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宮下恵理歌個展「触れたら光る」

今回ご紹介するのは、2024年1/12~17に個展を開催された宮下恵理歌さんのインタビューです。

キラキラ光る不思議な景色を描かれる宮下さんの初個展となりました。
ぜひこちらの制作インタビューをお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

ー個展のタイトル 「触れたら光る」 こちらのタイトルに込められた想いをお聞かせください。

 

メインビジュアルの作品タイトルです。指先が心の琴線に触れたら、接触部分の温度が少し上がって
光を放つようなイメージの絵なのでそう名付けました。
メインビジュアルとタイトルに合わせて、他の展示作品もどこかしら光らせるように統一しました。

ー宮下さんの作品は既視感のない、類い稀ない視覚的表現だと感じます。
現在のような画風になられたのはいつ頃からなのでしょうか。
また、宮下さんご自身はどのような表現に影響を受けてこられたのでしょうか?

学生時代働いていた飲食店が独創的で、「他人に理解されなさそうな思想をいざ表に出すと案外形になり、
個性と評されたりする」実例を目の当たりにし、自分の制作への意識が変わりました。
その後、専門学校の先生が今の画風の原形となる卒制に肯定的な対応をして下さって方針が固まりました。
 漫画家・市川春子先生の作品は中学時代から読み込んでおり、
モチーフのデザインやスケール感など影響を受けていると思います

ー描かれているモチーフは実在する何かですか?
陰影や空間が感じられることから静物画のようにも風景画のようにも見えます。
実際にモチーフを観察して描かれるのでしょうか?

取り留めもない考え事や聴いている音楽の内容を咀嚼する手段とし
脳内で自動的に立体図形化するような癖があり、 それが風景のように見えるので絵として描写しています。
そのままだとルックスが悪いので、 肉付けの段階で好きな洋服などを参考にデコレーションする工程を踏んでいます。

ー宮下さんは2022年に桑沢デザイン研究所を卒業されました。
 卒業制作作品では、 アクリルガッシュや木片を使用した重厚感のあるアナログ作品を制作されていました。
現在のようなデジタル作品へ転向されたきっかけなどはあるのでしょうか?
アナログで制作していた頃と現在では、 作業プロセスや制作中の意識に何か大きな違いはありますか?

アナログの卒制が大変だった反動でしばらく絵を描けず、通勤電車で気軽に制作するために
中古のiPadを購入しました。初めはデジタルに抵抗がありましたが、
いつの間にかデジタル描画のチープな拙さ、清潔感といった特性を画材として気に入りました。
デジタルを絵の具の代替品としては使っておらず、絵の趣味がデジタルの特性に合わせて変わっていきました。
微妙にコントロールが効かないデジタル描画のもどかしい感覚は好きですが、
モチーフの形や動きを探る案出しの段階では、自分の頭と手を誤差なく連動させたいので今も紙と鉛筆を使っています。

 

ー宮下さんのこれからの展望をお聞かせください!

作家活動はこれから始めるので、まずは絵を描くのが楽しい・自分の制作が好きだという
恵まれた現状を大切に育てること、育てるための場を見つけることから着手したいです。
コミティアのような所にも出たいですし、年末には好きな街で展示も決まっているので楽しみです。

インタビュアー 須貝美和

小池ふみ個展「Small Things」

HBギャラリーで2023年最後の展示を飾ったのは小池ふみさんです。

些細な出来事をひとつひとつ受け止める心や、
小さなものに優しく語りかけるような視点を感じられる作品がずらりと並びました。
小池さんのお人柄が暖かく滲んだタッチをこちらのブログでもお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

ー小池さんはHBギャラリーでは8年ぶりの発表となりました。
会期が決まってからは、どのようなお気持ちで準備を進めて来られたのでしょうか。
また、クライアントワークと並行して個展作品を制作される中で
気持ちの切り替えであったり時間配分など、
個展準備のために意識されたことはありますか?

 

東京での個展の開催自体が8年ぶりだったので、
時が経つ早さに驚くと同時に、そろそろやらなきゃという気持ちでした。
8年前の個展も最近のことのように思えますが、
それでも振り返ると、自分の環境はとても変化していて、
その間にさせていただいたお仕事や出会えた人たちのことがたくさん頭に浮かびました。
毎日、仕事やこどもたちとの生活に慌ただしく、
今の自分を見つめる時間をなかなか取れていなかったので、
個展に向けて制作をすることで、一度この機会に内省の時間をとってみよう
というのが個展の動機にもなりました。
1年くらいの時間があったにもかかわらず、
やはり期日が迫られるものを優先してしまう癖が厄介で、
なかなか個展作品の制作は進みませんでしたが、
もうこの日は個展のことだけやる日!と手帳に書いたり、
夫にこどもの託すことで集中する時間を普段より多く用意したりなど
家族の協力ももらいながら進めていきました。
今回の個展のテーマは実生活の延長線上にあり、
日常からインスピレーションをもらいながら制作していったので、
ある意味、生活と制作の気持ちの切り替えはあまり必要ないものでしたが、
時間を作ることが一番大変だったかもしれません。

 

 

ー展覧会タイトル「Small Things」のようなささやかな物事を、
忙しい日々の中でも取りこぼさないために、
小池さんが普段から心がけてらっしゃることはありますか?

なんでしょう…そういう本当にすぐ忘れてしまいそうな小さな発見とか
ちょっと心が動いた出来事や風景なんかがないと、
私の場合は、体調を崩したり心がぎすぎすしたりしてしまうんだろうなと思います。
心掛けているわけではないですが、心身元気でいるためにも、
小さなことに素直に感動したり心を動かしていたいと思っています。
こどもと一緒に過ごしたり、自然や生き物と触れ合うと
そういうことに気付かされることが多いなと感じている最近です。

 

ー小池さんは現在お2人のお子様を育てながら
イラストレーターとして数々のお仕事を手がけられています。
子育てとお仕事を両立させるために、
制作面で何か工夫されていることはありますか?
また、お子様を出産されてから描く意識に何か変化はありましたか?

こどもが家族に加わる前までは、自分次第で夜遅くまで続けることも
休日なく仕事することもできマイペースにやれていましたが、
今はこどもたちが保育園に行っている時間と
寝かしつけで一緒に寝落ちしなかった夜だけが制作できる時間。
こどもの体調にも大きく左右されるので、できるだけ前もって進めて余裕を持たせたり、
時間に対してはとてもシビアに考えるようになりました。
自分の体調管理の意識も変わりましたね。
とにかく睡眠はしっかりとらないともうダメですね。
こどもの影響だけではないかもしれませんが、
以前よりのびのびと素直に描かれている絵が気持ちよく感じられるようになり、
自分も以前より素直に描きたいと思うようになりました。
前はスタイルのようなものを意識しすぎて悩みがちだったかも…。

 

ープロのイラストレーターとして仕事を進める上で
小池さんが大切にされていることはありますか?

社会に出て就職をしたときに初めて、
私は仕事をするのが好きなんだと気が付きました。
1人で何かを作っているだけよりも、
作ることを通して何かに出会ったり人や物事と関わることが楽しかったのです。
前職は自社で製造する鞄を自社で販売する会社に所属し、
販売を促進するためのWEBサイトやカタログなどを編集したりデザインしたり、
店舗のディスプレイや新店舗の内装、イベントの企画など、
まだ会社が小さかったので本当に様々なことを経験させてもらいました。
自社製品の魅力を伝えることが仕事だったわけですが、
同じ建物の中に製品を作っている職人もデザイナーもいて、
その技術も努力も人柄も目の当たりにして尊敬していましたし
伝えていく時には自分ごとのように思いが入る仕事でした。
そしてちゃんと物事を理解して気持ちの入った仕事をすると相手に伝わるということも
実感できた会社員時代でした。
その後、徐々にイラストレーターとして仕事をいただくようになり、
今はフリーランスで様々なお仕事に関わることになったのですが、
お声がけいただいた案件の、少ない情報の中でも自分が共感できる部分を見つけて
気持ちを高めて仕事に取り組むように心掛けています。
あとは、スケジュール面。現時点では家族のケアに傾ける時間も大きいので、
無理なスケジュールは極力立てないようにしています。
自分の場合は、気持ちと時間が大事だとようやくわかってきたので、
共感できる部分があるかどうか、制作時間に無理はないかをよく見極めることも
長く続けていくために大切なことなのかなと思っています。

 


ー小池さんが今後挑戦されたいことや、
展望などを是非お聞かせください!

いろんなことに興味が湧いて、やりたいことが浮かびやすいわりに
やる時間がいつもないという、落ち着きのないタイプなのですが、
来年の夏に少し都会を離れた場所に住まいを移すので、
身近な海や野山や生物にこどもたちと触れ合って、
そこから得たものを仕事にも反映させられたらと思っています。
しっくりくる言葉が書けるようになったら楽しいだろうなと思うので、
文章を書く訓練もしてみたいですね。
多様な出会いを楽しみながら、おばあちゃんになっても仕事をしていたいです。
インタビュアー 須貝美和

冬季休廊、オンラインショップお休みのお知らせ

12月21日(木)〜来年1月11日(木)まで、冬季休廊とさせて頂きます。

それに伴いまして、HBオンラインショップの発送業務もお休みさせていただきます。
休廊期間中にいただきましたご注文やお問い合わせについては、
1月12日(金)以降に順次対応させていただきます。

商品到着が遅れますことご了承くださいませ。

 

ご不便をおかけ致しますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

北澤平祐個展「さらのえ」

今週の作家さんは北澤平祐さんです。HBでは2年ぶり、5回目の個展開催となりました。

陶芸作品ではない、イラストレーションによる33枚のお皿イラストレーション、

豆皿から大皿までバラエティーに富んだ楽しい展覧会を是非ご高覧ください

「みんなのにわにわ」のさら

「フルーツポンチの つくりかた」のさら

「ピーマン にがて?」のさら

「クロワッサンプリンセス」

「コーヒまめ」のまめざら

 

展覧会は12月13日(水)までです。お見逃しなく!

 

 

ココ・ファーム・ワイナリー収穫祭 樋口たつ乃個展「Every moment」

今週は毎年恒例ココ・ファーム・ワイナリーさんとの企画展、収穫祭です。
ワインラベル制作をイラストレーターさんやデザイナーさんにお願いし、それに伴い個展を開催して頂きます。
今年の収穫祭記念ワインは樋口たつ乃さんに制作いただきました。
会場にて作品をお買い上げ頂いた方には先着で
樋口さんラベルのココファームワイナリー収穫祭ワインを1本プレゼント致します!
樋口さんならではの伸びやかなタッチの作品をお楽しみください。

「every moment」

ココ・ファーム・ワイナリー第37回収穫祭記念白ワイン750ml瓶【限定】【日本ワイン】ココ・ファーム・ワイナリー第37回収穫祭記念赤ワイン750ml瓶【限定】【日本ワイン】

イラストレーション:樋口たつ乃/デザイン:HBスタジオ

「in the room」

「dance dance」

「in the blue」

会場では作品販売のほか、樋口さんオリジナルのノートやポストカードも販売しております。
ココ・ファーム・ワイナリー収穫祭 樋口たつ乃個展「Every moment」は12/6(水)までです。(最終日のみ5時まで)
ぜひお立寄りくださいませ!

HB COMPETITION PRESENTS vol.1丹野杏香×えだようこ二人展「HOME」

 

今週の展示は「HB COMPETITION PRESENTS」
記念すべき第一弾は、丹野杏香さん、えだようこさんの二人展です!

HBファイル&ワーク、両コンペの受賞者より選出した作家による企画展で、
受賞の年だけではなく、その後の活動に関しても、
HBギャラリーとしてサポート出来る場所を作れたらという気持ちで始まった新企画です! 
丹野さんはVOL.32で 関戸貴美子賞、
えださんはVOL.33で鈴木成一特別賞を受賞されています!
それぞれお二人にインタビューさせて頂きました。

 

 

ー展示タイトル「HOME」はどのように決められたのでしょうか。
メールなどを通してご相談されたのですか?
タイトルを決めた経緯とHOMEになった理由などをお聞かせください。

 

丹野さん:えださんとリモートでミーティングを重ねながら、いくつか候補を出し合いました。
シンプルなテーマの方がお互い描きやすいのではないか?と言うことで、生活や暮らしを想起させるようなテーマはどうかということにまとまり「HOME」になりました。

 

えださん:丹野さんと何度かビデオ会議をして、お互いにテーマをいくつか出し合ってその中から決めました。ふたりとも人物を描くので、結果的に「HOME」という暮らしに関するテーマが向いていたようです。

 

 

ー二人展のお相手を知った時はどのようなお気持ちでしたか?
二人展での展覧会ということは意識して作品制作をされましたか?

 

丹野さん:普段黒をメインで描いているので二人展だとお相手の絵に対し、圧迫感のある空間にならないか不安はありました。
DM用に仕上げた絵を拝見して、えださんの絵のカラーを取り入れる形にし、空間全体で見た時にバランスが取れるよう意識しました。

 

えださん:丹野さんのイラストは以前から素敵だなと思っていました。なので嬉しかったですし、ふたりだけで展示をするというのもはじめての経験だったので、どんな展示になるだろうと楽しみな気持ちでいっぱいでした。また、制作については二人展だからという意識は特にしていなくて、HOMEのテーマからズレないように自分なりに答えを探して制作したつもりです。

 

 

ーお二人の作品が展示された空間を観て、どのような印象を受けましたか?
実際に展覧会を観て感じたこと、気づいたことなどはありますか?

 

丹野さん:制作段階ではあまりやり取りせず進めていたのですが、お互いに先に見せた絵から受けた印象を念頭に展開していったのかなと思うような作品群でした。
絵自体のぱっと見の印象は似通っていないのですが、共通して意識している部分や対比になっている部分などがあり面白かったです。

 

えださん:お互いに展示会場に作品が並ぶまで、全くどういうものを制作しているのか知らなかったので、完成された空間を見た時は驚きました。打ち合わせもしていないのに、作品数もほぼ同じで色の調和も取れていたので。本当に丹野さんとは相性がとても良かったのだと思います。

 

 

ーお互いへ、お伝えしたいことやメッセージをいただけますか?

 

丹野さん:えださんの描く人や物の形にはあと引く不思議な魅力があるように思います。優しい雰囲気と緊張感が共存しているところが好きです。

 

えださん:お話しているとそんなことまでかぶる?というくらい共通点が多く、運命的なものを感じました。会期中にもお世話になりすぎて頭が上がらないのですが、これからも戦友として仲良くして頂きたいです。笑

 

 

ーお二人の今後の目標や挑戦したいこと、展望などをお聞かせください!

 

丹野さん:気持ちのよい形・美しい面を探求しつつ、これから先も様々な場所で展示ができたらと思っています。
又、絵を立体やテキスタイル、陶器など色々な形にしてみたいです。

 

えださん:私は手書きに見える絵を描いていますが、実際に手書きでも大きな作品を描いてみたいなと思っています。また、ずっと絵本を作りたいという目標があってそれは1月を目安に制作しようと思っています。あとは本やパッケージのイラストのお仕事もたくさんしたいです。

 

津田周平個展「俺だって見してくれ」

今週の作家さんは津田周平さんです。
新作描き下ろしはもちろん、今はなかなか見られない初期作品もご覧いただけます!
手作りのラグや大型の絵など、津田さんの新たな試みもお楽しみください。

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

ー個展タイトル「俺だって見してくれ」
そして展覧会のコメントには
《感》①蚊帳の外にいながら、やっぱり見たいと焦るさま。
②沢山の人がいる中、助けを求めるさま。③なにかを主張するさま。とあります。
個展のタイトルは津田さんがつくられた感動詞ということなのでしょうか?
タイトルに込められた想いを聞かせください。

 

タイトルの紹介文を辞書風にしたらおもしろいかなと思っただけで、感動詞の《感》に特に意味はありませんが、意味や内容はタイトルに込めた想いに即しています。
僕は家にいる時大抵布団の中にいるのですが、それでも家族が何か見たり読んだり楽しそうにしていると、気になって「俺だって見してくれ」と焦って言う癖があるらしく、怠け者なのに仲間外れにされたくないという性格が家族から呆れられています。
タイトルを考えている時、僕を一番表す言葉としてこの口癖が上がったので使うことにしました。意味を少し前向きにして、40過ぎの自分だってまだいろんな世界が見たいんだ、というような解釈にしました。

 


ー2019年の春から本格的に絵を描き始め
その後は数々のコンペに入賞、
昨年のMAYA装画コンペでは見事グランプリを受賞されました。
直近では12月発売予定の「巣 徳島SFアンソロジー」の装画も手掛けられ、目覚ましい活躍をされています。
多くの人に津田さんの作品が支持されるようになってからご自身の絵の向き合い方に変化はありましたか?

別に目覚ましい活躍はしていません。定期的な絵の仕事が欲しいです。それかめちゃくちゃ高い値段で絵が売れたらいいのにと思います。確かに多くの人に見てもらえるようにはなったので、僕にしか描けない絵を描きたいと思うようになりました。逆に駄作でもいいからなんでも描いてやれという気持ちが萎縮してしまったようにも思います。描きたいものだけ描いていては発展がないのかな…という自分の葛藤から来るプレッシャーでイメージが固まらずにぼーっとして描けない時期も続いて怖かったです。とにかく絵を描くくらいしか出来ることがないので、それで成功したいです。
ただその為に絵を自在に変えるという器用さはありませんが、もし仕事の声をかけてくれる人がいたら、その人が何を意識しているかは考えたいです。


ー津田さんの作品にとって「子ども」は大きなテーマだそうですね。
子どもを描かれるときは、
津田さんのお子さまを意識されていますか?
もしくは誰の心にもある「子ども」という存在なのでしょうか。
これからも子どもを描き続けていかれますか。
自分の子どもを意識しながら描きます。とても良い親とは言えませんが子どもが好きです。一緒に生きててくれてありがとうございますと思います。でも自分の子どもはどんどん大きくなるので、いずれ僕の思う子どもを描くことになると思います。宮沢賢治風に言ったらかあいらしいものを描き続けたいです。かわいいというよりかあいらしいです。同じ意味だけど。
子どもと暮らしていると最高なことばかり起こるので楽しいです。忘れないようにしたいです。誰の心にもある「子ども」までイメージを包括できている自信はありませんが自然にそうなっていてくれたらいいです。

 


ー今後、津田さんが挑戦されてみたいことや、展望などをお聞かせください。

スマホを見るのをやめたいです。あと腹が異常に膨らんでいて肝臓が悪いので死なないようにしたいです。
なにより絵本を描いてみませんかと言われているのでそれをなんとか必ず完成させたいです。手がピタッ!っと止まっていますが、スマホのせいです。生活に関わりすぎていて難しいですが、頭の中のスマホをバキバキに折ってまずは絵本を完成させたいです。集中力はあるのでできるはずだと思います。それしかありません。
自分の子どもには絵を描く謎のおじさんみたいになっているので、わかりやすくいいところを見せたいです。

 

 

津田周平個展「俺だって見してくれ」作品リスト

2023年11/10(金)~11/15(水)開催の津田周平個展「俺だって見してくれ」

展示作品一覧です。会場ではこのほかにミニ原画やZINEのお取り扱いも!

作品は後日HBギャラリーオンラインショップにも掲載いたします。

 

 

No.1   額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥85,000-(税込)

 

 

 

No.2 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥80,000-(税込)

No.3  額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥77,000-(税込)

No.4  額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥77,000-(税込)

 

No.5 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥80,000-(税込)

No.6  額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥20,000-(税込)

No.7  額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥50,000-(税込)

 

No.8 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥65,000-(税込)

No.9  額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥68,000-(税込)

No.10 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥80,000-(税込)

No.11  額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥77,000-(税込)

No.12 作品(木製パネル)外寸:約 90cm × 90cm、 ¥200,000-(税込)

No.13 作品(板)外寸:約 50cm × 30cm、 ¥60,000-(税込)

No.14 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥60,000-(税込)

No.15 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥60,000-(税込)

No.16 作品(キャンバス)外寸:約 33cm × 24.5cm、 ¥35,000-(税込)

No.17 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥40,000-(税込)

No.18 額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥48,000-(税込)

 

No.19 ※プリント作品
額外寸:約 32cm × 42cm、額付 ¥15,000-(税込) / 額なし、シートのみ ¥7,000-(税込)

 

 

作家による手作りラグ作品。中央のNo.24は非売です。
作品外寸: 30cm × 40cm程度(詳細はオンラインショップに記載)

No.20,21,22,25,26,28 ¥28,000-(税込)

No.23,27 ¥35,000-(税込)

高山裕子個展 「緑のざわめき」

今週の作家さんは高山裕子さんです。
個展自体は4年ぶり、HBでは7年ぶりの個展となりました。
心地よい風や葉音が感じられる、今の季節にぴったりな緑の景色が広がります。
アクリル絵具やテンペラによる、見応えある原画をお楽しみください!

展示作品を一部オンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

ー高山さんはコロナ渦には個展をされず、今回の個展が4年ぶりの開催となりました。
今回の展示作品では、コロナ渦以後、180度変化された高山さんの日常を作品を通して表現されたそうですね。
日常の大きな移り変わりによって、高山さんの絵に対する向き合い方や制作の進め方などにも変化は生じましたか?
 

最近、生活環境が変わり、より限られた時間の中で集中し、1枚の絵をゆったりしたペースで描いていくスタイルに変わりました。

 

 

ー”いつか行きたい風景”を主要テーマに作品制作を続けてこられた高山さん。
そのイメージを絵として表現するために、何か参考にされるものなどはあるのでしょうか?
 

日常の中で切り取られる気になる場面を写真に収めたり、本や雑誌などの切り抜きを集めたりと常に気持ちのいい風景を探しています。

 

 

ー個展では高山さんが装画を手掛けられた「愛という名の切り札」(谷川直子著/朝日新聞出版)の原画も展示されています。
マットな質感の美しい作品はテンペラ絵具で描かれているとお聞きしました。
高山さんがテンペラ画をはじめられたきっかけは何だったのでしょうか?
これまで描かれてきたアクリル絵具と比べて、
扱いの違いやテンペラ画だからこそ表現できる点などがあればお聞かせください。
 

何年か前に、学生時代の恩師にテンペラ画をやってみたらと勧められました。慣れた画材ばかりだと同じような表現になってしまうので。テンペラ画は思うように色が乗らなかったりと不便もありますが、そこがアクリルとは違う深みなどを表現してると思います。

 

 

ー前回の個展では作品をファブリックにされた”着れる絵”を発表されました。
そして今回の個展ではハンカチやワッペンなど、布小物にも展開されており、
特にハンカチはドローイングとハンドプリントを重ねた1点もので、高山さんのこだわりを感じます。
高山さんがご自身の絵をファブリックにまで広げられたきっかけや理由などをお伺いできますか?
 

絵を見ることに馴染みのない人にはなかなか見てもらえなかったりします。もっと身近にアートを取り入れて欲しい思いで布の制作を始めました。

 

 

ー高山さんが今後挑戦されたいことや、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。
 

装画のお仕事を中心に、絵本も2冊目が取り組めるようになるといいなと思います。大きな作品も描いてみたいです。

 

西山竜平個展 「TERRA」

今週の作家さんは西山竜平さんです。
HBでは5回目の個展となりました。
何層にも色を重ねて表現された空のグラデーション、
丁寧に描写された星の輝き、
アクリル絵具で丹念に描かれた美しい原画を是非会場でご覧くださいませ。

展示作品の複製画を一部オンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

ーHBでは5回目の個展です。
個展の度に西山さんは、モチーフを選び取る着眼点や画材の工夫など、
様々な挑戦を続けてこられました。
今回はご自身最多、50点もの作品を展示されています。
今回の個展のテーマや、展示タイトル「TERRA」の意味、
新しく挑戦された点などについて教えてください。

 

3回目の個展「うつけのうた」の頃から絵本を意識して自主制作を続けてきました。
その時は架空の物語の断片を作り、それぞれの物語に合わせたテイストの絵をつける
という設定で展示を行いました。

次の個展「Dawn」では全部を空想にするのではなく、普段暮らしている場所をモチーフに
そこからイメージを膨らませて現実と想像が混ざり合った風景を作り、そこに短い文章を添える
形で展示を行いました。

そして今回の個展「TERRA」はこれまでの展示で培った経験をもとに
一つの絵本を作り上げて、その原画を展示することを目的にしました。

展示タイトル「TERRA」は大地や地球という意味のラテン語からつけました。
不思議な景色の広がる世界を放浪する物語を表す言葉として、短いながらも響きの良い語感に惹かれてつけました。
一から絵本を作ること自体初めての挑戦なのですが、なかでも文字のない絵本として
作っているので、コマ割りのある絵を作ったところが自分の中で一番の挑戦でした。

ー作家さんからギャラリーへ提出いただく展覧会用のコメントは85文字以内と限られています。
しかしながら、西山さんのコメントはその限られた文字数の中で、展覧会の本質を凝縮され、
加えて七五調の形式で綴られた詩のような響きは、私たち読み手の想像力をかきたてさせてくれます。

あたりいちめん しろいすな
かぜのほかには なにもない
しろい しろい すなのおか
そらにうかぶは われたつき
そこはかつての あおのほし

こちらのコメント文は、
絵本に掲載する絵を描かれる前に生まれたのでしょうか?
美しいコメント文が生まれた背景やエピソードなどがあれば是非お聞かせください。

 

このコメントは今回の展示用に後から考えました。
前々から展覧会用のコメント部分から展示の導入になればいいなと思っていて、
展示の雰囲気や作品のニュアンスが伝わる演出として今回のようなコメント文にしてみました。

ー今回展示されている絵本原画のアイデアはどこから生まれたのでしょうか?
はじめに思い浮かんだ言葉やイメージなどはどんなものだったのでしょうか?


もともと広大な景色を描きたいという欲求がずっとあって
絵本も白くて広い広い砂漠の景色が最初から頭にありました。
「あたりいちめん しろいすな」はそのイメージを言葉にしたものです。


ー西山さんはHBでの3回目の個展「うつけのうた」(2021年)で初めてオリジナルの短編集をつくられ、
各々の物語に合わせて絵を展開されました。
今回の個展は絵本の原画展示となりますが、もちろんこちらもストーリーが存在します。
お仕事でも物語に触れる機会が大変多かったと存じますが、
ご自身で物語を創作されるようになってから、西山さんの作品制作に何か変化はありましたか?

 

仕事の絵でも自主制作の絵でも、画面に映らない部分をより意識するようになりました。
例えば装画や挿絵を描く場合は文章には書かれていない登場人物たちの暮らしや
今の性格になった経緯、そこから発生する行動などを以前よりも想像して
絵を描くようになりました。

今回初めて絵本を制作してみて、実際に描いている場面の前後、ページには描かれていない場面と
そこからまたページとして描かれるところまでの繋がりをイメージすることがとても大切で、
そしてそこが非常に難しいということを身をもって知りました。
言葉にしてみるとすごく当たり前のことなのですが、なかなかできませんでした。

これまで描いてきた絵(装画や雑誌の表紙など)は1枚の絵で全体を包んで表現するイメージなのですが、
絵本の場合は一枚で完結せずに、前後の繋がりを意識しながらどの部分を切り取って絵にするかを考えるので、普段とは違った頭の使い方をしていて考え方を切り替えるのにとても苦労しました。


ー西山さんは絵本制作やイラストレーションのお仕事のほか、
webストアでも作品を販売され、
作家としての幅を広げられているように感じます。
西山さんの今後の展望をお聞かせください。

 

イラストレーター、絵本作家、画家としての活動を続けて、
それぞれで培った経験をそれぞれの創作に還元しながら
これからも絵を描き続けていければと思っています。
そして日本だけではなく海外の仕事や展示もできるようになりたいです。

インタビュアー:須貝美和