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二宮由希子個展「描くひと 装うひと」

今回ご紹介するのは、2025年3月14日から19日に開催された、
二宮由希子さんによる21年ぶりの個展「描くひと 装うひと」についてのインタビューです。
新潮社のデザイナーとして数々の装丁を手掛け、
イラストレーターとしても挿絵や装画など、文芸の世界で幅広く活躍されてきた二宮さん。
今回の展示では、ご自身のキャリアを通じて出会った忘れがたい方々
—影響を受けたレジェンドたちの姿をエピソードと共に描き出されました。
会期中に訪れたお客様は皆、絵の前で足を止め、作品に描かれた人物との思い出や作品について語り合い、
自然と笑顔があふれる温かな空間となりました。
人と人とのつながりが生き生きと感じられるこの展覧会について、
二宮さんに開催の背景や制作にまつわるエピソードをお聞きしました。

 

ー二宮さんは新潮社装幀室のデザイナーとして、
本の装丁を手掛けられていることはもちろん、
イラストレーターとしてもエディトリアル方面にイラストを提供。
HBファイルコンペやTIS公募でも受賞歴をお持ちで
TISの会員でもいらっしゃいます。
デザインにイラストに、お忙しい毎日をお過ごしの中、
個展での作品発表は、実に21年ぶりだそうですね。
二宮さんが久しぶりに個展をされようと思われた理由をお聞きできますか。
何かきっかけなどがあったのでしょうか?

1番のきっかけはコロナでしょうか。
自主規制の期間中に、敬愛する方が次々と亡くなられて、
お別れ会も何もできない状況で自分の中にモヤモヤがたまっていって。
いつかわたしなりの追悼をしたいという気持ちが強くありました。
それと、数年前に友人たちと「還暦記念には何をする?」とおしゃべりしていて、
みんな「海外旅行かな」とか「音響設備を完璧にする」とか話していて、
「それならわたしは還暦記念の個展だ!」と思い、
HBギャラリーを予約しました。それが2年前のことです。

 


ー今回の個展では「描くひと 装うひと」と題し
二宮さんが愛してやまない29名の「似顔絵」と、
その方にまつわるエピソードや想いがキャプションに綴られています。
似顔絵が描かれた画面には、作品の模写も組み込まれており、
二宮さん曰く「似顔絵+似画絵」の画面構成にされた理由や背景を教えてください。

2002年に「PORTRAITS」と題した似顔絵展をHBギャラリーで開催した際、
その人選を知った当時のオーナー唐仁原教久さんから
「見る人が元の顔を知らない似顔絵は似顔絵としては成立しないんだよ」
とアドバイスを受けました。
また安西水丸さんのお別れ会の弔辞で、南伸坊さんが
「僕は好きな方が亡くなると、その人の作品の模写をするんです。
そうするとその人の絵の素晴らしさがよくわかる」
とおっしゃっていて。
作品を模写することでその人をより深く理解し、追悼することにもなるのではないか?
そして1枚の絵の中に似顔絵と、その人を象徴する作品の模写を描くのは、
見るひとにとってもよりわかりやすくなるのでは?
そう考えて今回は「似顔絵 + 似画絵」に挑戦しようと思いました。

 

二宮さんは似顔絵はこれまでも数多く制作されてこられましたが
「似画絵」は初めての試みだったそうですね。
似画絵を制作されてみて、感じたことや発見したことなどはありますか?

 

普通、作品って何もないところから形を作り出していきますよね。

「似画絵」は完成されたものを頭の中で逆再生していくような面白さがありました。
どこから描き初めて、ここは一息で、とか。
ご本人の気持ちになって完成形に近づけていくのは楽しいですが、
いくら描いても再現できないものもたくさんあって
「あー、もうムリ!」と何度も気持ちが折れそうになりました笑。

 

ーイラストレーター歴26年、デザイナー歴20年、
長きに渡り幅広く活動されてきた
二宮さんの創造の源や原動力は何でしょうか?

人との関わり、それが大きいと思います。
もちろん理想はありますが、
どんな風になりたいとかあんまり自分で決めてしまわずに
出会った人からの刺激も大切にすることで、
次にやりたいことが決まってきた感じです。
これからも人との出会いを
大切にしていきたいと思います。

 

 
インタビュアー 須貝美和

足立ゆうじ個展「今は昔の物語」

今回ご紹介するのは、2025年3月7日から3月12日に個展を開催された、足立ゆうじさんの展示インタビューです。

江戸時代の人々や風景の作品を展示してくだいました。
確かな技術によって描かれた精緻な作品にじっくりと見入るお客様もたくさんいらっしゃいました。
大学でイラストやデザインを教えながら挿絵のお仕事もされている足立さん。
お仕事の原画も展示され、見ごたえ満載の個展です。
お仕事以外の制作についてもお聞きすることができました。

会場の様子をインタビューと共にお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

ー足立さんはイラストレーターとして小説の挿絵を中心に数々のお仕事に携わり、
名古屋造形大学ではイラストレーションの授業や、
「自分にしか描けないイラストレーション」を研究する「足立スタジオ」を主宰されています。
普段は名古屋で後進の指導をされている足立さんが、
東京のギャラリーで個展を開催されようと思ったきっかけや理由などをお伺いできますか?


 

2023年の夏にゴトウヒロシさんが名古屋で個展を開催されていましてお邪魔したところから話が進みました。
名城公園駅真上に移転したばかりの名古屋造形大学の新しいギャラリーで個展がしたいと相談をいただきました。
学生にイラストレーションの今を観せる良い機会と思いましてお手伝いをさせていただいたのですが、
個展の打ち合わせを重ねていく際に逆に相談に乗っていただき次に目指すべき方向が定まりました。
歴史に興味があって時代小説の挿絵を売り込もうとしていましたところHBギャラリーで個展すべしと背中を押していただき、
翌日即申し込みを致した次第です。
普段は鉛筆画を描くのですがデジタルでの着色方法もご指南いただき今回初めてカラー作品での個展に至りました。

 

 

ーHB個展「今は昔の物語」では、
江戸時代の情緒や市井の人々をモチーフに描かれた作品を展示されています。
2022年頃から、物語の余白や行間が描けるタッチを目指して描かれているそうですが、
余白を表現するために足立さんが心がけていらっしゃることは何でしょうか。
余白を見せるために描くこと、描かないことはありますか?

 

小説や音楽は時間と共に理解が深まります。絵は一瞬で伝える力があります。
読者様の邪魔をせず、小説に寄り添える挿絵が描けたらと常々考えております。
また、作者様の伝えたい意図を正しく理解するために原稿を繰り返し丁寧に読むようにしています。
説明しすぎず描きすぎず、そしてしっかり情景が伝わる一枚を目標にしています。

 

 

ー足立さんのホームページでは
https://adachiyuji.jp/
お仕事で描かれた作品はもちろん、

人物クロッキーの数々が掲載されています。
足立さんは既に10年以上もクロッキーを継続されており
その枚数はクロッキー帳60冊にも及びます。
クロッキーを行う時間は5分ということですが
5分間で何枚も描かれるのでしょうか?
足立さんがその5分間で意識されていることや
クロッキーにおけるご自身のルール、テーマなどはありますか?

 

自分にしか描けない美しい一本の線を見つける事を目標に、週一回クロッキーを10年以上継続していまして5分で一枚を仕上げていきます。
クロッキー帳100冊描き切れば到達できると信じてコツコツ続けてるところです。一番大切にしているのは重さです。
重心をしっかりと捉えること、それから関節や筋肉のつながり、服のしわの流れを少ない線で的確に表現することを目標にしています。
単調にならないよう線に抑揚や調子をつけたり、バランスよく省略し、イラストレーターらしいおしゃれなクロッキーが描けるよう創意工夫をしています。
 

 

ー足立さんが今後挑戦されたいお仕事や、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。

 

これまで挿絵を中心に描いてまいりました。
挿絵のお仕事はスケジュールの見通しが立てやすく資料収集など計画的に進めることが出来ています。
鉛筆画は得意なのですが、苦手なことも多々ありましてその一つが着色です。
クロッキーや水彩など苦手にしていたことを苦手のままにしていてはもったいないと気づいた時からコツコツと勉強をしています。
今回初めてカラー作品に取り組んだことで少し苦手意識が薄まったような気がします。
今は本にとても興味がありまして自宅の棚いっぱいにお気に入りの本を並べています。
そのコレクションに自分が関わった本が増えるとますます嬉しくなります。
これから装丁画など本作りに積極的に関わらせていただけたら幸いです。

インタビュアー 須貝美和

 

宇都宮なお個展「唆された少女たち」

今回ご紹介するのは、2025年2月28日から3月5日に個展を開催された、宇都宮なおさんの展示インタビューです。

たくさんの作品を展示してくださった宇都宮さん。
鉛筆で描かれた作品や、鮮やかな色彩を使用した、近年制作の作品も並び、
見応え抜群の圧巻の個展となりました。
宇都宮さんが描く少女はどこか妖しげでありながら、目が離せません。
少女を描き始めた理由もお聞きしました。

会場の様子をインタビューと共にお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

ー宇都宮さんはパレットクラブのイラストコースで学ばれたことを機に、作家活動を始められたそうですね。
パレットクラブへ通われる以前は、ご自身の作品を発表することなどはされていたのでしょうか?
イラストコースで学ばれようと思われた、きっかけなどを教えてください。

 

パレットクラブへ通うまでは会社員をしていました。食品パッケージのデザインをしていたので、
仕事で絵を描くことはありましたが食べ物を描くことがメインでした。
今回の個展のような人物を描いて発表するとゆう事は全くしていなかったと思います。
コロナ禍になったときにリモートワークに切り替わり、
家にいて仕事するのであれば好きなものを描きたい・イラストレーターとか目指しても良いかも…
とゆう結構軽い気持ちで
イラストスクールを探してしました。
たまたまパレットクラブの受講生募集締め切りのタイミングに間に合ったので通うことにしました。

 

ー宇都宮さんがInstagramを始められた2020年は
クレヨンで犬の絵を描かれています。
現在のような墨と水彩を使われるようになった経緯をお伺いできますか。

 

私がパレットクラブに通うようになった時期はコロナ禍でした。
描いた絵をInstagramで発表する人が急増している印象があり、
私もたくさんの方に絵を見ていただきたい気持ちはあったので描いたらUPするようになりました。
Instagramを始めた頃の絵は課題に対して描いていたものが中心で、
相性の良い画材選びや紙選びをしていました。
自宅での作業なので手頃な画材を使いたかったというのもあり、
クレヨンや色鉛筆などもともと持っていたものを使ってざっくり描いていました。
パレットクラブに通ううちにホラーとか描いてみたら?とゆうコメントを先生から頂いて、
ホラーなら暗いイメージかなぁ〜と思って鉛筆でモノクロ絵中心になっていきました。
また、個展を開催するようになってより多く方と話したりする機会が増え、
そのなかで仕事がしたいな〜と相談すると色が使えたほうが仕事の幅が広がるよと
コメント頂いたことがきっかけで水彩や墨を使うようになりました。
描く時は使いやすさや描き心地の良さを1番大切にしているので今使っている画材に落ち着きました。

 

 

ー宇都宮さんは2022年にUltraSuperNew Galleryで初個展を開催以後、
精力的に活動され、今回は5回目の個展となりました。
HBでの個展は「唆された少女たち」と題し
少女を描いた作品を中心に展示されています。
宇都宮さんが少女を描きたいと思われた理由などをお伺いできますか?

 

初めての個展の際に、少女の抱える心情を描きたいと思ってから自主制作で描くモチーフは少女がメインです。
あとは少女にずっと憧れがあるので描いているのかと思います、もうあの頃には戻れないので…。
怖い女の子たちを描いているとよく言われますが、少女たちは私によって怖い少女を演じていて本心ではないのです。
だから彼女たちの印象は怖いよりちょっとコミカルだと自分では思ってます。
女の子って何事も演じるのが上手いので、描きたい気持ちにも繋がっていると思います。

 

 

ー宇都宮さんは文芸誌「小説トリッパー」(朝日新聞出版)での挿絵を1年間担当されました。
こちらではどのようなテーマで描かれたのでしょうか。
何かお題はあったのでしょうか。
普段の作品制作と比べて、
描く意識に何か変化はありましたか?

 

小説トリッパーの挿画のお仕事は、「抽象よりはちょっと具体的な絵で、ものや動物や植物を自由に描く」
とゆうようなテーマをいただきました。動物なんだけど動物じゃない…みたいなことだったと記憶してます。
極力人物を描かないようにして、あとは自由に実験的に好きなように描かせていただきました。
普段描く少女は思い出に浸りながら描いたり描きたい絵を素直に描いたりするのに対して
挿画は最近の出来事や散歩してる時の周りの風景からイメージしたり、絵日記のような感覚でかいたり、
アイデアスケッチを書き溜めて見返しても面白いと思えるものを描いたり、頭の体操のような感覚で描きました。
トリッパーの挿画を描くにあたってたくさん散歩してネタを探したように思います。

 

 

ー宇都宮さんの今後の展示予定や、
今後挑戦されたいこと、
絵描きとしての展望などをお聞かせください。

 

今後は4月にアートコンプレックスセンターでのグループ展への参加や6月末からは大阪で個展があります。
他にも個展がある予定なのでお知らせはInstagramをチェックしていただけたら嬉しいです。
絵を通して出会いがたくさんあると良いなと思うので、
今後も制作して発表する場を設けられるように活動していきたいです。
個展には音楽をやっている方がきてくれたのですが、
音楽に関わる仕事はしてみたいと思っているのでご縁があれば嬉しいです。
まだ挑戦はできてないんですが、絵を連作で描くことがあるので、
連作の描き方を工夫して漫画みたいに描けるように取り組んでいこうと考えてます。

 

 

インタビュアー 須貝美和

洞智子個展「春浅し」

今回ご紹介するのは、2025年2月14日から19日に個展を開催された、洞智子さんの展示インタビューです。

繊細で静かでありながら、どこか凛とした佇まいの作品は
パステルや色鉛筆で描かれており、その絵肌の美しさに驚かされます。
会場の様子をインタビューと共にお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/


ー洞さんは昨年、2回個展を開催されており、
早春に開催された作品展「桃の花」(ギャラリーつつむ・滋賀県)では春の季語と女性を、
10月には「aki-urara」(MOUNT tokyo)では
秋の季語をテーマに描かれた作品を発表されました。
今回のHB個展でも「春の季語」を選ばれていることから、
洞さんが季語に惹かれる理由や、季語の魅力などお伺いしたいです。

 

歳時記をめくると、たくさんの季語があるんですが
それぞれの言葉にそ季節の風景が思い浮かんで、
とても面白いなと思います。
3人子供がいるのですが、子育てを通しての年中行事や、地域のお祭りとか、
毎日の暮らしの中でいろんな事を次の世代へ繋いでいくんだなと感じる事があって、
そんなに堅苦しくは考えていませんが、
自分が絵を描く時も少しですが日本的なものという事を意識しています。
昨年のギャラリーつつむでの個展期間がひな祭りの時期だったので、
桃の節句だから女性と、そこに日本らしい事をプラスして表現できるものはないかなと考え、
俳句の季語が合うかもしれないなと。
実際描いてみたらすごくしっくりきて、面白いなと思いました。

 

 

ー洞さんはマスキングテープとデザインカッターを駆使し
パステルと色鉛筆で面を塗りつぶして描かれているそうですね!
以前からパステルと色鉛筆は使われていたのでしょうか。
現在のステンシルのような技法に至ったきっかけなどはありますか?

 

以前は色鉛筆だけで絵を描いてたのですが、
色むらだったり作業時間だったり、自分が描きたいものと
色鉛筆の相性があまり良くないかもしれないと思うようになりました。
いろんな画材を試したのですが、
パステルなら色鉛筆に似たような感覚で描くことができたので
それからパステルをメインにして色鉛筆と両方を使っています。
パステルの特徴のふんわりした表現でなく、シャープな線を描きたくて
試行錯誤した結果、マスキングテープを使う事に至りました。

 

 

ー展示作品「山笑う」は、
色とりどりの花が咲き、鳥が囀り、賑やかになる春の山を
女性に見立てた2枚の絵で構成された大作です。
平面的な表現は日本画の影響などがあるのでしょうか?

 

自分の描きたいものは何かなと悩んだ時期があったのですが、
日本画の美人画を見て、こんなの描いてみたい!と思って。
なのでとても影響を受けていると思います。

 

ー洞さんの今後の展示予定や、今後挑戦されたいこと、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。

 

4月8日(火)~4月19日(土)にDAZZLEさんで「装画の仕事」展 に参加します。
今後は季語をテーマにオリジナル作品も制作しつつ、
色んなジャンルのお仕事をやってみたいと思っています。

 

インタビュアー 須貝美和

HB COMPETITION PRESENTS vol.3 こみひかるこ×濵佳江二人展 「Favorite mix」

今週の作家さんはこみひかるこさん、濵佳江さんです。
かわいらしくてポップな犬やねこたち。お二人の好きなものをたくさん詰め
込んだ展示となっています!
作品はHBギャラリーのオンラインショップでもお求めいただけます。

<濵佳江さん作品>

「流星群と馬」(額付き)¥45,000-(税込)

「スターエレメント(猫/ピンク)」(額付き)¥45,000-(税込)

「ブランケットにくるまれる猫」(額付き)¥35,000-(税込)

「水辺のペリカン」(額付き)¥35,000-(税込)

「雪山の猫」(額付き)¥45,000-(税込)

「水鳥のオブジェ」(額付き)¥35,000-(税込)

「セーターにもぐりこむ猫」(額付き)¥35,000-(税込)

「FAVORITE MIX」(額付き)¥45,000-(税込)

「小さな白いねずみ」(額付き)¥45,000-(税込)

「靴下から猫」(額付き)¥35,000-(税込)

「スノーエレメント(犬/グレー)」(額付き)¥45,000-(税込)

「夜の鳥」(額付き)¥45,000-(税込)

「あなたに電話」(額付き)¥35,000-(税込)

「フルーツと猫」(額付き)¥35,000-(税込)

「今日の猫」(額付き)¥35,000-(税込)

「猫を集める」(額付き)¥55,000-(税込)

 

<こみひかるこさん作品>

「すりっ!」(額付き)¥22,000-(税込)

「ぐるぐるぐる〜」(額付き)¥22,000-(税込)

「とん!」(額付き)¥22,000-(税込)

「あたたかい夜」(額付き)¥22,000-(税込)

「うわわわ!」(額付き)¥22,000-(税込)

「秋色の毛糸」(額付き)¥22,000-(税込)

「そんなに甘くない!」(額付き)¥22,000-(税込)

「まってってばー!」(額付き)¥23,000-(税込)

「にゃ!」(額付き)¥22,000-(税込)

「いつもの場所」(額付き)¥22,000-(税込)

「チョコレートと少し苦いコーヒー味」(額付き)¥22,000-(税込)

「まだ眠いよ。」(額付き)¥22,000-(税込)

「ちょうちょう「くち」」(丸キャンバス)¥25,000-(税込)

「ちょうちょう「みみ」」(丸キャンバス)¥25,000-(税込)

「むぐ!」(壁掛けオブジェ)¥25,000-(税込)

「む〜」(壁掛けオブジェ)¥25,000-(税込)

「やわらかい朝のみじたく」(額付き)¥22,000-(税込)

 

nanako個展「とうめいな軌道」

今回ご紹介するのは、2025年2月7日から12日に個展を開催されたnanakoさんの展示インタビューです。

とても可愛らしい作品で会場を彩ってくださったnanakoさん。
イラストレーターとしてたくさんのお仕事もされていて、グッズもたくさんご用意いただきました。
見応えもあるとても素敵な展示空間にしていただき、お客様もとても楽しんでいらっしゃいました。

会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

ー岡山県在住のnanakoさんはイラストレーターとして広告、パッケージ、キービジュアルなど数々のお仕事の実績を積まれてきましたが、
東京では初めての個展だそうですね!
お仕事の合間を縫ってnanakoさんが個展を開催されようと思われた理由や、
東京での開催を決意された背景などお伺いできますか?


仕事が少し落ち着いてきて、新たな営業方法を模索したとき「個展」が浮かびました。
息子ももう中学生になるので、「1週間くらいお母さんが東京に行って来てもいいか」と許諾を取り、
会期中は実家から学校に通ってもらうことにしました。
昔から東京に憧れがあり、個展をするなら絶対東京がいい、と思って決断しました。

 

ー展示タイトル「とうめいな軌道」は宮沢賢治の詩から引用されたそうですね。
賢治の詩の中でも「とうめいな軌道」を展示タイトルとして選択された理由や、
nanakoさんが宮沢賢治に寄せる想いなどあればお聞きしたいです。

「小岩井農場」と言う詩の中に次のような部分があります。
「もうけつしてさびしくはない
なんべんさびしくないと云つたとこで
またさびしくなるのはきまつてゐる
けれどもここはこれでいいのだ
すべてさびしさと悲傷とを焚いて
ひとは透明な軌道をすすむ」
昨年祖母が亡くなり、
何度もこの詩の部分を反芻していたので、
自然とタイトルにしようと思い至りました。
賢治の童話にはカエルや猫、カニやヨダカなど小さい生き物がたくさんでてきて、意志を持って振る舞います。
わたしの絵の動物が擬人化されてでてくるのは、
賢治の影響もあるのかもしれません。

 

ーnanakoさんは
「どうぶつとひと オトナかわいい海外絵本のような世界観」
こちらをテーマにイラストを制作されています。
「オトナかわいい」はご自身で意識して目指し、
世界観のテーマにされたのでしょうか?

最初から意識していたわけではなく、絵を見たお客さまから「nanakoさんが得意なオトナ可愛い感じでお願いします」と言われるようになったので、分かりやすくていいなと思いキャッチフレーズにしました。「海外絵本」と言う言葉も、「海外の絵本みたいだね」とお客さまから言われて良いなと思いそのままつけました。

 

ー会場ではnanakoさんがイラストを手がけたスタイリングシリーズ
「kiitos loop」のパッケージが展示されているほか、
ポストカードやステッカーなど、nanakoさんのオリジナルグッズも販売されています。
nanakoさんがグッズ制作のためにイラストを描く際、
予めどのようなプロダクトに使用するかを決めてから描かれるのでしょうか?
nanakoさんがグッズ制作で大切にしていることや、
グッズを購入される方へのnanakoさんの想いをお聞かせください。

はい、ポストカードになった様子やポスターにして部屋に飾った場面を想像して描きます。
私はマルシェなどのイベントでグッズを販売することが多いのですが、普段絵を買わない方にも気軽に絵を飾ることを楽しんで頂きたいなと思っています。
なので、フレームの購入場所も明記したりしています。
目に入ったときにほっと一息つけるような、
日常に溶け込む絵を意識しています。

ーnanakoさんが今後挑戦されたいこと、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。

絵本の絵を描いてみたいです。
売れっ子にならなくていいので、
細く永く続けていきたいです。

インタビュアー 須貝美和

たざきたかなり+山田将志二人展「絵からはじまるエトセトラ」

今回ご紹介するのは、2025年1月31日から2月5日に二人展を開催された、
たざきたかなりさん、山田将志さんへの展示インタビューです。
「待ち合わせ」をテーマに、ストーリー性のある構成で作品を展示してくださいました!
作品を観るだけではなく、お二人のことを知ることができる素敵な展示で、連日盛況となりました。

会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

ー2014年にswitch box あけ/たて(横浜)で、
たざきさんと山田さんは初めての二人展
「絵からはじまるエトセトラ」が開催されています。
それから11年の年を経て、再び同名のタイトルで
HBギャラリーで二人展を開催されようと思ったきっかけや理由、
背景などをお伺いできますか?

 

(山田)
タイトルは自然と「同じがいいよね」みたいな感じですぐ決まりました。2014年のつづきというか、終わっていないような気持ちがあったので同じにしたかったです。
HBギャラリーを選んだ理由は、あまりギャラリーに詳しくないのですがHBギャラリーは絵を描きはじめた頃から知っていたのでいつかやってみたいという想いはありました。しかしその一方で2人ともなぜかHBギャラリーが似合わないというか、らしくない感じはしていました。笑 でもあえてやらなそうな場所でやったら面白いかもと思い決めました。
あとは今回のテーマは「待ち合わせ」なんですが2人が左右の壁に別れてそれぞれの1日がはじまり、最後に落ち合うという構成にしたいと考えていたのでHBギャラリーの形が理想的でした。


ー印象的なタイトル「絵からはじまるエトセトラ」にこめられた想いや、
「エトセトラ」という言葉のイメージ、
「etc.」でなく「エトセトラ」と、
カタカナ表記にされた理由などお伺いできますか。

 

(たざき)
実は山田くんには話してないことなんですが、当時POP ETC(ポップ・エトセトラ)というアメリカのバンドが大好きで、”ポップ”(大衆向け)に括られない、名前の無い何かという意味での”エトセトラ”に、自分たち2人のイメージを重ね、感銘を受けたことで拝借しました。自分の中には名前を付けてもらえない未熟者というのもその時は含まれていました笑
そんな小難しいイメージとは裏腹に、とっつきやすい言い回しにしたくてPUFFYの「渚にまつわるエトセトラ」の語感から、”絵からはじまる”という言葉が浮かびました。なので最初は大した意味はありませんでした笑
そして10年を経て、自分と山田くんは絵を描き続けてきたことで、仲間ができて、家族ができて、”エトセトラ”という言葉の意味は、自分たちの属性ではなく、2人の周りにいる(ある)様々な人や出来事という言葉の意味に変わっていきました。それはまだまだ2人が描き続けていく限り、かけがえのない”エトセトラ”は増えていくと思っています。

ーお二人の展覧会「絵からはじまるエトセトラ」は
今後も継続されるのでしょうか?何か構想はありますか?
Instagramのアカウント @paint_etc.2025
でも、展示情報やお二人の新作がアップされますか?

 

(山田)
「絵からはじまるエトセトラ」は今後巡回展をする予定です。場所はまだ決まっていないのですが……地方と2014年に2人展を開催したswitch box あけ/たて(横浜)ではやりたいと思っています。
作品は今回展示した絵を少し入れ替えて新作も加え「待ち合わせ」後の2人の物語を描きたいです。
インスタアカウントはこれからも展示情報や作品をアップしますのでフォローしていただけると嬉しいです。

 


ーたざきさんから山田さんへ
山田さんからたざきさんへ
今回の二人展に関して一言、メッセージを頂けますか?

 

(山田)
たざきくんとだからHBギャラリーでできたと思っています。2人展ができて本当に幸せです。巡回展もよろしくお願いします。

(たざき)
無事に展示が始まりましたね。巡回しながら完成に近づけていきましょう。引き続きよろしくお願いします!

 

ーたざきさん、山田さん、お二人それぞれの今後の目標や、挑戦したいこと、
展望などをお聞かせください!

 

(山田)
描きたい絵がまだまだたくさんあるのでこつこつと描き続けます。

(たざき)
映画の広告や装画、音楽関係など色んなお仕事していきたいです。いつか山田くんと一緒になにか仕事が出来ないかなぁと思っています。

 

インタビュアー 須貝美和

 

中尾正風個展「いっぱい いる」

今回ご紹介するのは、2025年1月24日から29日に個展を開催された中尾正風さんへの展示インタビューです。
走る人、座る人、枕を投げる人…様々なポーズの「人」が、
1枚の画面の中に所狭しと描かれ、訪れたお客様を魅了しました。
展覧会の様子をインタビューと共にお届けします。

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

-中尾さんは初めての個展となりますが、
これまでも圧倒的な描写力で、食べ物や風景など、
多種多様な題材を、様々な表現で描き分け、
ご自身のInstagramで発表されてきました。
今回の個展作品は、述べ2700人以上の「人」を約半年間かけて描かれたそうですね。
中尾さんがたくさんの「人」をモチーフに選ばれた理由を教えてください。

動物としての「人」が好きなんです。
人は喋りだすと嘘をついたりしますが、言葉を除外すると人の本質が見えて、動物のように見えてくるのが好きです。
どんなにカッコつけてる人や、偉そうな人も、
みんな必ずどこかにダサい部分や、隠しきれない癖みたいなのがあって、
そこが人としての最高に愛くるしい部分だと思ってます。
渋谷スクランブル交差点のライブ映像をYouTubeで観ながらお酒を飲むのが好きなのですが、
日頃から人を俯瞰で観察してることが多い気がします。

- 一見するとアナログで描かれたかのような中尾さんの作品は、全てデジタルで描かれています。
中尾さんがデジタルで人を描き込む際に意識されていることなどがあれば教えてください。

 

めんどくさいと思うところまで描き込まないことを意識してます。
デジタルは修正ができてしまうので、キリがないんですよ…。
一時期けっこうリアルな絵も描いていたのですが、神経質で細かいところまで気になる性格なので、
10時間くらい平気で描き続けてました。
それはそれでゾーンに入れる感じが楽しいし、お仕事としては大歓迎なのですが、
それだけになると知らないうちに疲弊して、長い年月は続けられないなと気づきました。
なのでオリジナル作品は自分が描いていて、「手」が気持ちいいと思うところまでで止める。それ以上は描かない。
そうやって美味しいとこ取りをしたので、今回の個展は2700人を超える数の人を描けました。
絵をご覧になったお客様には「リアル過ぎず、ゆる過ぎず、丁度いい塩梅」
というようなポジティブな感想をたくさんいただけたので、これで良かったんだなと思いました。

 

- 中尾さんはイラストレーター山田博之さんが主催される塾でイラストレーションを学ばれたそうですね。
山田さんからはどのようなアドバイスを受けましたか?
塾に通う前と後で、中尾さんの作品制作にどのような変化がありましたか?

 

山田さんのアドバイスの中で、1つ挙げると「仕事を意識するな」ということです。
僕は今まで仕事に繋がるように色々な人の絵を参考にして組み合わせながら、
「唯一無二の絵のタッチ」を模索していたのですが、
山田さんに「これ、仕事を意識して自分に嘘ついてる絵だよね」と一瞬でバレてしまって…笑
仕事を意識して他者の目を気にして絵を描くと、だんだんと辛くなっていくんですよね。
それからは、勉強という意味では全く他人の絵を見ないようになりました。
自分の描きたいモチーフを素直に描きたいように描いてます。
今は「普通だけど既視感がない絵」を目指しています。

-中尾さんが今後挑戦されたいお仕事や活動、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。

 

今後もオリジナル作品は「今描きたいもの、惹かれるもの」を描き続けていきたいので、
自分の絵から滲み出る匂いみたいなものを魅力と感じる方と出会えたら嬉しいです。
そして自分を見つけてくださった方には、お好きなように自分の絵を料理していただきたいと思っています。

インタビュアー 須貝美和

中村雅奈個展「はっぱのおどり」

年始を飾る展覧会は中村雅奈さんです。
優しい夜の草木や花々、圧巻の原画を是非会場でご覧下さい!
作品は会場でもオンラインでも販売中です!
http://hbgallery.shop-pro.jp

「ドローイング・ソテツ」(額付き) ¥75,000-(税込)

「ドローイング・バナナ」(額付き) ¥75,000-(税込)

「テッポウユリとねむる」(額付き) ¥75,000-(税込)

「タコノキのおばけ」 ¥150,000-(税込)

「東京の土にいるようせい」 ¥150,000-(税込)

「はっぱにとけていく」 ¥150,000-(税込)

「ソテツにかくれる」 ¥150,000-(税込)

中村雅奈個展「はっぱのおどり」は1/15(水)までです。(最終日のみ5時まで)
お見のがしなく!

 

本田亮個展「クリスマスはだれにでも」

今回ご紹介するのは、2024年12月20日から25日に個展を開催された本田亮さんの展示インタビューです。
厳しい冬の寒さとは対照的に、本田さんの描く温かな作品は、
心地よい陽だまりのように会場全体を包み込み、
その優しい空間で、訪れるお客様は自然と笑顔があふれていきました。

会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!

展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/?pid=184142536

 

ー本田さんは2回目のHB個展です。
前回の個展「英国のメトロに揺られ僕は見た」(2023年2月)では
本田さんが思春期を過ごされた、英国ニューカッスルを走る都市鉄道メトロでの体験や思い出を絵にされ、
直筆のエッセイと共に展示されました。

今回の個展ではこの時期にぴったりのクリスマスをモチーフにした展覧会です。
本田さんのクリスマスへの想いや、今回の個展を通して表現されたかったことをお伺いできますか。

 

今回の展示期間が12月20日から25日ということもあって
クリスマスを題材にするのは自然な思いつきでした。
私は小さい頃からクリスマスが好きで、25日の朝を心待ちにしている子でした。
大人になった今でも、変わらずこの時期は浮き足立ちます。楽しいことがある気がするんです。

ただ社会のほうに目を向けてみると、
どんな人にだって何かしらの事情があることがわかります。
クリスマスを楽しいものにしよう、という社会の気持ちは
そんな様々な事情がある人によってできあがっている気がします。

折り紙で飾り付けられたコンビニの店内も、
サンタ帽を飾ったスーパーの店員さんも、
個人的な事情などを抱えながら、クリスマスをみんなでつくっているのだと思います。

今回の展示では、クリスマスを描きつつ、でもそれより表現したかったのは、
絵の中の人物ひとりひとりの普段の暮らしだったのかもしれません。

-会場ではイラストレーションの作品と共に
絵に関連した焼き粘土による陶器の作品も展示されました。
本田さんはこれまでも陶器のような立体作品を制作されていたのでしょうか。
今回の個展で展示されようと思われた理由やきっかけはありますか。

焼き物の立体作品というのは今回はじめてでした。
今回の展示は、平面だけの作品群にしたくなくて、物として絵の内容を表現したいと思ったんです。
クリスマスだからちょっとオーナメントっぽさも演出できるかな、と。
以前HBギャラリーさんで個展をされていた、いちろうさんの絵が僕は大好きなんですが
いちろうさんが作られる陶器作品に刺激されたところもあります。

-会期中に開催された似顔絵イベントは予約が一杯となり、
大好評につき追加イベントまで開催されました。
お相手の似顔絵を15分という限られた時間で完成させるにあたり、
本田さんが意識されていることなどは何かありますか?

私のは、似顔絵とは言いつつ、お客さんの顔を描くというのではなくて
その人の好きな過ごし方や思い出をイラストにして描いております。
15分という時間は短いので、早い段階で絵の内容を決める必要があります。
当たり前ですが会話をしないと絵が描けないので、まずヒアリングをすることから始まります。
好きな時間や、幸せを感じる場面って、やっぱり日常の何でもない時が多いようです。
ただパートナーと食事をしているときや、ただ椅子に座って編み物をしている。
そういう普段の場面を選んで描くと、喜ばれることが多い気がします。
ヒアリングの中での質問でも、普段はどんなことをされているのか、
習慣や日常を教えてもらって、それをそのまま絵にすることが多いですね。


-本田さんの今後の展示予定や、
今後挑戦されたいこと、
イラストレーターとしての展望などをお聞かせください。

2025年はふたつ個展をさせていただく予定です。
毎回個展では絵を描き下ろすことにしているので、
今回も新たなテーマで表現できればと思っています。
今後は、児童書だったり、絵本の仕事を増やしていきたいと思っています。
イラストのお仕事も変わらず、これまで以上にやっていきたいのですが、
同時に、自分の名前で物語を表現したいと考えるようになりました。
文章を書いたり、文章で悩んだり、そういう時間に価値があると思うようになった為です。
子供が想像したこともないような世界を文と絵で見せたいし、
ワクワクしてもらえる作品を作りたいと思っています。

インタビュアー 須貝美和