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藤枝リュウジ賞 桃山鈴子個展「わたしのイモムシ」

HBファイルコンペvol.29の受賞者展、第5週目は藤枝リュウジ賞大賞に選ばれた桃山鈴子さんです。
ファイルは20作品、すべてイモムシの絵で統一。審査員たちも魅了された美しいイモムシの世界をお楽しみください!

「ジャコウアゲハ、ウマノスズクサ」

今回描かれたイモムシたちは、すべて桃山さんが実際に飼育されて描かれたものです。自然豊かな環境にお住まいで、家のまわりで昆虫採集ができるとのこと。個展期間中はイモムシの世話ができないため、今現在、サナギの状態のものが5匹。孵化しそうなものは、木にクリップで留めてきたのだそう。描く時はなるべく触らないよう、筆に載せたりし、傷めないように観察するそうです。手の油がイモムシの呼吸を妨げる恐れがあるとのこと。

「ナミアゲハ」

「イボタガ、ネズミモチ」

虫を好きになったのは小学1年生のころ。さみしかったときうつむくと草むらや地面に虫をみつけ、笑顔になれたそうです。特にイモムシがお気に入りで腕に這わせてあそぶときのイモムシの足がぴとぴとと肌にすいつく感触が好きだったそうです。虫を触っているか、絵を描いているか、本を読んでいるか…そんな子ども時代だったそうです。今から10年ほど前にも、再び虫に救われるような出来事が。本格的に虫を描こうと思ったきっかけになったそうです。

「クロシタアオイラガ」

はじめからイモムシの展開図を描いていた桃山さん。実際に虫を開いて描いている訳ではなく、色々な角度から観察し、平面上でいくつものイメージを繋ぎ合わせて描いているとのこと。背中からお腹まで、繋がっている連続した美しい模様の流れを途切れさせずに、一つの画面で全て同時に観ることができたらどんなに美しいだろうと考えた結果、虎の皮の敷物やサンマの開きのような展開図を思いついたそうです。
画材はアクリルインクと丸ペンを使用。美しさと不思議さ、どうしてこんな模様になるのか頭では理解できないところが魅力なのだそうです。イモムシは描き終わったら元に居た自然に戻すそうで、7~10日程度、手元に置いておき飼育しながら観察して描かれるとのこと。一生懸命葉っぱを食べているところも、ウンチをしているところも、全てが可愛いなと感じるそうです。

「シャクトリムシ、ワビスケ」

イラストレーションのお仕事では特に本の装画と絵本に興味があるそうです。みんながネコが好きだからネコ、イヌが好きだからイヌを描くようにイモムシを描いていきたい。イモムシの展開図はライフワークとして続けていきたいそうです。

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