春日井さゆり個展 「おままごと」
今週の作家さんは春日井さゆりさんです。
HBギャラリーでは初めての個展となりました。
アクリル絵具で丁寧に描かれた美しい作品の世界は
非現実的な側面もありながら心地の良い感覚を覚えます。
一部作品はオンラインショップでもお取り扱い中です。
ー春日井さんは装画や挿絵のお仕事で既にご活躍されており、
グループ展でも作品を発表されてらっしゃいますが、
HBでは初めての個展となりました。
今回の個展はどのような思いで準備を進めて来られましたか?
とてもありがたいことに、HB WORKコンペで特別賞をいただき、その受賞者展の際にオーナー様から個展のお誘いをいただきました。
本当に嬉しくて光栄だったのですが、急なことでしたのでとにかく思いついたものから作っていって、
はじめは綿密な計画やテーマは決めることなくふわっとした状態で、手を動かすことが先だと思い、なんとなくで進めていきました。
制作を進めていく中で、本当に身近な、日常で感動したことを切り取り作品にしたいと思いました。
「おままごと」というタイトルにして、全体としてはまとまったと思っています。
ー春日井さんは絵を描かれる際、
模型を作って描いたり、鏡を見て描かれるそうですね。
そのような描き方になったのはいつからなのでしょうか。
今の手法になった経緯などをお伺いできますか
以前、四谷のギャラリーでグループ展に参加した際、来てくださったお客様に
「ディティールを大事にしたほうがいい、まだ迷ってるところがあるように思うから見本や模型を簡単でいいから作ってみては」
と仰っていただいて、それから下準備的なことを以前よりしっかりするようになりました。
実際、やはり説得力みたいなものが強くなったかなとは思います。
ー書店に並ぶ春日井さんの装画は人目を引き、
ダヴィンチ8月号でもジャケ買いしたくなるイラストとして紹介されています。
普段描かれているオリジナル作品と、仕事のための作品、
描き進める中で、双方に意識の違いなどはありますか。
お仕事とオリジナルでは特に意識はないと思うのですが、装画の絵のラフを描くときは、
今までの私の絵と物語の雰囲気を結びつけるような感じで考えて、
その上でもう一歩踏み込むようなラフが描けるように心がけていますが、
やはり自分だけの作品ではないので、本当に緊張していて、
汗びっしょりになっていたりします。。
ー春日井さんは漫画も描かれており、
「幽霊とゆーれい」で、講談社が主催するアフタヌーン四季賞の佳作を受賞されています。
漫画でも日常のシーンを土台に描かれながらも、
非現実的な世界を私たち読者に体験させてくれます。
春日井さんのポストにある「すぐそばにある異世界」がイラストでも漫画でも共通する視点のように思えました。
春日井さんご自身は、独自の世界を表現されるために、
普段から準備されていることや取り組まれていることなどはありますか。
取り組んでることと言っていいのかは分からないのですが、漫画は小さい頃から大好きで、日常が嫌なとき、私の逃げ場となったときもありました。
大人になってからはお酒を飲んだり、出かけたりして逃げ場を作れるようになったのですが、
好きな作品の世界を思い描いたり、日常とは違う時間を過ごしたときの感じをストックしておく頭の逃げ場コーナーみたいなものをいつも設置しています。
頭の逃げ場には夜中に少し起きたり、日差しがいつもと違うなぁなど、ピンとくる景色や音や手触りのような形容しがたい感じもあり、
それを形にしたいと思っていて、それが絵や漫画の作品になっているので共通点があるのかもしれません。
ーますます活躍が期待される春日井さん。
挑戦されたいお仕事などや活動などはありますか。
今後の展望を是非お聞かせください。
また装画のお仕事ができたらなと思います。
雑誌や、商品パッケージなどにも挑戦したいです。
個展で大きい絵を描いたり、漫画も新作を描きたいですし、
作りたいものはたくさんありますのでこれからも制作を続けていきます。
この度はありがとうございました。
インタビュアー 須貝美和
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