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9月2024

HB COMPETITION PRESENTS vol.2 メリヤスミドリ ×桂川峻哉二人展 「Silent Veil」作品リスト

今週の展示は、第2弾となりました「HB COMPETITION PRESENTS」
メリヤスミドリさん、桂川峻哉さんの二人展です!

HBファイル&ワーク、両コンペの受賞者より選出した作家による企画展で、
受賞の年だけではなく、その後の活動に関しても、
HBギャラリーとしてサポート出来る場所を作れたらという気持ちで始まった企画です! 
「Silent Veil」と名付けられた二人展の作品リストをぜひご覧くださいませ。
会場ではグッズやZINEのお取り扱いも!

作品はHBギャラリーオンラインショップでも購入可能です。

 

「BLACK MAMBA」額なし
パネル外寸: 約53 cm × 45.5 cm、¥77,000-(税込)

 

「Ghost Whisper」額付き
額外寸: 約51.2 cm × 39.7 cm、¥49,500-(税込)

 

「Thunder Bat」額なし
パネル外寸: 約53 cm × 45.5 cm、¥77,000-(税込)

 

「Horn&Thorn」額なし
パネル外寸: 約40 cm × 40 cm(円形キャンバス)、¥55,000-(税込)

 

「GOMA」額なし
パネル外寸: 約40 cm × 40 cm(円形キャンバス)、¥55,000-(税込)

 

 「DOSUKOI」額なし
パネル外寸: 約41 cm × 31.8 cm、¥55,000-(税込)
 「Together」額なし
パネル外寸: 約53 cm × 45.5 cm、¥77,000-(税込)
「Claw」額なし
パネル外寸: 約33.3 cm × 33.3 cm、¥44,000-(税込)
「KAMAKEN」額なし
パネル外寸: 約41 cm × 24.2 cm、¥55,000-(税込)
「Atlas」額なし
パネル外寸: 約27.3 cm × 27.3 cm、¥33,000-(税込)
「Securely」額なし
パネル外寸: 約33.3 cm × 24.2 cm、¥38,500-(税込)
「OINUSAMA」額付き
額外寸: 約51.2 cm × 39.7 cm、¥49,500-(税込)
「LILI.LALA.LULU」額なし
パネル外寸: 約60.6 cm × 72.7 cm、¥209,000-(税込)
「Ambiguous」額なし
パネル外寸: 約60.6 cm × 50 cm、¥165,000-(税込)
「Sunny Afternoon」額付き
額外寸: 約45.7 cm × 36.4 cm、¥44,000-(税込)
「Sudden Visitor」額付き
額外寸: 約45.7 cm × 36.4 cm、¥44,000-(税込)
「One Holiday」額付き
額外寸: 約45.7 cm × 36.4 cm、¥44,000-(税込)
「Silent Invasion」額付き
額外寸: 約45.7 cm × 36.4 cm、¥44,000-(税込)
「Strange Neighbors」額付き
額外寸: 約45.7 cm × 36.4 cm、¥44,000-(税込)
「Balloon Girl」額付き
額外寸: 約45.7 cm × 36.4 cm、¥44,000-(税込)
「Fluffy Circulation」額付き
額外寸: 約45.7 cm × 36.4 cm、¥44,000-(税込)
「Daydreams of Sheep」額付き
額外寸: 約45.7 cm × 36.4 cm、¥44,000-(税込)
「Silent Birthday」額付き
額外寸: 約45.7 cm × 36.4 cm、¥44,000-(税込)
「Storage of Memories」額なし
パネル外寸: 約41 cm × 41 cm、¥66,000-(税込)
「BLOOMING」額なし
パネル外寸: 約45.5 cm × 45.5 cm、¥88,000-(税込)
「INDELIBLE MEMORY」額なし
パネル外寸: 約41 cm × 41 cm、¥66,000-(税込)

 

出口えり+マナベレオ二人展「瑠璃も玻璃も」

今回ご紹介するのは、2024年9/13~9/18に二人展を開催された出口えりさん、マナベレオさんへのインタビューです。

実力あるお二人の展示ということもあり、たくさんのお客様がいらっしゃいました。
展示タイトルの由来や、制作過程についてもお聞きしました。
これからの作品もとても楽しみなお二人、
会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

ーお二人は桑沢デザイン研究所のご出身ですが
今回マナベさんと出口さんで二人展をされようと思ったきっかけや、
展示タイトル「瑠璃も玻璃も」にされた理由などお伺いできますか。

以前HBでマナベさんの個展が開催されていて出口がお伺いしたことがあったんですが、在廊されていた本人とお話してみると実は先輩後輩の関係で、1年間同じ校舎で学んでいたことを知り、親しくなりました。
その数年後、Xで出口が「誰かと二人展やってみたいな〜」と何気なくポストしていたところ「じゃあマナベと」と名乗り出てくださって。そんなわけで今回の2人展の企画が始動しました。タイトルの「瑠璃も玻璃も」は、いろはかるたの【瑠璃も玻璃も照らせば光る】からの引用です。
瑠璃(るり)は青い宝玉、玻璃(はり)は透明の宝玉。石ころに混ざっていても、両者とも光を当てれば光り輝き、一目瞭然である。すなわち才能のあるものはどこにいても力を発揮するものである…!ということわざなのですが、
「私たちはまだ駆け出しのイラストレーターでもっと売れたい!みんなHBギャラリーへ私たちの才能を見つけに、光を当てに来て!」
という願いを込めてこのタイトルを付けました。
本名に2人とも「王(おうへん)」がつくので文字列の印象がぴったりだなと感じたというのもあります。
ーお二人の合作「瑠璃も玻璃も照らせば光る」は展示会場でも特に目を引くインパクトのある作品です。
こちらの制作意図や、完成までどのように制作を進めていかれたのか、制作過程をお伺いできますか。
江戸時代のいろはかるたの「瑠璃も玻璃も〜」の札の絵柄を2人で分割して描こうと決めました。
2人展ならば合作が何か欲しいなという気持ちがあり、大まかな構図は口頭で早い段階から構想はありました。
台座の位置やお互いを象徴するキャラクターのレイアウトはマナベさんに先に決めていただき、それに合わせて出口が描くという方法で進めています。
実際に2つの絵を合わせたのはギャラリー搬入後だったのですが、タッチが異なるものの不思議と絵に親和性があり、展示にご来場いただいた方にも
「意外な組み合わせだけれどマッチしている!」
とお褒めいただくことが多くて制作してよかったなとしみじみ感じていました。
ーマナベさん、出口さん、お二人それぞれの今後の目標や挑戦したいこと、展望などをお聞かせください!
マナベさん:
本に携わる仕事をしたいです。
自己表現だけに留まらず、仕事を通じてより多くの人に興味を持って貰えるようになりたいと今回の展示を通して思いました。
営業にも力を入れつつコンペにも応募して自分を知ってもらうことに注力したいです。
またHB Galleryで展示をさせて頂く頃には今よりもっと絵がうまくなっていればいいなと思います。
出口さん:
私はこれまで書籍の装画や挿絵のお仕事をいただくことが多かったのですが(小説が好きなので嬉しく、そちらも引き続きどんどんお引受けしたいです!)、書籍に限らず広告やパッケージの分野でもお仕事が広がるといいなと思います。
今回の展示がお互い何かしらの形で、今後の制作活動の糧になると良いなと願っています。

インタビュアー 須貝美和

HB FILE COMPETITION vol.34 鈴木成一賞 南景太個展「Quantum」

今回ご紹介するのは、HBファイルコンペvol.34 受賞者展、
鈴木成一さんの大賞を受賞された南景太さんの展示です!

2024年8/16~8/21に開催された個展では、
南さんの新しい境地である光を取り入れた作品が数多く並びました。

一部展示作品はオンラインショップでもお取り扱い中です。

http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

 ー鈴木成一賞 大賞受賞、おめでとうございます。
受賞を知った時はどんなお気持ちでしたか?
鈴木成一さんに選ばれた感想もお聞かせください。

 

受賞を知った時は「まさか!?」と思いました。私は今までトータル10回くらい応募して3次選考まででしたので「最終選考いけたら前進だ」なんて思っていた所、まさかの3弾跳びで大賞!
ましてやセツに通っていた20年以上前からお名前やお仕事を存じ上げていた装丁界のレジェンド・鈴木成一さんの賞ということで、「こんな日がくるとは。。」ととても感慨深かったです。

 

ー個展会場でも目を引く光るシリーズは
鈴木成一さんからも「巧みに操られた光の演出が、そこに奥行きある物語を紡ぎ出している。」と評されています。こちらの光の表現はファイルコンペの搬入直前に偶然発見されたそうですね。
こちらのシリーズが生まれてから
ファイルコンペの応募作品は軌道修正などされたのでしょうか。
ファイル作成にあたり、南さんが工夫されたことや、意図されたことなどはありますか?

 

光るシリーズはファイルコンペ搬入の1ヶ月前に偶然うまれました。最初はPhotoshopの画面上で、白い背景に人物のパーツとなる素材(頭、上半身、下半身)を適当に並べ、何となく消しゴムツールで輪郭をぼかしながら消していました。すると、何だか体が発光しているように見えてきたのです。「体が発光する人物画って、おもしろいかも」と思いそこからイメージを掘り下げていって、一つ目の作品が出来上がりました。
そしてコンペ搬入に間に合った光シリーズ4作品を入れて応募したのですが、その後鈴木さんから大賞の決め手となったのは「光るシリーズ」だと伺い、ギリギリ滑り込んだということを知りました!ファイルの順番は日常から非日常へと誘うようなイメージで、カラフルな昼間のシリーズからスタートして背景が黒い夜のシリーズ、そして光るシリーズへと繋げていきました。

 

ー個展会場では大賞受賞後の鈴木成一さんとのお仕事、
ブコウスキー新装版シリーズの原画も展示されています。オリジナリティのある独自の世界を描かれる南さんが
装画や挿絵など、自分以外の他者の創作による物語の絵を描くときは
どのような意識で制作されるのでしょうか?
南さんの世界に引き込むイメージですか、
もしくは南さんが他者の世界に降り立つようなイメージでしょうか。
南さんの意識やイメージをお聞きしたいです。
 
 

私が物語の絵を描くときは、語られていない場面だったり、その物語から少しだけずれた世界(パラレルワールド)を描いているような感覚で描きます。物語の大事な核は共有しているけど、ところどころ違う世界。そういう感覚でイメージを泳がせると自分自身もワクワクしながら描くことができます。
そういう意味では、まず「他者の世界に降り立ち」そこから「自分の世界に引き込む」ような感じかもしれません。・・・もちろん「飛躍しすぎなのでボツ」と言われたら、すぐに別案を考えますので仰ってください!!
 
ー受賞展では南さんのこれまでの変遷が楽しめる展示構成になっています。
南さんはセツモードセミナーへ通われていた頃からクレヨンで描かれ、
アナログとデジタルを行き来される現在でも、クレヨンやオイルパステルを活用されています。
様々な技法を研究されてきた南さんにとって、クレヨンやパステルはどのような存在でしょうか?
 
クレヨンやオイルパステルは、「直接的で包容力のある画材」だと思います。
絵具や色の表現が苦手だった10代のころはずっと鉛筆・シャーペンで絵を描いたのですが、20歳のときに偶然使った「サクラクレパス」が感動的に楽しく、そこから20年以上ずっとクレヨン・オイルパステルをメイン画材として使い続けています。
筆などの道具を介さずに、直接手から色が出るような感覚的な使い心地も好きでした。スポーツでも道具を使うテニスや野球は苦手だったのですが、バスケやサッカーは比較的得意で好きだったので、直接的な表現が向いているようです。
また気分の波が大きかった20歳頃の私にとって、「あ、絵を描きたい!」と思ったら準備ゼロですぐ描き始められて、急に「あきた!」とすぐに手を離しても問題なく、使用後の手入れも必要ないクレヨンは、描き手の我がまま(不安定さ)を受け入れてくれる、包容力のある優しい画材だと思います。

 

 

ー南さんが今後挑戦されたいお仕事や活動、
イラストレーター、アーティストとしての展望などをお聞かせください。

 

私は創作においても生きる上でも、狙っていなかった「偶然」を取り入れることが、より物事を生き生きと充実させるカギだと思っています。ですので、例えばワークショップを通して多くの人と一緒に「偶然をキャッチする」遊びとかできたら楽しいですね。
あとスキルがないので自分ひとりでは作れませんが、自分の絵を使ったMVのアニメーションも作ってみたいです。昔から言い続けていて実現できていない、オリジナル絵本も作りたいです。
あとは未経験のお仕事は自分の世界を広げてくれるので、絵にまつわるどんなお仕事も経験してみたいです。

 

 

インタビュアー 須貝美和

早瀬とび個展「Tideland」

今週の作家さんはイラストレーターの早瀬とびさんです。

HBファイルコンペvol.31 では鈴木成一特別賞を受賞、
HBWORK vol.3では川名潤さんの特別賞を受賞されました。
今回の個展では干潟をモチーフにされた早瀬さんの新作15点が並びます。
新たな試みの美しいグラデーション作品をどうぞご覧ください。

いちろう個展「夏休み」

今回ご紹介するのは、2024年8/30~9/4に個展を開催されたいちろうさんへのインタビューです。

HB WORKコンペでも賞を受賞され、注目されているいちろうさん。
お仕事での挿絵や、漫画作品、クレパスで描かれたほのぼのとした作品が展示され、
充実の展覧会。
お風呂やお布団に入った、愛らしいねん土の作品もずらりと並び、
とても幸せな空間となりました。
いちろうさんの豊かな感性についてのお話もお聞きしました。

会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

ーいちろうさんはHBでは初めての個展となりました。
展示タイトル「夏休み」は、犬との散歩やお絵かき、工作など、
子供の頃から変わらず続けていることへの気づきから生まれたタイトルだそうですね。
人は年齢を重ねるにつれ、子供の頃の素直で無邪気な感覚が薄れてしまいがちですが、
いちろうさんが子供心を失わずにいられるのはなぜでしょうか。
豊かな感性を持ち続けるために、いちろうさんが心がけていることなどはありますか?
心がけていることは特にないのですが、子どもの頃に好きだったことを好きなまま
大人になっているだけな気がします…!
粘土も久々にやると楽しくてハマってしまいました。
これからもやりたいと思ったら画材や技法なども決めずに
なんでもやっていけたらと思っています。
ー12年間生活された京都を離れ、現在はご出身の大分県に戻られてアトリエで制作されているそうですね。
いちろうさんが感じる、京都と大分の一番の違いは何でしょうか。
環境が変化してから、いちろうさんの作品制作にどんな変化がありましたか?

地元に戻ってから毎朝5時に犬の散歩をするようになったのですが、
空や山の色が天気や時間で変わるのをとても観察するようになりました。
それはどこでもそうだとは思うのですが、犬との散歩のおかげでこういったことに気がつけたので絵もそういったものを描きたくなってきたように感じています。
あと地元ではみんな知らない人同士も会ったら挨拶を交わすのでそういった温かさも絵に影響してくれるような気がしています。
ーいちろうさんは2022年7月号より、くどうれいんさん連載エッセイ「日日是目分量」(文芸誌「群像)の扉絵を担当されています。 
いちろうさんは何気ない日常の中から作品のアイデアを見つけられてますが、
お仕事で他者目線の日常を描かれる際は、何か工夫されることや意識されることはありますか?
いちろうさんが普段描き溜められているネタ帳のアイデアと組み合わせることなどはされるのでしょうか。
くどうさんのエッセイは本当に面白くて捻り出さなくても自然と描きたいものが浮かぶのですが、意識していることといえば、どのお仕事もそうなのですが、
とにかく自分が面白がりながら絵を描くようにしています。
そうすると面白い絵になっていると信じてやっています!
ーいちろうさんの今後の発表予定や挑戦されたいこと、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。
いまは今年絵本を刊行予定なので編集者さんや原作の方、
デザイナーさんと協力してはじめての絵本をつくっています。
展望としては絵本もイラストもこれからも両方続けていけたら嬉しいです。
あといつか映画のイラストのお仕事ができたらいいなと思っています。
インタビュアー 須貝美和