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竹中ゆみ子個展「巡る」

今週の作家さんは、竹中ゆみ子さんです。ご自身初めての個展開催です。
100年以上前に建てられた京都のお祖母さまの家を訪ねた竹中さん。今は誰も住んでいない、家具だけが残された部屋。いつかはなくなってしまうかもしれない風景を、幼い頃の思い出と共に絵に残されました。味のある手描きの線と、温かみのあるレトロな色彩が楽しい作品です。ぜひお立寄りくださいませ!

 

 

大阪ご出身の竹中さん。京都のお祖母さまの家には、幼い頃から一人で遊びに行っていたそうです。今回絵を描くにあたり、久しぶりに訪れた京都の家。近くに住む伯父さんから昔の話を聞かせてもらったそうです。

100年以上前に建てられたお家で、配送業や着物を繕うお仕事をされていたそうです。間口の広い造りだったり、布を切るための長机があったり、毛糸がたくさんあったり…と、仕事に関連する家具やモノが多いことに気づきました。竹中さんのお祖母さまはその家の4代目で、お亡くなりになるまで着物を繕うお仕事を続けられていたそうです。

遊びに行くと必ず常備してあった瓶のサイダーやみかんジュース、昼寝をさせてもらったソファ、 よく連れて行ってもらった京都のイノダコーヒーのこと…。家具や風景から当時の色々な記憶が思い出されたそうです。

 

 

 

京都精華大学でテキスタイルデザイン分野を卒業し、転職を期に8年前に大阪から上京された竹中さん。大阪時代は、勤めながら京都のパレットスクールに通われていました。上京後も絵を続けたいと思い、偶然知った安西水丸さんのイラストレーション教室に通いはじめます。水丸さんには叱られることが多かったという竹中さんですが、きっと絵の見込みがあっての厳しさだったのでしょう。水丸さんが教える、最後の期の生徒さんとなりました。

現在はオフィス家具会社でグラフィックを制作するお仕事をされながら絵を描いています。これからのご活躍が楽しみな竹中さん、絵のお仕事は媒体問わず何でも挑戦してみたいそうです。

 

 

 

大人になり家を訪ねてみると、部屋にあった旧式の痛そうなマッサージチェアや、庭にある灯篭、京都ならではの町家の格子など、幼い頃には気がつかなかったおもしろいものにたくさん出会えたそうです。お祖母さまの家や、京都の街並み、純喫茶やレストランなど、たくさんの思い出がつまった京都での出来事。その記憶が繋がって、今も古いものが大好きだそうです。大切な思い出を手繰りながら描いた温かい作品たちでした!

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