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6月2025

HB WORK Competition vol.5 受賞者展

今週はHB WORK Competition vol.5の受賞者展によるグループ展です。
新作を含む、受賞者12名の力作揃いの作品たちをどうぞお楽しみください!

各審査員の大賞受賞者へのコメントも合わせてご欄ください!

 

犬吠徒歩

〈アルビレオ氏 コメント〉

作品に抜け感があり、それぞれにストーリーを感じます。人も物も多方向に動きがあって見ていて楽しいです。

いくつかあるタッチがどれも魅力的なので今後がとても楽しみです!

真悠子

〈池田進吾氏 コメント〉

8点すべて拝見。正統派? 1点掲載で選びましたが、1番良いと言うことではありません。

構図、色調、抜き・盛りどころと新鮮でした。手感がとても良いのです。人物画の味つけもとても良いです。

どの作品も際立って色感が素晴らしく、実物と対面するのが楽しみです。

イワクチコトハ

〈川名 潤氏 コメント〉

日常風景にある光の効果をつぶさに絵として再現しつつさらに色相の選び方による時間設定の演出が加えられていて、

ふと現実を忘れるような瞬間が描かれていると思いました。ずっと見てしまいます。

mocchi mocchi

〈黒田 貴氏 コメント〉

シルクスクリーンで制作されたmocchi mocchiさんの作品は、通常の原画やデジタル作品には無い、

少し懐かしい暖かな強さを感じます。シンプルで大胆な色面とフォルムと、シルクスクリーン技法独特の

つぶれとざらつきが加わった荒々しいストロークのテクスチャに惹かれました。

 

 

各審査員の特別賞はこちらです!

アルビレオ 特別賞 SAITO KANAE よそ町

池田進吾 特別賞 田口実千代 春日井さゆり 

川名潤 特別賞 ritsu 辻本大樹 

黒田貴 特別賞  タカハシカオリ 歌山ホクネン

 

受賞者展は7月2日まで、どうぞお見逃しなく!

 

また、次回HBFILE/WORKの応募要項も完成いたしました!

イラストレーションはHBスタッフでもあるCHIZURIの作品です。

たくさんのご応募、お待ちしております!

<HBFILE / WORK 2026 応募登録>

https://ws.formzu.net/dist/S1584014/ 

 

 

サトウアユム個展「HEARTRATE」

今週の展覧会はサトウアユムさんです。HBファイルコンペでも河西達也特別賞を受賞された今注目の若手作家です!
迫力がある中に、どこかユーモアもある作風からサトウさんのお人柄が伝わってくるように感じます。

 

1.HBでは昨年のファイル特別賞の受賞式以来の展示となりますが、受賞した際はどの様なお気持ちでしたか?
また受賞後に制作の面で何か変化があればお聞かせ下さい。

 

HBファイルの特別賞を頂いたのが、私自身初めてのコンペ受賞でしたのでとても嬉しかったです。
それまでは賞をいただいたことがなく、コンペに応募してもあまり期待していなかった時期だったので余計びっくりしました。
受賞したことが理由ではないのですが、受賞後からスポーツをテーマに制作を始めました。
今度はスポーツの作品で賞を頂けるように頑張りたいです。

 

2.今回の展覧会のタイトルや展示コンセプトなど教えて頂けますでしょうか?特にお気に入りの1点はどの作品ですか?

 

今回の展示はHEARTRATE(ハートレート)というタイトルで、心拍数という意味です。普段スポーツを見るときに、楽しみな試合だったり、面白い展開になったときに、かなりドキドキすることがあるのですが、その心拍数が上がるほどの興奮や緊張、熱狂を生み出せるのはスポーツの魅力なので、このタイトルをつけました。

展示に関しては2つのアプローチで制作しました。スポーツをテーマにする前は生き物を多く登場させる作品を描いていたので、一つはスポーツと生き物を組み合わせた作品。もう一つはスポーツのみにフォーカスした作品を制作しました。
特にお気に入りの作品はフェンシングの作品で構図、色、光の表現が個人的にうまくいった作品です。今まではこのようなアプローチで作品を作っていなかったので表現の幅が広がったと思います。今回の展示で反応を見て今後に生かしていきたいです。

 

3.サトウさんの作品には野球やボクシング、相撲など、スポーツに関する絵が多いように思いますが、
ご自身も部活などでスポーツを経験されていらっしゃいましたか?

 

スポーツ経験はほとんど無いです。
小さい頃に父と兄とよくキャッチボールをしたくらいで、部活も中学は美術部、高校は入っていませんでした。
兄の影響で中学生の頃に野球観戦が好きになり、大学生の頃に格闘技観戦が好きになりました。
ほとんどスポーツをしてこなかった人生で、スポーツ選手に対する強い憧れがあるので、ボクシングや野球は無意識のうちによく描いています。

 

4.現代的な作風の中に、少し懐かしい雰囲気も感じる作風ですが、特に影響を受けている作家はいらっしゃいますか?

 

大学時代に宇野亜喜良さん、横尾忠則さん、田名網敬一さんが好きで、特に60年代頃のイラストレーションに影響をうけました。
影響を受けすぎていたので、大学卒業後は意識しないようにしましたが、それが根底にあるので少し懐かしさを感じられるのだと思います。
最近だとスポーツブランドのビジュアルや、漫画のパースのついた構図や動きの描写などを勉強しています。

 

5.今後挑戦したいお仕事があればお聞かせ下さい!

 

スニーカーブランドやスポーツファッションブランドのお仕事、スポーツ全般のお仕事、雑誌のNumber、BEAMS、絵本のお仕事を目標にしています。

 

確かな描写力と、迫力がある中にどこかユーモアも感じる作品たちは見応え満載です!ぜひお立ち寄り下さい!
サトウさんの今後のご活躍が楽しみです!

唐仁原多里

せいのみわお個展「アナログ」

今週の展示はせいのみわおさん「アナログ」です。HBでは初めての展覧会です。HBスタッフ一同が、以前よりコンペなどでずっと気になっていた、せいのさんの展覧会がついに開催!
丁寧な手仕事の作品たちをぜひお楽しみ下さい!

1.個展開催おめでとうございます!今回の展覧会のタイトルや、コンセプトなどございましたらぜひお聞かせ頂けますでしょうか?

 

ありがとうございます。憧れのHBギャラリーさんで個展の機会をいただけましたので、作品を十分アピールできたらと思いました。自分の作品の魅力はなんだろうと考えた時、切り絵の「手作業感」による温かみというところに思い至りました。それを表す言葉をタイトルに掲げ、さまざまな作品で手作業感の魅力を表現する展示にしようと決めました。

2.せいのさんは切り絵の手法で作品制作されていますが、現在の制作にたどりついた経緯などお聞かせ頂けますか?

 

大学を卒業してイラストをやりたいと思っていましたが、絵の具や色鉛筆は色数も無限なことに加え、にじみなどのランダムな表現もあり、扱いに苦手意識がありました。そんな時、子供の頃から折り紙が好きだったのと、美大生の時の課題で紙を扱った作品が多かったことを思い出しました。紙であれば自分は自在に扱えるのではと思って、切り絵での制作を始めました。

3.にじ画廊の展示の際は、作品を元にしたファブリックを、今回の展覧会では紙の立体なども制作されていますが、この様なアイディアはどんな時に出てきますか?

 

切り絵の平面作品以外の表現は、意外と商業的な視点から思いついているかもしれません。布雑貨になったらもっと手に取ってもらえるかもとか、紙のお置物があったら可愛くて売れそうとか。もともと「どうしたら売れるか」と考えて制作するのは好きではありませんがイラストをやっていて、手に取られるハードルを下げることも大事だと気づき始めた気がします。そこから思いついたアイデアで、今回のような新しい表現も生まれました。

4.比較的作家性が強い作風だと思いますが、クライアントワークの際に、作風を維持しながら、相手の要求に応える際に意識している事などはございますか?

 

依頼してくださる方は私の作品を見て頼んでくださっていると思うので、基本的には自分らしく描いています。色選びなどは、全体のトーンは相手に寄せつつも自分しかやらないような組み合わせ方を意識するかもしれません。大学でグラフィックデザインをやっていましたので、色々な制限の中で表現するというのはデザインらしいなと思って面白いです。

5.せいのさんの作品と合わせて、noteで綴られる文章もとても面白く拝読しております。文章の発信をはじめたきっかけはありますか?

 

ご覧いただきありがとうございます。これからの時代、AIや他の多くのイラストレーターと差別化するのが難しくなっていく中、どんな人が絵を描いているのかということが大事になってくると予想しています。私の作品と共に、私自身がどんな人間でどんな思いで表現しているのかを見せるためにnoteを始めました。

6.今後挑戦したい制作や、お仕事などありましたらお聞かせ下さい!

 

ファブリックやパターンの制作をもっと充実させて、それを活かせるお仕事をやってみたいです。あとは広告とか表紙とか、大きいお仕事にも挑戦してみたいと思っています。ぜひお声がけお待ちしております。

大きなポスターにして街中に飾りたくなるせいのさんの作品、今後のご活躍も益々楽しみにしております!

唐仁原多里

守屋玲子個展「Beautiful Journey」

今週の作家は守屋玲子さんです。守屋さんはHBファイルコンペでも藤枝リュウジ賞を受賞され、角田光代さんの「紙の月」の新聞連載など、様々なお仕事でもご活躍されています。HBでは久しぶりの展覧会となります!

 

 

1.久しぶりの個展開催、おめでとうございます!今回展示したいと思ったきっかけや、タイトルに込めた思い、展示のコンセプトなどお聞かせ下さい。

子供も少し大きくなったので、久しぶりに東京で個展をしたいと思いました。今回は、自分の中では女性と美がテーマでした「Beautiful Journey」は、美しい人生の旅、美の旅です。美というのは女性の永遠のテーマなのかもと思い、人生になぞらえてつけてみました。自然と調和しながら生きることや、女性性を癒し、元気になれるような展示にしたいと思いました。

 

 

2.守屋さんといえば、大胆なタッチが心地よい作風がおなじみですが、ホームページなど拝見すると細かく描かれた作品もございます。作品を描く上で、緩急の付け方など意識している事はございますか。

仕事の依頼内容によって、細かく描く場合もありますが、全体的にホッとどこかで抜けを感じられる気持ちの良い絵を描きたいと思っています。

 

 

3.現在、長野在住の守屋さん。日々の暮らしから制作に影響を受ける事などはありますか。

信州は気候がカラッとしているので、気持ちが良いです。風景や自然の中で感じることが制作に活かされていると感じています。料理をしたり、庭で植物や野菜を育てたり、子育てなども、日常がそのまま作品に影響していると感じますが、自分自身の成長や変化が一番影響していると思っています。

 

 

4.長くイラストレーターとして活躍されていますが、続けるために意識している事などはございますか。

活動をとめないこと、、、でしょうか。唐仁原さんに教えて頂いた「職能を磨いていく」ということも、心に留めています。自分らしくあることを大切にしています。それには自分を知ることがすごく大切だと感じます。体験することで自分の理解が深まるので、色々チャレンジしています。あとは、心も体も健康でいること。

 

 

5.今後挑戦したいお仕事などあれば、ぜひお聞かせ下さい。

美容関係、化粧品関係などのお仕事をやりたいです!ちょっと大人な女性っぽい感じの、とか。やったことないのでワクワクします。

 

今回展示されていた作品でスキンケア用品のシリーズなど、パッケージなどの展開も拝見したいと思いました。母として日々を過ごしながら、イラストレーターとしても活躍されている守屋さんにとても励まされました!展示は6月4日まで!どうぞお見逃しなく! 唐仁原多里