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花村信子個展「アネモネアンスリウム」

今週の作家さんは花村信子さんです。HBでは初めての個展開催となりました。普段から女性をテーマに描かれる花村さん、今回の絵にはそれぞれ花の名前がつけられました。アネモネ、スズラン、ヒヤシンス、ミモザ…など、一輪挿しの花のように描かれた女性たち。ふわっと香るような独特の存在感をお楽しみください!

「クレマチス」

気になる人や好きな人、集団の中にいても雰囲気で気づく人。その人に対して想いがある人にしか感じられない雰囲気や感覚を絵に表せたらいいな、と花村さん。少し意地悪いところや、可愛いだけじゃない、色々なことを想いながら生きている…そんな女性たちを描きたいと思ったそうです。色を選んでいる時が一番楽しく、完成するまで何回も絵を眺めるとのこと。「これ以上やらない方がいいな」と思った時に絵が完成するそうです。

 

「ウメ」

「ツバキ」

山口県在住の花村さん。絵を描き始めたのは50歳になってからでした。高校生の頃は少女漫画を描かれていて、担当の編集者が付き、デビューのお誘いがあるほどだったそうです。純粋に少女漫画が好きだったというだけで、デビューには気乗りしなかった花村さん、結婚と出産を経験され、25年ほど全く絵を描いていなかった時期もあったとのこと。ふと、「人生で後悔することがないかな?」と考えたとき「また絵を描いてみよう」と思えたそうです。

 

「アイリス」

「バラ」

その後は、東京で開かれている様々なイラストレーション塾を受講。最初の頃は「イラストレーションの概念を一から考え直すように」と厳しい指摘があったことも。それでも諦めずに食らいついて行き、昨年の春には見事、鈴木成一さんがデザインをされた『赤ちゃんをわが子として育てる方を求む』の装画のお仕事へと繋がりました。重たい内容のお話だったそうですが、生まれたばかりの赤ちゃんは何も知らないし、生まれた命はどこでも一緒。そんなまっさらな感じを描きたいと思ったのだそう。

 

 

山田博之さんの塾では「あるものをそのまま描いて」というアドバイスが。そのまま描いているつもりでも、それがなかなか描けなかったとのこと。何枚も何枚も描いては見せ…を繰り返し、少しずつ自分が描く事のできる自然な絵が出てきた、と花村さん。

 

今回展示する絵が定まってきたのは今年の1月頃。「よし、これでいこう」と決め、その後は1日1枚描き進めていったそうです。お仕事も少しずつ依頼が増えており、春にはwebサイトに描かれたイラストレーションも公開されるとのこと。イラストレーションは使われて初めて活かされるものだと思う、と花村さん。人の手を携えて、何かを成し遂げるための一端になり役に立てたら嬉しい、とお話してくださいました。今後益々のご活躍が楽しみです。

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