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河井いづみ個展「Pearl」

今週の作家さんは河井いづみさんです。HBでは初個展となります。
カップ、帽子、引き出しなど、馴染みのあるものを描きながら
素材を組み合わせ、不思議な世界観を作りだすことのできる河井さん。
自由な発想とセンスで、挿絵や装画、パッケージ、テキスタイルなど、幅広くご活躍中です。
丁寧に描かれた、美しい鉛筆の濃淡もぜひご覧いただきたいです。お見逃しなく!

 

 

— 河井さんが絵の道に進もうと思ったのはいつ頃ですか?

小5の時です。私は高学年になっても絵本が好きで、学校の図書室でずっと絵本ばかり読んでいました。
いつも空想の世界に住んでいるような子でした。
今でも覚えてますが、昼休みにいつものように図書室で絵本を読んで、空想と現実を行き来しながら
自分の教室へ帰る階段の
最後の一段を上がったところで「私もこういう絵を描く人になればいいんだ!」と、
その瞬間に決断しました。
その頃からなぜかプロ意識を持っていて、
アーティストになるんだから、人の真似ではなく、自分の言葉で話さなければと思っていましたし、
みんなと違う視点で物事を見なければ!と思い込んで行動していました。
ですがあまりにも幼いので、うまく自分を表現できなくて失敗ばかりでした。

 

 

— その頃からプロ意識があったとは、すごいですね。アーティスト、画家、絵本作家などいろいろな道があるかと思うのですが、イラストレーションを意識したのはいつ頃ですか?

とにかく最短の道を進もうと思っていたので、地元長崎の美術科のある高校へ進んで、
その後は専門学校へ進み、絵の方へ進むという道は決まっていました。
2006年にフランスからの帰国後、描きたい絵を描いて発表する画家の仕事も、オーダーに対して答えるイラストも
両方やる人になろうと思い、イラストレーターになろうと決めました。
自分の出来るすべての中から、
イラストレーションのお仕事をさせていただいているという感じです。

 

 

 

— フランスでも活動をされていたそうですが、言葉は向こうへ行ってから勉強されたのですか?

最初の3ヵ月は猛勉強しました。サンドイッチを1個買えるようになろうとか、
バスに乗れるようになろう、とか
小さな目標を立てて勉強していました。

— 向こうでの生活は、どんなことが勉強になりましたか?

3年間滞在していたのですが、建物や風景や人が素敵だったり、暮らしの全部が勉強で刺激を受けました。
日本のことも外から見ることが出来ましたし、他の国の人のアイデンティティーにも触れました。
外国人として、異国で暮らすことがこんなに大変なのかとも思いました。
とくに始めの頃は、フランス語も話せなくてオドオドしていたら、
お店に入ってもまともに相手にされなかったり、道で知らない人に突然からかわれたりしました。
なので、フランス語を話せるようになったり、フレンチギャル達が着ていたような黒い服ばかり着てみたりして。
そして背筋をのばし、常に堂々とエレガントに振る舞う事を目指しました。
あなたと私は対等ですよ。というのを見た目で表すのです。そうするしかなかったですね。
もちろん慣れてからは、自分らしく楽しく過ごしました。
あの時の暮らしが、今の私の基礎になったなと思います。青春でした。

 

 

— いい経験をされましたね。帰国後は売り込みなど行かれたのですか?

最初の1~2年は、出版社やブックデザイナー、アートディレクターのところへ売り込みました。
あとは、たくさんファイルを送ったりもしました。
「イラストノート」に載せていただいてからは、お仕事が増えたように思います。

— 今後、やってみたいお仕事、活動したいことなどをお聞かせください。

アーティスト活動とイラストレーションの仕事を続けたいです。
もう1度フランスで個展もやりたいですし、テキスタイルや広告のお仕事ももっとやりたいです。

 

 

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