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上村奈央個展「うたかたの日々」

今週の作家さんは上村奈央さんです。
本の装画や挿絵、パンフレット、CDジャケットなど幅広くご活躍されています。
上村さんの描く淡い色彩と滲みのある線は、遠い記憶を呼び起こすような
懐かしい気持ちになれる作品ばかりです。
だれもいない公園、淹れかけのコーヒー、ぽつぽつと咲く草花 …
さまざまな空気感や気配、温度感までも表現のできる作家さんです。

現在は岐阜県にお住まいの上村さん、東京では初個展となります。
どの作品もじっくりと時間をかけて見ていたいものばかりです。この機会をお見逃しなく!

 

 

– 今回の展覧会のテーマについてお聞かせください。

「うたかた」という言葉には「はかない」や「泡みたいに消える」という
意味合いが含まれているそうです。
ありふれた日常が、気づいたらいろいろ変わっていってしまう。
そんな、はかない日々を大切にしたいという想いが込められています。
震災以降は、これまで以上にありふれた日常の大切さに気づきました。

昔から”せつなさ、あたたかさ、なつかしさ”が自分の中でテーマで
絵を見て、それらを感じるものを描きたいなと思っています。
あるデザイナーさんから「さみしい絵だね」と言われたことがあって、
さみしさを感じるというのも私の絵の特徴かなと思います。

 

 

– 描いているものは実際にある風景ですか?

日々過ごした地元の風景もありますが、
実際に見た風景よりは、頭のなかにある風景だったり、
記憶が組み合わさった風景を描くことが多いです。

– スケッチなどもされますか?

気になる風景をメモ程度に残したり、組み合わせたりして
その場で描くというよりは、頭の中にあるものを
家でらくがきのように描いたりはします。

 

 

– イラストレーターを目指そうと思ったのはいつ頃ですか?

大学4年のときに、デザインかイラストレーションの道に進むか迷ったのですが、
いったんは広告の仕事に就きました。
でもやっぱりイラストレーションでお仕事をしたいと思うようになり、
2年程勤めていた会社を辞め、東京に来て売り込みをしました。

– 本のお仕事が多いですが、上村さんご自身本を読むのはお好きですか?

読書は好きですね。気になった作家さんの本をずっと読んでいたりします。
川上弘美さんが好きで、川上さんの本の装画を描くお仕事を頂いたときは
すごく嬉しかったです。

 

 

– 好きな作家さんとお仕事ができたのは嬉しいですね。
上村さんの絵は余白もいいなぁと思うのですが、描くときに意識はされていますか?

空間は意識しています。
絵を描き始めたときから余白や「ま」のようなものは描いていました。

– その余白がいろいろなことを想起させるのかもしれませんね。
線のにじみもきれいです。画材はどんなものを使っていますか?

色えんぴつや水彩絵の具、水性ペン、水彩色鉛筆、アクリルガッシュなど
様々な画材を使って描いています。

 

 

– 色も線も繊細でずっと見ていたくなりますね。
ケーキの絵が多いのはなにか理由があるのでしょうか?

そう言われてみるとそうですね。
誕生日とか、ひなまつりなど母がケーキを焼いてくれたので
そういう記憶かもしれないです。

– すてきな思い出ですね。どのシーンも不思議と懐かしさを感じます。
最後になりますが、今後やってみたいお仕事はありますか?

本や出版関係、広告などいろいろとやってみたいです。

– ありがとうございました。また作品を拝見できるのを楽しみにしております!

 

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