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鈴木理子個展「Flower」

今週の作家さんは鈴木理子さんです。HBでは初めての個展開催となりました。ポートレイトを撮る気持ちで、ひとつひとつ好きな花を描かれたという今回の作品たち。暗闇の中に浮かび上がる美しい花々をお楽しみください!

 

 

風景画をお得意とする鈴木さん、これまでは街や路地裏、打ち捨てられたもの…などを多く描かれていました。今回はあまり描いたことのないという花に挑戦。好きなものを描こうと思ったときに、すぐに浮かんだモチーフだったそうです。強さや可憐さが、素直に美しいと思えるので描きたいと思ったとのこと。タイトルは「Flower」とし、複数形にはしたくなかった、と鈴木さん。花にはそれぞれ個性があり、大勢の中のひとりのような扱いは出来ないと感じたそうです。身の回りに咲いている花の一瞬を描かれました。

 

 

描く際には写真がとても重要になるそうで、さまざまな構図で沢山の枚数を撮影されるとのこと。花を女優さんに見立てて、どんな風に撮りたいか考えるそうです。写し方やシチュエーションで人の顔が変わるように、花もそうだと思ったとのこと。コツコツと撮りためた中からピックアップし描かれました。

 

 

創形美術学校で版画を学ばれていた鈴木さん、学生時代は版画に没頭していたそうですが、卒業後は働きながら独学で様々な絵を描き続けていたそうです。イラストレーターを志したきっかけは、内容は面白かったのに本の表紙が良くないという本に出会ってしまったことだったそうです。読んだ後に装丁でがっかりするような気持ちを少しでも減らしたい…そんな想いから、自分が本を作る側の立場になろうと思ったそうです。それからはMJイラストレーションズで本格的に学ばれ鈴木さん。「楽しく描くことが基本」「デフォルメはアリだけれど漫画寄りにはならないこと」「切磋琢磨する仲間を大切にすること」「第三者的に自分の作品を俯瞰する目を養う」「最後は自分に自信を持つこと」…など、峰岸先生からは技術面のみならず精神論まで様々なことを学ばれたそうです。

 

 

イラストレーター歴は3年という鈴木さん。モノクロームで描くようになってから、新聞連載や文芸誌の挿絵のお仕事が舞い込むようになったそうです。今のタッチになったのはイラストスクール「山田塾」へ通われたことがきっかけだったとのこと。ひとりひとり与えられる課題が違うという山田塾、「見たままそっくり、モノクロームで描いてみたら」というアドバイスの元、風景画を描き始めたそうです。それまで、色々手を尽くして悩み倒したそうですが、自分で工夫して描くより悩まずに済むし爽快感があった、と鈴木さん。そのまま描いても、どの作品にも鈴木さんの個性が光っています。

自分がいいと思ったものを展示できたし、のびのび描けた、と鈴木さん。今後は装画や広告のお仕事など、垣根を作らず挑戦してみたいそうです!

 

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