名渡山彩子個展「Slow motion」
今週の作家さんは名渡山彩子さんです。ふとした時、スローモーションのように脳裏に焼き付いた日常の一瞬を切り取った作品群。名渡山さんの初個展をどうぞお見逃しなく!
一部作品はオンラインショップでもお取り扱いございます。
「a boy,a girl」
「翌朝」
Q1.初めての個展とお聞きしています。個展のテーマや思いなどお聞かせください。
初めての個展なので、まずは自己紹介になるような展示にしたいと思っていました。テーマはなかなか決められなかったので、最初はいくつか描いてみてそこから共通点を見つけて作品を増やしていった感じです。
最終的に「日常の風景にひとさじ切なさを混ぜた感じ」「明るいけどどこか寂しい」「暗いけど明るい」という言葉が共通したテーマとして出てきました。
以前からこのような感じが好きでしたが、今回の個展に向けての制作ではっきりと言語化することができました。
「焼ける」
Q2.日常の風景をドラマチックに描かれますね。絵作りのために工夫されていることや、心がけてらっしゃることはありますか?
風景など自分で撮った写真を元にして、そこにどんな人がいるか、何をしているか、どんな雰囲気かなどのイメージを膨らませて、描き足したり省略したりしています。色数を減らしているのもドラマティックに見える要因なのかなと思います。
演出もやりすぎるとくどくなるので、細かく描写しすぎないようにしています。あえて幾何学的に背景を描いたり。
Q3.毎日の制作時間や生活リズムを教えてください!
会社に勤めているので休みの日に描くことになります。
午前中から午後は、家事や買い物や、健康のための自分のメンテナンス(たくさん寝るとか)をすることが多く、絵の具を使って描くのは夕方から8時ぐらいまでです。
もうちょっと描きたいときは、夕食後、すべてを片付けてから1時間ぐらい描きます。仕事の日も必要であれば、夕飯後に多くて1時間ぐらい作業します。
「帰る」
Q4.名渡山さんの作品はアクリル絵の具によるのびやかな筆致が魅力的です。今のような画風になった経緯などお伺いできますか。
昔は水少なめの絵の具で、ガサガサした質感を出した絵を描いていたのですが、ある時、水多めのゆるい絵の具と太い筆でヌルッと描いたのを見て、こっちの方がいいと言われて今に至ります。
絵を観る人にゆったりとした空気感を感じてほしいので、その雰囲気を作ることができる今の描き方は気に入ってます。
塗る面積に対して少しはみ出るぐらいの太い筆を最初に使い、細かく筆を動かさずに一気に色を塗るので、それがゆったりした雰囲気を生み出しているのかなと思います。
「Slow motion」
Q5.イラストレーターとして今後どのようなお仕事、活動をしていきたいですか?
作品としては、描かないで描く・伝える表現が好きなので、そういった表現をしていけたらいいなと思っています。
お仕事としては、小説の挿絵や装画を描いてみたいです。
時代物を見るのが好きなので、着物などが難しそうですが、時代小説の装画や挿絵もいつかできたらいいなと思っています。
あと音楽が好きなので、何か音楽に関われることがあれば幸せだなと思います。レコードジャケットは大きく絵を入れることができるのでやってみたいです。
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