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山本直孝個展「中世に迷い込んだ紳士たち」

今週の作家さんは山本直孝さんです。HBでの個展は約12年ぶりの開催です。
広告やパッケージ、挿絵など幅広くご活躍中の山本さん。
今回の作品は、なんとすべてマスキングテープで描かれています!
模様入りのテープはほとんど使用することなく、洋服の柄もすべて山本さんの手作り。
会場には虫めがねも設置! 隅々までじっくりとお楽しみください!

 

 

これまでは線画のタッチや、絵具のタッチで長年お仕事をされてきた山本さん。
元々は奥さんのコレクションだったというマスキングテープに着目し、4年ほど前からお仕事の合間に趣味で描いていたそうです。絵具で描くことも楽しいけれど、何かが違う…と感じていたそうで、マスキングテープの方がより自分に合っている画材だと気づいたそうです。使い始めは扱いに苦労したそうですが「でも、出来そうだな!」という気持ちの方が大きく、試行錯誤しながらも描き続けたそうです。描いていくうちに、マスキングテープのタッチでも仕事の依頼が来るように。そこから「この絵なら個展をやってみたい」と思い、今回の久しぶりの個展開催につながりました。

 

 

広告や男性ファッション雑誌、ビジネス雑誌等でスーツ姿の男性を描くことが多いという山本さん。
そんな、普段から描いているモチーフで、個展としておもしろく見せるにはどうしよう?というところが今回のテーマの起点となりました。スーツを突きつめていくと、昔の中世の人の服装や、トレンチコート(=兵士のために作られたもの)に繋がり、戦争や聖書にまで辿りついたそうです。作品には、王様と現代のスーツ姿の男性が一緒に登場する場面も! ユニークなアイデアが光る作品たちです。

 

 

昨年から今年にかけて、山本さんが表紙を手掛けられたNHKテキスト『ラジオ英会話』の原画も一堂にご覧いただけます!
お仕事に繋がったきっかけは、ファッション誌『MEN’S Precious』で描いた人物のイラストレーションを、NHKテキストの編集の方が書店で見てくださったとのこと。10年程前、山本さんはNHKテキスト中面の挿絵を描くご経験があったそうで、いつか表紙を描きたいと思っていたそうです。その夢が実現し、1年間山本さんのイラストレーションで彩られました! こちらもすべてマスキングテープで描かれています。

 

 

細かい作業ではありますがお仕事にもばっちり対応可能とのこと。印刷になってもテープを重ねた凹凸感や、切り口のやぶれ感など表情豊かです。今後も、このタッチを楽しんで見てもらえるよう続けていきたいそうです。他にもまだまだやれることがありそうだな、と山本さん。今後の作品も楽しみです!

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