HB Gallery

Blog

浅妻健司個展「髭と猫」

今週の作家さんは浅妻健司さんです。HBでの個展は約6年ぶりとなります。
今回は『吾輩は猫である』を執筆していた頃の夏目漱石をテーマに、さまざまなタッチで
表情豊かな浅妻さんらしい漱石像が描かれています。
普段のお仕事とは違ったタッチの作品もあり必見です。お見逃しなく!

 

 

— まずは今回のテーマについてお聞かせいただけますか?

何かしら、自分にゆかりのあるものをテーマにしようと考えていて、
自分の勤め先がある早稲田に住んだ人物、ということで夏目漱石を選びました。

— 今も漱石にちなんだものなどが残っているのですか?

駅の脇に「夏目坂」は、この辺りの名主だった漱石のお父さんが名付けたそうです。
「喜久井町」という町名も、夏目家の家紋が由来になっています。

 

 

— 『吾輩は猫である』を執筆していた頃は、浅妻さんにとって印象的な出来事が多かったのでしょうか?

当時、大学の先生だった漱石は、作家を生業にしたいと考えていました。
なので「吾輩は猫である」執筆は漱石にとって、嬉しく楽しい作業だったんじゃないかなと思います。
絵にするのに、神経質で精神を患っている暗い漱石よりも、創作を楽しんでいる漱石を描けたらなと思って、
「猫」を執筆していた頃にテーマを絞りました。

 

 

— ほのぼのとしていてかわいい漱石ですね。
今回、いろいろなタッチで描かれているように見えるのですが画材は何を使われていますか?

アクリルガッシュや、ボールペン、マッキーなど文房具のペンです。
気軽に使えて、リラックスして描ける画材を使っています。
面白そうな画材を見つけたら試してみるようにしています。

 

 

— 今回、6年ぶりの個展開催ですが、展示してみてよかったなと感じたことはありますか?

作品を作っていく過程で色々な発見があって、それが良かったです。
またテーマについて色々調べものをしたのも、良い経験になりました。
漱石は、絵を描くのも見るのも好きでしたし、自身で装丁をした『心』に「ars longa, vite brevis.(芸術は長く、人生は短いと訳すようです)」という言葉を掲げたように、漱石は普段から、芸術や創作はどうあるべきか考えていたんじゃないかなと思うので、そういう姿勢を自分も見習わなきゃなと思いました。

 

 

— 最後に、今後の活動目標をお聞かせください。

20年近く前に、唐仁原さんに「長く続けていきなよ」と言われたのもあって、そうあるのが目標です。
長く続けるためには、自分自身にも、人にも飽きられないようにしないといけないなと思うので、少しずつでも進化していきたいです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

*

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

コメントフィード

トラックバックURL: http://hbgallery.com/blog/2014/11/25/%e6%b5%85%e5%a6%bb%e5%81%a5%e5%8f%b8%e5%80%8b%e5%b1%95%e3%80%8c%e9%ab%ad%e3%81%a8%e7%8c%ab%e3%80%8d/trackback/