4月2025
「やさいの時間のイラストレーターさん、そうそうたる面々ですよね。」
ふと飲みの席で出会ったイラストレーターさんに言われた一言。
NHKテキストやさいの時間のアートディレクターになってからの5年を振り返り、
本当にその通りだなと思う。
デザイン事務所から独立し、ひとりでやっていくためにどんな人間関係も何かに繋がると信じてギャラリーを回った。
多くの素晴らしい作家に出会い、いつかこの人たちに自分のデザインする媒体で絵を描いてほしいと思った。
それがひとりで作るより何倍も誌面を良くするスペシャルな絵だということがわかっていたから。
やがて現実となり、たくさんの誌面を作った。
誌面のために描かれたカットは、カットなどと呼ばれるようなものではなく、ひとつひとつに物語が広がっている。
ページという平面には階層があり、レイアウトがうまく置けたときは、
文字と絵がぶつかることなくそれぞれが生き生きと空間を保ち、きれいに織り重なるように感じる。
いわゆる実用書であるテキストに、読者が見過ごしたかもしれない魅力がまだ溢れている。
作品を見たときにあなたもきっとその魅力に引き込まれて、新しいイラストと本の世界を発見できるはず。
鍋田哲平

坂之上正久

中村隆

原田俊二

kigimura

浅妻健司

唐仁原多里

鍋田哲平

「NHK 趣味の園芸 やさいの時間」は、NHK Eテレで放送されている家庭菜園の番組「やさいの時間」と連動したテキスト(雑誌)です。
番組と合わせて読むことで、さらに詳しい栽培情報や、初心者にも分かりやすい解説、美しい写真などを楽しむことができ、
野菜作りの基礎知識から、具体的な栽培方法、収穫後の活用法まで、家庭菜園に関する情報が幅広く網羅されています。
展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/
2025年4月14日 2:49 PM |
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2025年4月4日から9日まで個展「旅の途中」を開催された、
ヤマグチカヨさんの展示インタビューをお届けします。
サンパウロ、サンフランシスコ、ヨセミテ、日本の山、シャモニー。
5つの旅先でヤマグチさんが出会った風景や瞬間が、エピソードと共に
鮮やかなイラストレーションで表現されました。
インタビューとともに、ヤマグチさんが感じた旅の空気をお楽しみください。
展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

Q1.
ヤマグチさんは、谷川俊太郎さんの『普通の人々』刊行記念原画展をはじめ、
イベントなどの場で作品を発表されてこられましたが、
個展という形での開催は今回が初めてとのことですね。
今回、個展を開催しようと思われたきっかけや理由についてお聞かせいただけますでしょうか?
これまで色々な仕事で絵を描いてきて、これが私のスタイルですというよりは、
その時々のご依頼や案件に合わせて描いてきました。
今回の個展は、自分のスタイルを見つめ直すきっかけとして、初めての挑戦でした。

Q2.
今回の個展では『旅の途中』と題し、
ヤマグチさんがこれまでの旅先で目にされた風景や情景が表現されています。
ご自身のInstagramに投稿されている作品は
「自分の旅を伝えるために描きたいと思いながら、どうやったら表現できるのか」を模索されているそうですね。
ヤマグチさんが旅をモチーフに描かれるようになったきっかけや、
その背景についてお聞かせいただけますでしょうか?
改めて、自分の描きたい絵やモチーフってなんだろう?といろいろと描いてみて、やっぱり旅が好きで、
旅先で出会った感動を絵にできたらいいなというのがきっかけです。

Q3.
ヤマグチさんの作品は、鮮やかな色彩と心地よいストロークで、
まるでその場にいるかのような臨場感を感じさせます。
作品は写真をもとに描かれているとのことですが、
旅の記憶を写真から絵に落とし込む際に、
ヤマグチさんが特に意識されていることや、大切にされていることはありますか?
実際に自分が旅先で感じた、その場の光や音、空気感というか、気配ようなものを意識して描いています。
なので、写真をそのまま描くのではなく、絵を見た人がその情景を想像できる余白をどう残すか試行錯誤しました。

Q4.
ヤマグチさんが今後挑戦されたいお仕事や活動、
イラストレーターとしての展望などを是非お聞かせください。
具体的に挑戦したい仕事はパッと思いつかないのですが、
今回の個展をきっかけに自分のスタイルがこれから先どう変わっていくのか、自分でも楽しみにしています。
また機会があれば個展にも挑戦してみようと思います。ありがとうございました。

インタビュアー 須貝美和
2025年4月14日 10:00 AM |
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2025年3月28日から4月2日まで個展「vacant」を開催された、
西本未祐さんの展示インタビューをお届けします。
西本さんは、「HB WORK vol.4」川名潤特別賞、
「HBファイルコンペVOL.35」葛西薫大賞を受賞。
今年8月には受賞展も控えるなど、
目覚ましい活躍を見せる若手作家として注目を集めています。
本展では、シャープペンシルによる潔い線と、
そこから生まれる心地よい空気感が、
展示会場全体を穏やかな空間へと変えていました。
インタビューとともに、その魅力をお楽しみください。
展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

Q1
個展のタイトル「vacant」は空っぽを意味する形容詞ですが、
西本さんはギャラリーのマンスリーコメントでも
〉空きをつくりたくて
〉絵を描いています。
とおっしゃっていますが
西本さんは「空き」にどんなイメージをお持ちでしょうか?
いつから「空き」に興味を持たれるようになったのでしょうか、
何かきっかけはありましたか?
「空き」は線を引かない部分を指します。私は空きに対して何もしませんが、線を引くと空気が含まれます。
昨秋から対象のドローイングを始めました。制作の過程で、線に生まれた空間を作品と考えるようになりました。
Q2
西本さんの手によって引かれた線から
画面に現れるモチーフと言葉は
心地よく呼吸をしているかのような自然な存在感を感じ
かつ作品としての美しさを感じます。
展示作品は何の画材で描かれているのでしょうか?
また、その画材を選択された理由も教えてください。
シャープペンで描きました。HBと2Bを使い分けます。昨年までは8Bの鉛筆で描いていました。
シャープペンはごまかしが効かないと感じます。嘘をつかないために選びました。
Q3
西本さんはファイルコンペで葛西薫さんの大賞を受賞され、
今夏には大賞展も控えていらっしゃいます。おめでとうございます!
さらに、この度、葛西薫さんデザインによる坂元裕二さんのシナリオ本
『片思い世界』の装画を担当されましたね。
本の発売日が3月28日で、ちょうど個展の初日と重なるという、
素敵な巡り合わせとなりました。
こちらの装画に関して、葛西さんから何か指示はあったのでしょうか?
西本さんが制作時に意識されたことや工夫されたことについても教えてください。
ありがとうございます。
「片思い世界」では感覚を共有していただくのみで、制約と感じることはありませんでした。文字も含めて尊重していただき、嬉しく思います。
制作時は作品の世界感に浸るため、雰囲気に合う音楽を聴きました。また、外出の予定を極力控えました。
Q4
西本さんが今後挑戦されたいお仕事や活動、
作家としての展望などを是非お聞かせください。
媒体を問わず、作品が社会に出たときの反応に興味があります。
特に好きな媒体は本や雑誌です。「暮らしの手帖」が好きで、いつか関わることができたらと考えています。
また、ドローイングに限らず手芸や音楽等、手を動かす活動を続けていきたいです。
インタビュアー 須貝美和
2025年4月7日 1:07 PM |
カテゴリー:未分類 |
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