中村隆個展「きっといい風」
今回ご紹介するのは、2024年10/18~10/23に個展を開催された中村隆さんへのインタビューです。
ボールペンで作品を制作されている中村さん。
中村さんならではの精密だけれども穏やかな作品に魅了されるお客様がたくさんいらっしゃいました。
会場では制作風景の動画が流され、じっくりとご覧いただけます。
会場の様子をインタビューとともにお楽しみください!
展示作品はオンラインショップでお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/
ー今年は3月のHOBONICHIのTOBICHI 東京を皮切りに
4月、韓国ソウルのAUGHT Books&Arts、
5月、TOBICHI京都と個展が続きましたが
数々の企画展を開催されている中で、
自らHBで個展をされることを決意されたのはなぜでしょうか?
新作で個展を、というのが自分のここ何年かのやりたいことだったので、
実はわりと他の企画展が決まるよりも先に今回の個展の予定を
自分でお願いして決めていました。
さらに言えば、まだギャラリーをお願いしていない、
前の個展の終わった後からわりとすぐに、
いつかまたやるだろうからと個展用の絵は描き始めていました。
描くのは本当に早くないので、
準備だけは早めに始めていました。
ー会場でも展示されている
中村さんがイラストを担当された「ちょっと贅沢な珈琲店®EVERBLACK®」が、
2024日本パッケージングコンテスト贈答品包装部門賞を受賞されました。
お仕事の作品もアナログで制作をされてらっしゃいますが、
納期までに作品を仕上げるために、
何か工夫などはされているのでしょうか?
展覧会のために描く絵と、お仕事で描かれる絵では、
中村さんの意識にどのような違いがありますか?
仕事では納期も制作内容もゴールがわりとハッキリしていることが多いので、
そこへ向かってできるだけまっすぐ進めていく感じのことが多いです。
オリジナルは本当に予定外のことを描きながら取り入れて、寄り道も多く、
失敗しても自分の責任だけでいいというような気持ちで描いていく感じです。
また仕事では、納期が短ければサイズを小さめに描いてそれをデータ上で大きくして使っていただいたり、
時にはパソコンのデータ上で、前に描いた絵の線や点の模様をスクリーントーン的にはめ込むことで制作時間を短くしています
、、と言いたいところなのですが、パソコンがあまりうまく使いこなせておらず、逆に時間がかかったりすることもまれにあります。
あとはラフをなるべく早く描いて、その分の時間を本番の制作時間に回すくらいです。
ー日本全国のみならず、海外でも作品を発表されており
世界中にファンがいらっしゃる中村さん。
今後はどのような活動をされていきたいですか?
中村さんの展望をお聞かせください。
絵で食べていくことが昔から展望とも言えない展望なのですが、
あまりそこは変わらないですし、仕事の依頼は今も波もあります。
でも、仕事がない時はオリジナルの制作時間と思って、
できるだけ手を止めずにやっています。
海外の仕事や、絵を描く人とのやり取りでは、
言葉の壁を超えて絵で通じ合えることは、
不思議だな、嬉しいなといつも思っていて、
これからももっとできればいいなと思っています。
あとは、見た人がほんの少しでも気分が
何か良い方に変われるのような絵を描ければいいなと思っています。
インタビュアー 須貝美和