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水谷有里個展「特別な日常」

今週の作家さんは水谷有里さんです。HBでは初めての個展開催となりました。紙を切り貼りして描かれている水谷さんの作品たち。やわらかな優しい色彩や、貼り絵ならではの色の重なりなど原画ならではです!何気ない日常の愛おしい風景の数々をお楽しみください!

 

「特別な時間」

実際の風景を元に描かれたという今回の作品たち。テーマとなったのはご実家のある大阪の風景でした。コロナで帰省が出来なかったため、撮りためていた写真を見ながら、懐かしいなと思いながら描かれたとのこと。

普段のお仕事も切り絵で制作されている水谷さん、昨年は仕事に恵まれるもののスランプに陥っていたそうです。仕事が来ているなか、自分の絵が良くならないことを苦痛に感じ、相手に申し訳ないという気持ちになっていたとのこと。 そこから脱却するため、切り絵の手法から一度離れて、手描きの手法にも挑戦されていたそうです。

「君がいた夏」

 

「ふたり」

1年間、ひたすら絵を描き模索していたという水谷さん。自分に合った絵が何なのか、イラストレーターの友人に絵を見せて意見をもらったり、色をたくさん使って描く練習もされたとのこと。あるとき「自分の好きなものだけを描こう」と決めたことで、これまでの思いがふっ切れたそうです。
描き方にも変化があったとのこと。写真を見てそのままを描くのではなく、一度自分の中で消化して組み立てて描くことで、切り絵という同じ手法でも表現の幅が広がり、描くことが楽しく感じられたとのこと。手描きだとうまく広がらなかったため、やっぱり切り絵の方が向いているのかなと感じ、再び切り絵の手法に戻ったそうです。色を使うことも怖くなくなった、と水谷さん。
そんな清々しさも感じられるような、色とりどりの作品がずらりと並びました。

 

「通学路」

「あじさい」

お仕事の中でも書籍にまつわるお仕事が一番楽しい、と水谷さん。小説の挿絵や装画はずっと描いていきたいそうです。今後の作品も楽しみです!

「駐車場で」