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もとき理川個展 「おしゃれ独本」

今回ご紹介するのは、2024年6/28~7/3に個展を開催されたもとき理川さんへのインタビューです。

HBギャラリーでは6回目の個展となったもときさん。
ご自身もとても素敵な装いでギャラリーに在廊していただきました。
ご本人にとってのファッションのこと、またイラストレーターになられた経緯をお聞きしました。
カラフルでユニークな作品で彩られた会場の様子を、インタビューとともにお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

ーもときさんはHBギャラリーで今回6回目の個展を開催していただきました。
前回は5年前の開催ですが、今回の個展に向けてどのような思いで制作されましたでしょうか。

コロナ禍、私自身も含む大多数の人々がギャラリーに足を運ばなくなった最中。3年後のカレンダーを眺めていてふと、私の誕生日2024年6月28日が金曜日であることに気づきました。しかも還暦を迎える区切りの誕生日。そこでなぜか突然「お祝いの個展をやろう!」と思いついてしまいました。コロナで1人もお客様がこないかもしれないけど、私のためだけの個展だからOK、それならできるなぁと。
自分を喜ばすための個展なので、自分の好きなものをテーマにしようと思い、「パリ」か「ファッション」かで迷いました。パリはもっと歳をとってもできそうだけど、ファッションはこれ以上歳をとると難しそうだからと今回選びました。
ーとても素敵な質感の作品たちはカッティングシートやステンシルで制作されたそうですね。
特にカッティングシートはあまり画材としては使われないかと思います。
今の制作スタイルとなった経緯をお聞かせいただけますか。
カッティングシートの厚さが好きなんです。もともと「面」の絵が好きなので、面の魅力をストレートに伝えたく、マットでシャープな色面を作り出すことに取り組んできました。
カッティングシートに出会うまでは、アクリル絵の具を何層にも塗り重ねていましたが、そうするとエッジのシャープさが失われていく。なにかいい材料ないかなと探していたある日、世界堂の紙カウンターの壁面にある色とりどりの「何か」を発見しました。
それがカッティングシートでした。
ー作品もおしゃれですが、もときさんご自身もとてもおしゃれで素敵です。
展示のコメントや販売されているZINEにもファッションにまつわることが書かれています。
ファッションがもときさんの作品にどのような影響がありましたか?
ありがとうございます(笑)。そうですね、こう言っては何ですが、イラスト作品にファッションが影響することはなく、今回は「ファッション」がテーマなのでこうなりました。
でも遡ること40年前、実は私はファッションデザイナーになりたいと思っていました。しかしながら両親に反対され、根性がなかったのでそのまま素直に諦め、30代後半までふつうに社会人として働いてきましたが、勿論その間もおしゃれは大好きでした。いま仕事などで描いているイラスト作品はファッションを意識してはいませんが、私の人生とファッションが密接な関わりを持っているので、そういう意味でイラスト作品にも反映されているかもしれませんね。
ー現在はイラストレーターとして装画や挿絵など、たくさんの魅力的なお仕事をされているもときさん。
会社員時代を経てイラストレーターになられたと伺いました。
イラストレーターになられた経緯などをお伺いできますか?
私が幼い頃、実家の家業が小さな印刷屋でした。おもちゃ代わりに刷り損じの紙を与えられ、物心ついたときから絵を描いて遊んでいました。年賀状もカレンダーも自分で作るのが当たり前。小5の頃、自分が描いたうさぎの絵の年賀状を父が刷ってくれて、なにやら感動を覚えました。たぶんそれが初のイラストレーター体験(笑)。でもまぁ、その後は普通に受験して進学して就職して…と普通の暮らしをしながらも、いつかはクリエイティブな仕事をしたいと絶えず願っていました。30代半ばで会社員を辞めイラストレーターを志して、仕事が来るまでにさらに10年。小5の年末に味わった喜びを再び味わうまでに40年近くかかりました。今でも献本を頂くとあの時の気持ちになります。
ーもときさんが今後挑戦されたいこと、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。
こんな後ろ向きなことを言っていいのか分かりませんが、今回の個展の制作をしていて身体の機能の衰えに愕然としました。老眼が進み細かい作業はとてもシンドく、夜も遅くまでは起きていられず、若い頃なら1日でできたことが今は3日かかります。もう60歳ですからね。ただ、やりたいことがないかと言うとそんなことはなくて、これまではエディトリアル中心だった仕事の幅を少し広げて、広告やパッケージのお仕事もやってみたいと思っています。
そして恩師・安西水丸氏から頂戴した言葉「ものすごい売れっ子にならなくてもいいから、絶えず仕事をしている人になりなさい」、これは今後も第一の目標に掲げてゆきたいです。

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