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松木直紀個展「雨と雪」

今週の作家さんは松木直紀さんです。HBでは2回目の個展開催となりました。臨場感の感じられる松木さんならではの筆致をお楽しみください!

 

今回描かれたのは、金沢で見た新雪の光景と静かな雨の降る夜の光景。雨の日と雪の日のしんとした空気感を描きたかった、と松木さん。反射した綺麗な光を描くために、これまでも雨の光景を描くことは多かったとのこと。ご自分で撮った写真を元に描かれるそうですが、絵におこす際には雰囲気だけを残し、できるだけ要素を減らすよう心がけているとのこと。

 

恩田陸さんの「失われた地図」の装画を描く際には、実際に舞台となった錦糸町へデザイナーさんと取材に行かれたそうです。描いたシーンは、帰りに一人で立ち寄った公園。元々その場に信号機はなかったそうですが、小説の内容に合わせて描き足したとのこと。日常の隙間や境目を感じさせるような絵にしたかったのだそう。

 

日常が舞台の物語は、描く場面を自分の足で探しに行くことが多いそうです。写真のストックがあればいいがなかなか難しい、でもできるだけ自分で探して見つけたい、と松木さん。最新のお仕事は週刊新潮の伊与原新さん「燐光の家」の挿絵を描かれました。来週がラストなのでぜひ見て欲しいとのこと。普段は会社勤めをされているとのことですが、イラストレーションのお仕事はとても楽しいそうです。目標は広告のお仕事を手がけること。今後ますますのご活躍が楽しみです!