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夏季休廊、オンラインショップお休みのお知らせ

8月10日(木)~8月23日(木)まで、夏季休廊とさせて頂きます。

それに伴いまして、HBオンラインショップの発送業務もお休みさせていただきます。
休廊期間中にいただきましたご注文やお問い合わせについては、
8月24日(金)以降に順次対応させていただきます。
商品到着が遅れますことご了承くださいませ。

ご不便をおかけ致しますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

HB FILE COMPETITION vol.33 鈴木成一賞 田渕正敏個展「Signal」

HBファイルコンペvol.33 受賞者展ラスト!第6週目の作家さんは
鈴木成一さんの大賞を受賞された田渕正敏さんです。

多数の技法を駆使し、複雑な試みが垣間見える見応え抜群の内容でありながら、
鮮やかなブルー一色で統一された夏らしい涼やかな展示となりました。

会期中、付箋に手書きで作品の解説を加えていくなど
田渕さんらしいアイデアも必見です!ぜひ会場でご覧くださいませ。

一部展示作品はのちほどオンラインショップでもお取り扱いいたします。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

Q1.
鈴木成一賞 大賞受賞、おめでとうございます。
受賞を知った時はどんなお気持ちでしたか?
鈴木成一さんに選ばれた感想もお聞かせください。

 

A1.
応募作は2年前に描き始めたシリーズで、大きな絵の変化を感じてコンペティションに応募することを決めました。
10年以上のキャリアがある中でこの変化がどのように受け取られるのか期待と不安がありましたが、とても早い段階でピックアップして頂けたことがとても嬉しかったです。

鈴木成一さんは、自分の読書体験と密接に関わるグラフィックデザイナーで小説に魅了されるきっかけとなった東野圭吾「白夜行」「幻夜」のブックデザインをはじめ
本屋に通うということが習慣になった学生時代に出会った書籍が多く、装幀・ブックデザインという言葉を意識し始め装画を描くことを志す時期と重なります。

そうして小説の装画を描きたいと思ってイラストレーターになったものの、10年間で数冊のチャンスしかありませんでした。
ファイルコンペ受賞のお知らせを頂いた時はとても嬉しかったのですが、ここから仕事に繋げるまでが大変だということが分かっていたので
受賞の4日後に鈴木成一デザイン室から装画の依頼を頂いた時にようやくやりたいことに辿り着いた思いでした。

鈴木さんから装画についての絶対的な指示は無く、とにかくゲラを読んで描いてみて下さいということを言ってくださるので、こちらとしては思いきりフルスイングで取り組めています。

 

Q2.
応募されたファイルを作成するにあたり、
工夫されたことや意図されたことなどはありますか?


A2.
まずは1年で様々な方向性の絵20枚を完成させるということに苦心しました。一つ手応えがあると似たものを量産してしまいがちなので、
そのスタイルを毎度避けたり壊したりしながらまだ試みてないことは何かを考えながら描きました。
20枚を完成させた後、今度はB4ファイルという形式での見せ方に苦戦しました。
B2サイズで描いている原画をB4サイズに縮小して見せなければならないので縮小することで消えてしまうディティールを時間をかけて補正しました。
横位置の絵は見開きで見せるとインパクトがありますが、ファイルの構造上真ん中で真っ二つに割れて下地の黒が見えてしまうので
絵の中心に重要なモチーフがある絵はセレクトから外しました。


Q3.
2023年はHBの受賞展の前に既に3回個展を開催され
アートフェスティバルへの参加やポップアップショップにも出店されています。
クライアントワークも数多く、非常にお忙しい日々の中で
同年開催の1つ1つの個展に対し、どのようにテーマやポイントを棲み分け、
準備を進めてこられたのでしょうか。

スケジュールを完遂させるために、田渕さんが日頃意識されていることや、
生活習慣などもあればお伺いしたいです。

A3.
去年から今年にかけてコンペティションで良い結果が残せたので、このタイミングしか無いと考え
仕事は多少セーブしながら出来る限り作品制作に時間を割きました。

3回の個展にはそれぞれやりたいことがありました。

初回の「アルバム」@ギャラリー・ルモンドでは改めてイラストレーターとして自己紹介をする。
2回目の“Tags”@Diegoではギャラリーという空間全体を使って青い絵が一つの作品として見えてくるように展示をする。青を印象付ける。
3回目の「青いfoods」@恵文社では過去作と近作を同列に並べて絵の変化を確認する。
東京以外で個展をするのが初めてだったので、その可能性について考える。
以上のような事を考えていました。
立て続けに個展をするのは体力も精神もすり減りますが、初回以降は全て新作で挑むということを辞めたので何とかなりました。スケジュール管理はとても苦手な上に無謀な構想ばかり思いついてしまいます。
さらに日常生活も大切にしたいという欲張りなので、何とかかんとか平日の日中に仕事も作品制作も収めるようにやりくりしています。

子供が成長し以前よりも時間に余裕が出来たことも作品制作に大きく影響しています。
妻の提案でそれぞれが平日の内の1日は仕事に限らず夜遅くまで自由に過ごしても良いという取り決めになり
僕は水曜日をその日に充てて大量の作品を制作をすることが出来ました。
ほとんどの作品がこの「水曜日」に描いたものなので個展のタイトルにしようかと候補にしておりました。

 


Q4.
グラフィックデザイナー松田洋和さんとのユニット“へきち”での活動、アトリエでの読書会など
「イラストレーション」に対して課題を投げかけるような発信をされており、その視座の高さに感服します。
田渕さんはどのようにご自身の視野を広げ、洞察力を高めてこられたのでしょうか。


A4.
作品集や個展を企画する時にはいつもグラフィックデザイナーの松田洋和に相談してきました。

僕は見切り発車でとにかく何か描いてから考えるというような絵が多く、飽きてしまうのもとても早い、
描いてしまったらあまり自分の絵に関心が無いので管理もとても雑になります。
それが松田のおかげで作品をそれぞれ本にしてアーカイブしたり、アトリエで保管したり出来る様になったので松田様様です。
松田がデザインした僕の作品集は12年で60タイトルを超えていて、僕が描くものを1枚たりとも溢さないという姿勢に励まされます。
松田はペインティングも素描もフラットに捉えられていて、素描は下描きとしか捉えていなかった僕の視点を
素描のまま痕跡とするという見せ方もあるというように変えてくれました。
今回の展示でも普段は捨ててしまうようなメモ書きや落書きまで全てスキャンしてスケッチ集として販売しています。
イラストレーションについては仕事以前にただファンであり続けています。
未だに話題といえばあのイラストレーターが良いだの、新しい人出てきただの、あの装画誰だろうね〜などと学生の頃から変わらないままです。
学生の頃はインターネットもまだ主流でなく雑誌の影響力が強かった。
玄光社のイラストレーションという雑誌と書店に並ぶ書籍の装画だけが僕のイラストレーションの知識の全てでした。
その頃見た誌上コンペTheChoiceの世界観が目に焼き付いていて大きく影響されています。
グラフィックとしてのイラストレーションはもちろん、そのシステムにもとても興味があります。
絵を描いてそれが商業として成り立つシステムが当然のように世の中にあって、イラストレーターが職業として認知されている。そのことにずっと驚きを持っています。
そこにはもちろんグラフィックデザインやイラストレーションの分野の先人達の尽力によって信頼を得ていった歴史があります。
そういったイラストレーションを取り巻く歴史に興味を持つと自ずと視野を広くする必要に迫られるのかも知れません。
HBGALLERYでの展示もイラストレーションの歴史の一端に触れる思いで嬉しく思っております。

 

Q5.
今回で青のイラストレーションの展示は一旦区切りとされるということですが、
何か新しいテーマがあるのでしょうか。
田渕さんの今後の展望やビジョンをお伺いできますか。

 

A5.
作品で試みてきたことが仕事で求められ始めているので、そこに注力したいと思っています。いつ仕事が来ても対応できるようにと様々にシュミレーションして作品を作るのですが、
いざ依頼が来ると自分の想像を遥かに超えたテーマが降りかかって来ます。
サッカーが好きな息子が「PKは練習できない」という話を聞かせてくれました。
基礎は練習できるけれど本番の緊張感は再現出来ないということらしいです。
装画も同じ様に本番でみなぎる想像力がとても待ち遠しくそれがやりがいになっていると思います。

今後の展望としてはもう少し青い絵でやり残しを感じているところをゆっくり進めながら、

振り子が大きく揺れるように異なるベクトルの作品を作ってみたいと思っています。
鈴木成一さんには「そろそろこのシリーズに飽きる頃だと思うから、次回作に期待します」と僕の資質を見抜かれていたので
期待に応えてまた面白い絵が描きたいです。また10年かかるような気もしますが。

 

HB FILE COMPETITION vol.33 河西達也賞 こみひかるこ個展「ぴかぴか PikaPika」

HBファイルコンペvol.33 受賞者展、第5週目の作家さんは
河西達也さんの大賞を受賞されたこみひかるこさん。初個展です!
弾けるような曲線で描かれた、可愛らしい動物たちをたっぷりお楽しみください。

会場では、シナ材でつくられた壁掛けオブジェなど
こみさんならではの新たな試みもご覧いただけます。ぜひお越しくださいませ!

一部展示作品はオンラインショップでもお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

Q1.
河西達也賞大賞受賞、おめでとうございます。
受賞を知った時はどんなお気持ちでしたか?
河西達也さんに選ばれた感想もお聞かせください。

 

A1.
河西さんのお仕事をかなり以前から拝見していて、手掛けられるパッケージやグラフィック等、全てがとても可愛らしく素敵なものばかりで、
いつも発売されたらお店へチェックしに行っておりました。その為、受賞をお聞きした時、飛び跳ねるほど嬉しかったです。

 

Q2.
応募されたファイルを作成するにあたり、
工夫されたことや意図されたことなどはありますか?

A2.
流れるように、スムーズにページをめくっていただけるように、イラストの順番に気をつけておりました。
テイスト的にも、静と動を交互に感じられるようにして目線が退屈しないように工夫して選択しました。

 

Q3.
こみさんは広告制作会社に勤務されているとお聞きしております。
デザイナーとして成果を出しながら
ご自身のイラストレーションを数多く制作されているのが
大変素晴らしいと感じます。
限られた1日の時間をどのように管理し、制作時間を確保されていますか。
ご自身で気をつけていることや心がけてらっしゃることはありますか?

A3.
まだまだ時間の使い方が難しい所はありますが、勤務時間前後の朝と夜やお休みの土日祝日を使って、イラストレーターの活動をしております。
平日に下書きだけ進めて、土日のまとまった時間を確保できる時に着彩していたりなど、
iPadでの制作がメインなので、その辺りは思い立ったらすぐ取りかかれるところがデジタル作画の良いところかなと感じております。


Q4.
こみさんは学生時代から温かみのあるイラストレーションを描かれていますが、
幾何形態をベースとした直線的な表現から
現在では曲線を主体に、より伸びやかに、より愛らしく、
ますます進化されているように感じます。
こみさんご自身はどのようなビジョンを持ってイラストレーションを制作されてきたのでしょうか?

A4.
学生時代はイラストは好きでも、描くこと自体に不慣れで、コンパスや定規を使って製図するように絵を描いておりました。
社会人になってから、普段のお仕事等を通じて自分の描きたいものが明確になり、肩の力を抜いてのびのびと制作できるようになってきたと感じます。
また、「こんな犬がそばにいたらいいのに〜」といった、生活の中に癒しを求めて描いていた部分が大きかったかと思います。

 

 

Q5.
イラストレーションのお仕事で手がけてみたいジャンルや、
取り組みたい活動など、
こみさんの今後の抱負を是非お聞かせください。

Q5.
様々なジャンルで良いお仕事ができるように、これからも新しい表現に挑戦し続けていきたいです。
絵本や本の装画など、物語に関わるお仕事も、たくさん増やしていけたらと思っております。


HB FILE COMPETITION vol.33 八木彩賞 メリヤスミドリ個展「PLANT KILLER」

HBファイルコンペvol.33 受賞者展、第4週目の作家さんは
八木彩さんの大賞を受賞されたメリヤスミドリさん。初個展です!
デジタルで作品制作されているメリヤスさんですが、今回はご本人の手作業によるシルクスクリーンや
メタリックな質感の大作など、一味違う展示となっております。
会場ではメリヤスさんが装画を担当された書籍『ドライブイン・真夜中』のほか、シルクスクリーンTシャツなどのグッズも。
ぜひお越しくださいませ!

一部展示作品はオンラインショップでもお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

Q1.
八木彩賞大賞受賞、おめでとうございます。
受賞を知った時はどんなお気持ちでしたか?
八木彩さんに選ばれた感想もお聞かせください。
A1.
コンペは第三者から見た意見や作品の強度を知るための力試しで応募していたので素直に嬉しかったです。
広告の第一線でご活躍されている八木彩さんだからこそ、
印象に残るインパクトや新鮮さを評価いただけたのかなと思います。
Q2.
メリヤスさんが応募されたファイル作品はモノクロームで統一され
フィルムで撮影された写真集を見ているかのような
美しい諧調がとても目に残ります。
応募されたファイルを作成するにあたり、
工夫されたことや意図されたことなどはありますか?
A2.
統一感がある反面、単調にならないように構成を考えました。
モチーフの順番や大きく見せたい見開きのイラストをどこに持ってくるかなど検証しました。

Q3.
メリヤスさんの表現は静けさの中にも、鐘の音のように長く響くような強さを感じます。
この独特の質感はどのように生み出されるのでしょうか。制作プロセスをお伺いしたいです。
A3.
繊細さと力強さは製作する際に意識していることなのでとても嬉しい評価です。
普段は手書きのラフからイラレでベースを作り、フォトショでライティングや質感を描き起こしています。
デジタルの処理ですが自分はやっぱり手触りのあるものが好きです。
今回の展示はシルクスクリーンも使っているので、また違った質感にできたと思っています。
制作しているときはモノクロで描いているというより、暗い空間の中に黒い質感のモチーフを作っている感覚なのかなと
最近自分では思うようになりました。

Q4.
メリヤスさんがInstagramに投稿されている作品を拝見すると、
カラフルな作品からモノクロームの作品へと切り替わり、
構図に関しても、対象へ接近するかのように、
距離が縮まった印象を受けました。
メリヤスさんの絵が変化された転機などはあったのでしょうか。
A4.
最初は流行っているようなカラフルなトーンでなんとなく制作していました。
でもそこに自分のイズムが何もないなって気づいて、
予備校や学生時代は黒い背景で作品を作ることが多かったのを思い出しました。
原点回帰のつもりでモノクロを試してみたのがしっくりきてこの表現を突き詰めてみようと思いました。
Q5.
9年間勤められた会社を独立されたそうですね!
イラストレーターとして、アーティストとして、
どのような活動をされていきたいですか?
手掛けたい仕事、挑戦されたい表現方法など、
メリヤスさんの今後の抱負を是非お聞かせください。
A5.
海外のお仕事や展示には挑戦してみたいので、近いうちに実現したいです。
具体的な案件だとファッション系や香水/フレグランスなどにも興味があります。
自分のトーンとマッチするブランドやジャンルはきっとあると思うのでその世界観をビジュアルにしてみたいです。
あとはどんな仕事をやりたいかと同じくらい、どんな人と一緒にやりたいかも重要だと思います。
素敵な方々とご一緒できるように自分もスキルアップを頑張っていきたいです。

インタビュアー 須貝美和

HB FILE COMPETITION vol.33 鈴木久美賞 濵佳江個展「アソートメント」

HBファイルコンペvol.33 受賞者展、第3週目の作家さんは
鈴木久美さんの大賞を受賞された濵佳江さん。初個展です!
動物、お菓子、お花…思わず集めたくなるような可愛らしいものたちがぎゅっと詰まった展示です。原画の丁寧な筆致にもご注目ください!

会場ではハンカチやワッペンなど濵さんならではのオリジナルグッズのほか、コンペ受賞ファイルも閲覧できますのでぜひお立ち寄りくださいませ!

一部展示作品は後ほどオンラインショップでもお取り扱い予定です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

Q1.
鈴木久美賞大賞受賞、おめでとうございます。
受賞を知った時はどんなお気持ちでしたか?
鈴木久美さんに選ばれた感想もお聞かせください。

A1.
受賞を知った時はやった〜!と心が躍るような気持ちでした。そしてだんだん冷静になって覚悟の気持ちに変わりました。

鈴木久美さんの審査評を拝聴した時に、とても細やかな部分まで丁寧に解説してくださっていて主観では気付けなかった捉え方や可能性を知ることができました。ひとつひとつの言葉を糧にして評価していただいた部分をもっと伸ばせるように頑張ろうと思いました。

Q2.
応募されたファイルを作成するにあたり、
工夫されたことや意図されたことなどはありますか?
何かテーマは持たれたのでしょうか。

A2.
一枚の絵を簡潔にすることを意識しました。「りんご」「犬」「花」といった認識しやすいモチーフを選び、「持つ」や「つまむ」などシンプルな手の動作を加えた構成にして、ページをめくるとテンポよくシーンが切り替わっていく見せ方にしてみました。楕円の形に揃えたのは手元に焦点を当てたくて視野を狭くできたらという意図があります。絵のテーマは「理想の暮らし」です。飼っている動物を可愛がったり、季節の果物や植物を楽しんだり、そんな本の挿絵のような世界観を目指しました。

Q3.
受賞が決まり、個展までの約半年間、
決して長くはない準備期間と思われますが
濱さんにとってどんな時間でしたでしょうか?
個展タイトル「アソートメント」にされた理由もお聞かせください。

A3.
この半年間は個展に向けて毎日少しずつ絵を描いていました。頭の中にあったアイデアをたくさん作品にできたので、描き終わった今は気持ちがすっきりしています。時間に追われる日々でしたが東京で個展ができるという非日常なわくわく感を楽しんでいました。

「アソートメント」は「詰め合わせ」や「色んな種類」という意味があると解釈しています。同じモチーフが等間隔に並んでいたり、色んなものが集合しているレイアウトにはなぜか人の心を惹きつけるものがあると感じていて、そんな絵をたくさん描いて並べたいと思いました。お気に入りのモチーフを集めたり、配色や柄を考えたりすることがとても楽しかったです。

Q4.
濱さんの作品は形の美しさはもちろん、
配色においても、青の使い方がとても魅力的だと感じました。
特に、描かれた動物の澄んだ瞳が印象的で心に残ります。
絵とご自身と、丁寧に向き合われているのだなと感じるのですが
濱さんご自身は、描く際に何か心がけられていることはありますか?

A4.
学生の頃はプロダクトデザインを学んでいたので形の美しさを評価していただけることはとても嬉しく感慨深いです。
心がけていることはデザインしている気持ちで絵を描くことです。必要な線や色数をなるべく少なくしたり、レイアウトや配色のバランスにメリハリをつけたり、心地よい形や色のことをいつも考えています。

Q5.
イラストレーションのお仕事で手がけてみたいことや、
作ってみたいグッズ、取り組みたい活動など
濱さんの今後の抱負を是非お聞かせください。

A5.
手がけてみたい仕事はバレンタインのパッケージです。毎年デザインを楽しみにしていて憧れる仕事のひとつです。
作りたいグッズは絵の中でデザインした器や包装紙や靴下たちです。もともとはデザインしてみたいものを絵の中に落とし込んでいるのでそれを実際に作ってみたいです。

絵を描き始めて3年経ちますが、描きたいテーマや細部の表現方法などしっかりと定まっていない部分がまだまだたくさんあると感じています。もっとたくさん作品を描いて研究して、自分らしい絵が描けるように技術とセンスを磨いていきます。

 

HB FILE COMPETITION vol.33 池田進吾賞 三宅崇之個展「_YO_SO_MO_NO_」

HBファイルコンペvol.33 受賞者展、第2週目の作家さんは
池田進吾さんの大賞を受賞された三宅崇之さん。初個展です!
デジタルコラージュによって作られた世界は、静かな佇まいでありながら情熱が感じられます。
会場では、エディションナンバー付きの作品集も販売しているほか、コンペ受賞ファイルも閲覧できますのでぜひお立ち寄りくださいませ!

一部展示作品はオンラインショップでもご覧いただけます。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

Q1.
池田進吾賞大賞受賞、おめでとうございます。
受賞を知った時はどんなお気持ちでしたか?
池田進吾さんに選ばれた感想もお聞かせください。


A1.
全く予期してなかったので、最初は「ん?」でした。
その後に個展のことも書いてあって、だんだん何が起きたのかコトの大きさの実感が湧いてきて、嬉しさと同時に焦りの気持ちに満たされました。

池田さんに選んでいただけたことは、特別に喜びです。
僕がコラージュに手を出したきっかけが大竹伸朗さんで、その大竹伸朗さんの「全景」のあのとんでもない図録をデザインされた池田さんに引っかかっただけでも、何かが繋がった気がして、心底嬉しかったです。

 

Q2.
応募されたファイルを作成するにあたり、
工夫されたことや意図されたことなどはありますか?

 

A2.
当時、コンペのためとかではなく、自分の絵のスタイルを一つに決めようとしていた時期でした。
彫刻作品のように、一つのカタチに魂を込めるスタイルでやっていきたいな〜と思っていて、それで生まれた最初の作品たちをファイルにまとめました。

 

 

Q3.
個展のタイトル「_YO_SO_MO_NO_」
アンダーバーの入り方が魅力的です。
こちらのタイトルにはどんな思いが込められているのでしょうか
個展のテーマもお伺いしたいです

 

A3.
個展のテーマは、居場所が定まらない「余所者感」で、今の自分の心境を表しています。
イラスト業界で仕事がジャンジャン来るような作風ではないことは自覚していて、そんな自分が超有名なイラストギャラリーで展示することに、違和感が半端ないです。

タイトルは、日本語の「余所者」では作品の彼らに似合わないと思い、言葉の意味に縛られない記号的なものにしたくて「YO_SO_MO_NO」を思いつきました。

アンダーバーは空白の意味で使われますが、何かと何かを繋ぐ役目がある気がして、彼らがこれまで歩んできた過去がYの前に、これから向かって行く未来が最後のOの後に繋がるイメージで、アンダーバーを入れました。

 

 

Q4.
三宅さんの作品は、フォトショップによるデジタルコラージュだそうですね。
現在の手法になられた経緯やきっかけなどをお伺いできますか。

A4.
過去に一度アナログ絵で煮詰まってしまって全ての作品をゴミに出したことがあるんですが、あのとてつもない虚しさを感じて以降、二度と作品をゴミにしないように、デジタルコラージュに専念しました。
デジタルコラージュだと、ダメだと思ったらまた解体して再利用できるので、ゴミにならなくて安心です。

 

 

Q5.
イラストレーションのお仕事で手がけてみたいことや、
取り組みたい活動、挑戦されたい表現方法など、
三宅さんの今後の抱負をお聞かせください。

A5.
挿画やCDジャケットに使われたいとは思っています。
ですが、現状イラストレーターとしてコンスタントに仕事が来るわけない作風なので、とりあえず今はもっと色々吸収しつつ、どんどん作品を増やします。
そうした中で、使える作品があれば、ぜひ使っていただきたいです。よろしくお願いします。

 

インタビュアー 須貝美和

HB FILE COMPETITION vol.33 特別賞展 特別賞5人によるグループ展

今週からファイルコンペvol.33の受賞者展が始まりました!

6月30日から8月9日まで、受賞者の作品を展示致します。第1週目(6/30(金)-7/5(水))は、特別賞に輝いた受賞者5名によるグループ展です。5人それぞれの個性が光る展示をどうぞお楽しみください!

池田進吾特別賞 / ちなみ
河西達也特別賞 / kigimura
鈴木久美特別賞 / のなかあやみ
鈴木成一特別賞 / えだようこ
八木彩 特別賞 / 安里貴志


八木彩 特別賞 / 安里貴志


鈴木久美特別賞 / のなかあやみ


河西達也特別賞 / kigimura


池田進吾特別賞 / ちなみ


鈴木成一特別賞 / えだようこ

 

 

HBファイルコンペVol.34の募集もはじまりました!

審査員は、河西達也さん、鈴木久美さん、鈴木成一さん、
そして今年は、葛西薫さん、服部一成さんが新しい審査員として加わりました!

応募要項・小冊子はギャラリーで配布しております。ギャラリーでのお申し込みのほか、
PASS MARKETからのお申し込みも受付中です!

 

「HB WORK Vol.5」は、albireo(アルビレオ)さん、川名潤さん、黒田貴さん(新潮社装幀部)、

そして新たに池田進吾さんが審査員として加わりました!

 

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01fjnbf98qy21.html

↑詳細はこちらから。たくさんのご応募、お待ちしております!

藤原なおこ個展「MOGU MOGU MOGU」

2023年6/23~6/28に行われた、藤原なおこ個展「MOGU MOGU MOGU」
藤原さんはHBでは初めての個展です。たべものをテーマに楽しいアイデアの作品が盛りだくさんの展示でした!ぜひこちらのブログインタビューでも展示の様子をお楽しみくださいませ。

一部展示作品はオンラインショップでもご覧いただけます。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

Q1.
現在は書籍や雑誌、広告など、幅広い媒体でお仕事をされている藤原さん。
案件によって求められるモチーフは様々ですが、何を描かれても一目で藤原さんの絵だとわかります。
お仕事の絵を進める上で、藤原さんが大事にされていることなどはありますか?

 

A1.
求められているものをちゃんと描くことに一番意識を向けています。
ちょっと難しいテーマだったり固い印象のものを柔らかくシンプルにして欲しいという
ご要望が多いのですが、それに答えつつ案件によってきちんと感も加えたり
クスッと笑える面白い感じのニュアンスを足したりと、ヒアリングしたことに
「こういうものをイメージされてるかな」と答え合わせしにいくような感じだと思います。

 

 

 

Q2.
オリジナル作品ではコラージュやアニメーション、
カレンダー制作など、様々な表現手段でご自身の絵を具体的な形にされています。
お仕事とは別に、このような創作活動を積極的に行われている理由や目的などをお伺いできますか。

 

A2.
オリジナルの作品は自分のために描いているような気がします。
その時に気になっているものを描いたり作ったりしては満足するんですが
グッズを作って販売したり展示をするのは、それを誰かも気に入ってくれたら嬉しい、
というやっぱり自分のためが原動力になっていると思います。
なのでオリジナル作品からお仕事に繋がっていくのはとっても嬉しいです。
カレンダーも元々は自分の「作ってみたい」という気持ちからでしたが「毎年楽しみにしている」と
言ってくださる方がいるのが嬉しくて10年近く続けられています。

 

 
Q3.
イラストレーターとして1日の時間をどのように過ごされていますか。
お仕事の時間帯や生活リズムをお聞きしたいです。

 

A3.
会社員時代があったせいか、9時-17時みたいな生活リズムをずっと続けています。
お仕事の返信が夜に来ることも多いので夜も稼働してるのですが、あまり大きく
リズムを崩すことはないように思います。
最近は座りっぱなしはやばいと気づき、1時間に1回は立って動いたりストレッチを
するようにしていますが頻繁に忘れがちです…
Q4.
今後の発表予定や挑戦されたいこと、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。

 

A4.
今回の展示でプロダクト作品を多く作った経緯でもある、パッケージイラストや
雑貨商品などのお仕事に携われたらと思っています。
展示で生まれたキャラクターの漫画の続きや絵本なども制作していきたいし、
アニメーションもやってみたいことのひとつです。
作ることが好きなので、ただ絵を描くだけでなく色んなものに自分のイラストを
落とし込んでいきたいと思います。

 

インタビュアー 須貝美和

亀山和明個展 「鎌倉の海へようこそ。」

今週の作家さんは亀山和明さんです。
HBでは初めての個展です。日々変化する鎌倉の海の一瞬を切り取った作品をお楽しみください。

一部展示作品はオンラインショップでもご覧いただけます。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

Q1.
亀山さんは20年もの間、グラフィックデザイナーとして活躍されたのち、
2002年に画家へと転身されました。そのきっかけは何だったのでしょうか。

また、海を描くために鎌倉へ移住されたそうですね。
その後描き続けられた鎌倉の海の作品点数は約4,200点以上にものぼります。

今回のHB個展でも海がテーマですが、
亀山さんにとって「海」とはどのような存在なのでしょうか。

A1.
まだ時代もイケイケで、昼夜逆転当たり前だったデザイナー生活から、画家に転向したキッカケは、休暇に訪れたハワイの自然でした。朝陽で目覚める。夕陽と飲むビール。真っ青な海。満天の星空。都会の中でクタクタだった僕にとって、自然と共に過ごした数日は忘れられない時間となり、この先はそんなふうに生きたいと思ったんです。
なので鎌倉に移住して、海をテーマに絵を描こうと考えたのは自然な流れだったと思ってます。
そして、いざ描き始めると海ってやつは、刻々と変わる表情、色合い、時間帯、季節、自分の心の有り様によっても見え方が変わってしまう果てしなく手強いモチーフだと気づかされたのです。
5000枚近く描いたものの、未だ満足には至らずといった所。
きっとこの先も、もしかしたら生涯追い続けるテーマなんだと思います。惚れちゃったから仕方ないんでしょうね。

Q2.
亀山さんは各地で毎年個展を開催されていますが
HBギャラリーでは初めての発表となります。
長く展示経験を積まれてきた亀山さんから見て、
HBギャラリーはどのような印象でしょうか。
今回、HBで展覧会を開催する目的などもお聞かせください。

A2.
とても使いやすい、開放的なギャラリーですね。
ギャラリー自体のファンの方も多いようなので
僕にとっての新しい出会いに期待しています!
表参道では、初の展示なので、はじめましての意味も込めて、活動初期から現在までの作品を展示してます。

Q3.
精力的な制作と作品の発表を何年も継続されている亀山さん。
続けることが一番難しいことだと思うのですが、
亀山さんの継続力の源は何でしょうか。
制作と発表を続けていくために、大切にされていることなどはありますか。

A3.
自分がやってる事、自分の作品を好きでいる事、信じてあげる事が大事だと思っています。その、根っこにあるのは、感動です。海や空の光景に感動して、表現したいと思えば、作品は生み出せる。でも感動がないと何も描けません。
僕の場合は、日々海に通って感動の種をチャージしてます。
あとはやりやすい形を見つけて楽にやる事でしょうか。苦しい事で頑張ると折れてしまうので、楽しいと思える事を楽しくやってればいいと僕は思ってます。
そのうち、気づいたら積み上がってる、、みたいなのがいいんじゃないでしょうか。

インタビュアー 須貝美和

青山功「where are u now ?」

今週の作家さんは青山功さんです。aoyamaisao.com

青山さんの初個展、心地の良い海辺の風景をお楽しみください!

Q1.
既にイラストレーターとしてご活躍なさっている印象ですが、
個展は初めてですね。グループ展と個展の違いや、初個展開催の経緯をお聞かせください。

まだ活躍しているとは思っていません。個展開催については、絵を習い始めて6〜7年がたったのでひとつの句読点みたいなものです。今回の個展で少しは自分の立ち位置とかがわかるのかなぁと思ってます。タイトルの”where are u now ?”は自分への問いかけでもあります。
 個展だとグループ展と違い自分だけの空間が出来るのでそこは嬉しいけど、責任感も感じます。
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Q2.
ゆったりと心地良い時間が流れる青山さんの作品。
実際に海の近くにお住まいの青山さんは、日常的にサーフィンもされているとのこと。
海で過ごす時間はご自身の絵にも影響があると感じますか?

自分にとって合った環境に身を置くことはすべてに大きく影響していると思います。色々な面でバランスを取れてるような気がします。
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Q3.
車やバイクなどの乗り物は複雑な形のモチーフですが、
青山さんは基本的に下描きなしで絵を描かれていますが、
絵の制作過程や、下描きをされない理由などあればお教えください。

自分の絵は色合いが淡いので、下書きをすると鉛筆の線が見えてしまうのもあるのですが、大概最初の線の方が良いことが多いので、そこは下書きより絵の具の方に取っておきたいなと思ってます。
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Q4.
青山さんの1日の生活リズムや過ごし方を教えてください!
(絵の制作時間の確保、サーフィン、etc…)

家で仕事をする日は朝起きて海を見に行きます。頭と身体が起きるのと、波のチェックのためです。潮の動きと波を見て仕事と海に入るタイミングなど考えます。
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Q5.
今後はイラストレーターとしてどのような活動をしていきたいですか?
(展示予定や最近のお仕事などもお聞かせください)
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 とりあえず今のところは大きい展示は予定無いです(少し前の絵で国内とTISの香港の展示に参加予定です)。
 今回の展示で少しでも仕事の幅が広がればいいなと思っております。
漠然としてますが、なるべく多くの人の目に触れるような媒体の仕事ができたらと考えております。
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青山さんのお優しいお人柄や、日々の海沿いでの心地よい暮らしが絵に溶け込んで
とても気持ちの良い空間となっております。明日は最終日、ぜひお立ちよりくださいませ!