらいでしょうか。
家にだれもいない時間なので、そこから絵の具を使って絵を描いていきます。
幼稚園のお迎えが13〜15時くらいで、夜は20~21時に子供を寝かせて、22時に主人のご飯の支度。
24時からまた絵の具で絵を描いていきます。個展前は深夜3~4時くらいまで描いていたり、寝れない日があったりしましたね。
子供が泣き出しちゃった時などは、30分くらいで寝かしつけ、
よしまた描こう!と机に戻ってみると、今度は絵の具が乾いていたりして…(笑)
また色作りから?!ということも。
そんな断片的な描き方をしていたら、1枚のいい作品として絶対に出来ないだろうと思うこともありました。
けれど、そんな作品でも評価してくださる方がいたことで「描けるんだ!」と思えて、いい発見がありました。
ぜひ、子育てをしてる方にも絵を頑張ってほしいと思います!

— 素晴らしいですね。工夫次第で、絵を描く時間は作れるんだ!と。
まだまだお話を聞きたいのですが、最後に今後のイラストレーターとしての抱負をお聞かせ下さい。

だれかに見て楽しんでもらえる作品を描きたいです。
子育てをしていると、行き詰まったりすることもあります。
そんな人に向けて、明るく気分転換させられるような仕事をしたいです!

— たくさんのすてきなお話、ありがとうございました!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

コメントフィード

トラックバックURL: http://hbgallery.com/blog/2013/07/20/%e5%89%af%e7%94%b0%e9%ab%98%e8%a1%8c%e8%b3%9e%e3%80%80%e6%9f%b4%e5%b4%8e%e6%97%a9%e6%99%ba%e5%ad%90%e5%80%8b%e5%b1%95%e3%80%8c%e3%81%bc%e3%81%8f%e3%81%af%e3%80%81%e3%81%84%e3%81%a4%e3%82%82%e3%82%ae/trackback/