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ゴトウヒロシ個展 新聞連載小説”あなたが消えた夜に”挿画号外

今週の作家さんはゴトウヒロシさんです。HBでは約1年ぶりの個展となります。
今回は、ゴトウさんが毎日新聞夕刊の連載で挿絵を描かれていた、『あなたが消えた夜に』(作・中村文則)の単行本出版にあわせ、描き下ろし作品や連載時の挿絵に色を加えられた新作を展示しております。今にも動き出しそうな登場人物たちが会場でお待ちしております!ぜひお立寄りくださいませ!

 

 

— 連載を終えられたときはどんなお気持ちでしたか?

さみしかったです。連載中はずっと小説の世界観の中にいたので、現実社会に戻っちゃう感じでさみしかったですね。

— 特にこのキャラクターに感情移入した、ということはありましたか?

主人公にはそんなにでもなかったのですが、場面場面で立っているキャラクターにはそれぞれに感情移入していました。

 

 

    

 

— 登場人物のキャラクター作りは、作者の中村文則さんとも打ち合わせをされたのですか?

基本的には任せられました。「こういう感じで描きます」と伝えて、「大丈夫です」という感じのやりとりでした。

— ワンシーンごとに、実際にモデルさんを撮影して描かれていたそうですが、絵の構図などは写真を撮る際に決めていたのですか?

絵コンテでまず決めて、そのあとポーズをつけて撮ってみます。あっちがいい、こっちがいいとか言いながら、1シーンに対して5ポーズくらい撮ります。今後こんなカットが出てくるかも、と予想しながら撮影したり。モデルさんは10人くらいでまわしていました。

 

 

— 連載中、一番大変だったことは何ですか?

たいしたキャラクターじゃないと思っていた人物が、後半メインのキャラクターになっていたことです。
登場人物も多かったので、自分で相関図を作っていました。色々な人が色々なところで繋がっているお話なので、この人とこの人がどういう関係にあるのか、誰の知り合いでどう繋がっているのかとか。でも誰が怪しいのかわからないんです。みんな怪しく見えてきたりして…

— 犯人を知らずに描いていくのはスリリングですね…!ゴトウさんにとって、連載の挿絵を描く一番の醍醐味はなんですか?

連載の中盤くらいで、去年個展をした際に「新聞連載、見てますよ」とか「切り抜いてます」とか、わりと声をかけていただけて嬉しかったです。みんなちゃんと夕刊も見ているんだなと思いました。手を抜かずに描いていたので、新聞連載にしては記憶に残るものになったのではと思います。作者の中村文則さんとも、メールで頻繁にやり取りをしていました。しかも毎回、感想までくださって嬉しかったです。中村さんは「ゴトウさんとのコラボ作品ですから」と言ってくれたので、自分もそのつもりで描いていました。

 

 

— 作家さんから直接感想をいただけるのは嬉しいですね。
ゴトウさんの、昨年の油彩画の展示も素晴らしかったですが、今回は見せ方も雰囲気もまた違ってかっこいい展示でした。展示されてみていかがでしたか?

今回やってみて、久しぶりに帰ってきた感じがしました。去年は去年でおもしろかったのですが、ああいう作品を見せていいのかどうかもわからなかったです。やり応えがあるということでも、今回の方が自分としても安心感はあります。でも今回は、油彩画が見たかったという方もいらしていましたね。

ずっと人物画を描いていたのですが、新聞連載をやるまで煮詰まっていました。 これ以上、進化しようがあるのかな?と。でも今回やってよかったです。新聞連載の仕事もよかったし、展示もやってよかった。やっと終わったという感じです。

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