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芳野 個展「Little trip」

今週の作家さんは、HBでは初めての個展となるイラストレーターの芳野さんです。
普段はリトグラフという版画技法を用いて、イラストレーションを描かれている芳野さん。
昨年12月に開催された6人展「凸凹」にもご参加いただきました。

今回の展覧会ではすべて手描きでの作品づくりに挑戦!
これまでの作品の雰囲気は残しつつ、手塗りの質感やぬくもりが感じられる、愛らしい作品たちが並びました。

 

 

— まずは作品のテーマについてお聞かせ頂けますか?

今回は「散歩」をテーマに描きました。
もうひとつ、自分のなかでは「手描き」をテーマにしています。

 

 

— 手描きの作品もいいですね。素朴な感じがかわいらしいです。
手描き作品で展示をしようと思ったきっかけは何ですか?

ずっと前から、HBで個展をやるなら手描きで!と決めていたんです。
これまでの展覧会では、ずっとリトグラフ作品を展示していました。
半分がリトグラフ作品、半分が手描き作品、という展示もしたことがあるのですが、
すべて手描き作品というのは今回が初めてなんです。

リトグラフの制作は、週に1度しか版画工房に行けないということもあり、
リトグラフでのイラストレーションのお仕事は、
既存の作品使用と例外を除いてあまり受けていません。
お仕事では、版画の手法を用いてデジタルで制作しています。

最近は、パソコン上で版画のように3~4色のレイヤーを重ねると、
わりとリトグラフのような出来上がりになるので、その手法でお仕事の方にも提案するようになりました。
展示ではリトグラフ作品、仕事ではデジタル作品ということに、
だんだんとジレンマを抱える様になってきた…というのがきっかけにもなりました。

 

 

— 手描きの方が、描き手の雰囲気が伝わりやすい気がします。今回、画材はどんなものを使用しているんですか?

アクリルガッシュやオイルパステル、色えんぴつ、メディウム、ステンシルなど、
いろんな種類の紙に、画材も変え、様々な技法で描きました。
こうして飾ってみると、いろんな描き方をしたけれど、バラバラにはなっていないんだなと感じました。

 

 

— そうですね、きちんと芳野さんのテイストが感じられますよね。

絵の具を塗った上に、色えんぴつがうまくのらないときはステンシルで色をのせたり…と、
手描きになっても版画の技法が抜けていないみたいです。
版を重ねたり、色面を重ねたりすることは癖になっていますね。

 

 

— 版画のように、手でも描かれる!やはり身に付いているんですね。
今回、ご自身で思う展示の見所はどんなところでしょう?

入り口に飾っている展覧会のDMの絵を、本の表紙に見立てていて、
その本をめくると女の子がお散歩に出掛ける…というお話のようになっています。
作品全体がつながっているような、1つ1つの作品が自立しているような、
そんな展示を意識しました。

— あ、ほんとうですね!いろんなストーリーが浮かびます。ぜひ、みなさんにも見て頂きたいですね。
最後になりますが、今回の手描きの手法でやってみたいお仕事などお聞かせいただけますか?

文芸誌のお仕事をやってみたいですね。詩に絵をつけるような!
今後もデジタルでのお仕事は続けていきたいと思っています。
デジタルは、色面など整頓された感じがしますが、手描きは手塗りの質感やざっくりとした感じが出て、
デジタルとはニュアンスが少し変わる気がします。
お仕事の内容によっては技法を変えたりしながら、色やテイストは変えず両方続けていきたいです!

 

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