山口志のぶ個展「蜜蝋と版画」
今週の作家さんは山口志のぶさんです。HBでは初めての個展開催となりました。蜜蝋を使った技法で描かれる山口さん、どれも一度しか刷ることのできない1点ものの版画なのだそうです。偶然性を生かした、繊細かつ大胆な表現をお楽しみください!
2年ほど前から蜜蝋を使って描くようになったという山口さん。それまでは電線や風景、人物など細かな描写を得意とされていました。蜜蝋は細かなタッチが描けない分、シンプルなモチーフを描くのに向いているとのこと。今までの自分にはなかった描き方で、思うように描けない偶然の産物を楽しんでいる、と山口さん。
蜜蝋画の雰囲気を残したいという理由から、色は先に着彩されるそうです。手を加えることは極力せず、シンプルに描くことを楽しんでいるとのこと。新作では色を使わず、デジタル上で版を重ねたりするなど、色をつけない方が表現の幅が広がるとも感じるそう。イラストレーターとしてまた違った可能性を見い出せるのではと山口さん。
版がうまく剥がれきれず、それによって表れるマチエールがあったりと、まだまだ奥が深いという蜜蝋画。試しながら、楽しみながらたくさん描いてきたそうです。この技法での発表は今回が初めて。これから、書籍や広告など幅広く挑戦していきたいそうです。この雰囲気でお仕事にも使ってもらえたら嬉しいとのこと。人物など色々なモチーフにも挑戦していきたい、と山口さん。今後の作品も楽しみです!
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