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nanako個展「とうめいな軌道」

今回ご紹介するのは、2025年2月7日から12日に個展を開催されたnanakoさんの展示インタビューです。

とても可愛らしい作品で会場を彩ってくださったnanakoさん。
イラストレーターとしてたくさんのお仕事もされていて、グッズもたくさんご用意いただきました。
見応えもあるとても素敵な展示空間にしていただき、お客様もとても楽しんでいらっしゃいました。

会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

ー岡山県在住のnanakoさんはイラストレーターとして広告、パッケージ、キービジュアルなど数々のお仕事の実績を積まれてきましたが、
東京では初めての個展だそうですね!
お仕事の合間を縫ってnanakoさんが個展を開催されようと思われた理由や、
東京での開催を決意された背景などお伺いできますか?


仕事が少し落ち着いてきて、新たな営業方法を模索したとき「個展」が浮かびました。
息子ももう中学生になるので、「1週間くらいお母さんが東京に行って来てもいいか」と許諾を取り、
会期中は実家から学校に通ってもらうことにしました。
昔から東京に憧れがあり、個展をするなら絶対東京がいい、と思って決断しました。

 

ー展示タイトル「とうめいな軌道」は宮沢賢治の詩から引用されたそうですね。
賢治の詩の中でも「とうめいな軌道」を展示タイトルとして選択された理由や、
nanakoさんが宮沢賢治に寄せる想いなどあればお聞きしたいです。

「小岩井農場」と言う詩の中に次のような部分があります。
「もうけつしてさびしくはない
なんべんさびしくないと云つたとこで
またさびしくなるのはきまつてゐる
けれどもここはこれでいいのだ
すべてさびしさと悲傷とを焚いて
ひとは透明な軌道をすすむ」
昨年祖母が亡くなり、
何度もこの詩の部分を反芻していたので、
自然とタイトルにしようと思い至りました。
賢治の童話にはカエルや猫、カニやヨダカなど小さい生き物がたくさんでてきて、意志を持って振る舞います。
わたしの絵の動物が擬人化されてでてくるのは、
賢治の影響もあるのかもしれません。

 

ーnanakoさんは
「どうぶつとひと オトナかわいい海外絵本のような世界観」
こちらをテーマにイラストを制作されています。
「オトナかわいい」はご自身で意識して目指し、
世界観のテーマにされたのでしょうか?

最初から意識していたわけではなく、絵を見たお客さまから「nanakoさんが得意なオトナ可愛い感じでお願いします」と言われるようになったので、分かりやすくていいなと思いキャッチフレーズにしました。「海外絵本」と言う言葉も、「海外の絵本みたいだね」とお客さまから言われて良いなと思いそのままつけました。

 

ー会場ではnanakoさんがイラストを手がけたスタイリングシリーズ
「kiitos loop」のパッケージが展示されているほか、
ポストカードやステッカーなど、nanakoさんのオリジナルグッズも販売されています。
nanakoさんがグッズ制作のためにイラストを描く際、
予めどのようなプロダクトに使用するかを決めてから描かれるのでしょうか?
nanakoさんがグッズ制作で大切にしていることや、
グッズを購入される方へのnanakoさんの想いをお聞かせください。

はい、ポストカードになった様子やポスターにして部屋に飾った場面を想像して描きます。
私はマルシェなどのイベントでグッズを販売することが多いのですが、普段絵を買わない方にも気軽に絵を飾ることを楽しんで頂きたいなと思っています。
なので、フレームの購入場所も明記したりしています。
目に入ったときにほっと一息つけるような、
日常に溶け込む絵を意識しています。

ーnanakoさんが今後挑戦されたいこと、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。

絵本の絵を描いてみたいです。
売れっ子にならなくていいので、
細く永く続けていきたいです。

インタビュアー 須貝美和