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日下潤一賞 
 上山拓次個展「ハレとケ」

HBファイルコンペvol.29の受賞者展、第2週目は日下潤一賞大賞に選ばれた上山拓次さんです。
昨年、7回目の応募で見事大賞受賞となりました。黒い影には何が描かれているのか…ぜひギャラリーでご覧いただきたいです。上山さんの初個展、ぜひお越しくださいませ!

今回のテーマは「ハレとケ」。民俗学の用語で行事や祭事の「ハレ」とそれ以外の普段の生活「ケ」、日常と非日常をひっぱり出して作品にしようと思った、と上山さん。奇妙なタッチを生かせるモチーフを選ぼうと意識されたそうです。統一的なトーンが嫌だったそうで、ハレとケ、2つの属性が混ざっているモチーフを描いたとのこと。

 

 

 

応募したファイルの作品は、描いた絵を古いコンパクトデジカメで撮影し加工したもの。予想していない色や変な色を拾い、色調を変えるなどして実験的に制作していたものだったそうです。1枚1枚で完結するのではなく直接的ではない、見えないストーリーが出てくるような、ファイル全体で伝わるような絵を目指したそうです。怖くも見えるし、普通にも見える、どこにでもあるものにも見えるように描いたとのこと。自分の中では形が一番重要で、一番の問題、と上山さん。

 

愛知県にお住まいの上山さん。学生の頃からHBファイルコンペに応募されていたそうで、コンペに出し始めたきっかけは、予備校時代の先生でイラストレーターの杉山陽平さんが仲條正義賞を受賞されたことだったそうです。杉山さんも形にこだわる作家さん、上山さんが10代の終わりにとても影響を受けた方なのだそう。昨年の応募でダメだったら最後にしようと思っていたのでラッキーだった、と上山さん。
今後やってみたいお仕事について伺ってみると、「今の作風でできること、イラストレーションとしてどう見えるのか知りたい。 イラストレーションにならないのだったら、この絵は辞めてもいいと思っている」と上山さん。上山さんの探究心を垣間見る作品たちでした!今後も楽しみです。

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