阪口岳夫個展「深呼吸する」
今週は初個展の若手作家、阪口岳夫さんです。
鳥の羽ばたきや、崖にいるシロクマたち。
枯れ木にシマウマ。無表情の人物像。
一枚一枚にご自身で考えたストーリーが添えられています。
彩度の低い、茶系の色を中心とし、静かで不思議な世界がギャラリーを埋め尽くしました。
一枚の絵だけでもとても素敵ですが
お話を読むと、作者がどのようなイメージで制作したかが分かり
より絵に深みを増しています。
10年ほど前に大阪から上京した阪口さんは、
東京に来てすぐに青山塾、続けて峰岸塾でイラストレーションを学び
自分の世界観を模索されました。
大のヘンリー・ダガー好きの阪口さん。
以前は色彩鮮やかな女性像の絵を制作されていましたが、
イラストレーション誌「チョイス」で段々と掲載されて来た頃
「自分の絵は誰かに似ている」と感じ始めました。
「このままでは誰かの二番目だ。一番にならないと面白くない。」
そんな思いから、自分の経験した事を背景にし、絵にしようと制作。
グループ展で好評価だった事をきっかけに、今回のタッチにたどりつきました。
「このタッチは2~3年ほど前から制作しています。
以前制作していた女性の絵もとても好きですが、
今の世界観の方が自分の記憶や経験から出て来たものなので、
より『自分の絵』と認識できるんです」と阪口さんはお話します。
「どこかで見た事がある」「誰かに似ている」
お気持ちが分かる方もいるのではないでしょうか。
その過程をバネにし、制作し続ける気力は素晴らしいですね。
これからも阪口さんらしいイラストレーションを、是非見せて下さい。
阪口岳夫さんHP
http://takeo-sakaguchi.jimdo.com/
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