HB Gallery

Blog

9月2015

下谷二助の740歳展

本日から、下谷二助の740歳展が始まりました。

HBギャラリーでは、久しぶりの個展となります。

貴重な原画を展示販売しております。(額・送料込み¥45.000-)

謎掛けをして煙に巻く、魅惑の下谷ワールドをどうぞお見逃しなく!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

また会場では、貴重な著書「ニスケダイジェスト」、「下谷二助と東西南北」(各¥1.000-)

も販売中!こちらもお見逃しなく!

 

 

仲條正義個展「秋発売中。」

今週の作家さんは、デザイナーの仲條正義さんです。
HBでは昨年の11月の個展以来、約1年ぶりの開催となります。

常に第一線でご活躍されている仲條さん。
最近では、約25年間愛され続けた資生堂パーラーの
パッケージデザインリニューアルが大きな話題となりました。
https://tokyo-calendar.jp/article/4246 

そんな中、制作された今回の作品。タイトルは「秋発売中。」です!
仲條さんならではのセンスとユーモアに溢れた作品が、一堂にご覧いただけます。
すべて新作、全17点を展示・販売しております。

 

 

 

どの作品もずっと見ていたい、楽しさに溢れた1枚です。
仲條さんの、新しい画材や素材への好奇心、
未だ見ぬ景色を描く探究心が垣間見れます!

 

 

 

仲條正義「秋発売中。」は9月18日(金)まで開催中です。ぜひお立寄りくださいませ!

 

小池ふみ個展 「THEY BEGIN TO TALK / しゃべりだす記憶」

今週の作家さんは、小池ふみさんです。
一昨年にスペインで初個展をされた小池さん。日本では今回が初めての個展開催となります。
暮らしの中の何気ない風景や、季節の空気感を丁寧に掬い取ったような小池さんの作品。一枚の絵から、さまざまな物語がうかびあがってくるようです。丁寧にぬられた絵の具の筆跡は見ているだけで穏やかな気持ちに。ぜひお立寄りくださいませ!

 

 

— 今回は、どんな個展にしたいなと思いながら準備をされていましたか?

一昨年にスペインで個展をしたときは、それまで描きためたものを編集して展示をしたので、今回はできるだけ多く新しく描いたものを、と思っていました。日本で初めての個展で、私のことを知らない人がほとんどだと思ったので、特別なテーマを設けるよりも自己紹介的な展示にしたいなと思いました。

仕事で絵を描くことが増えてきて、描かなきゃいけないものや、伝えなければいけないことがある程度決まった状況で絵を描く、といった時間がしばらく続いていました。オリジナルで絵を描くことと、はじまり方が違うなと感じます。
オリジナルで絵を描くとときは、何げなく見てたものや、人から聞いた話、そういうものから絵ができていくなと思いました。展示のタイトルはそういうことからきていて、 記憶の中に留まっていたいろんなことが、ひっぱり出されて絵を作っているんだなと感じます。

 

 

— 小池さんは大学時代に、空間演出デザインという学科で勉強をされていたそうですが、そこからイラストレーターになるまでにはどのような経緯がありましたか?

その学科は、インテリアや建築寄りのデザインから、ファッションや舞台美術、アートなどの分野を含んで、幅広い意味で空間を考えているところで、在学中は色々なことをやりました。私は、暮らしを軸に様々なデザインをされている小泉誠さんのデザインのゼミに入りました。

日本の職人さんや、地方のものづくりと関わりながらデザインをする先生のもとで学び、手仕事に興味のあった私は、卒業後、憧れの職人さんがいる鞄の会社へ入りました。そこではカタログやWEBデザイン、ウィンドディスプレイなどを担当していました。職人さんの作ったものの良さを伝える仕事でした。カタログなどを作っていくなかで、写真を撮ったりイラストレーションを描くこともありました。元々絵を描くことは好きでしたが、意識していろんなイラストレーションを見るようになって、描く専門ではないけれど、自分で腑に落ちずに描いていることが多かったんです。

それからイラストレーションのことが気になり出して、MJイラストレーションズに入りました。既にイラストレーションのお仕事をしている人や、目指している人がたくさんいて、そういう世界が身近になり、やっていくうちに楽しくなりました。「コンペに出したり自分のサイトを作ってみたら?」とか「人に絵をもっと見せてみたら?」など、アドバイスしてもらったことをやっているうちに、仕事になったらいいなと思うようになりました。

峰岸先生をはじめ、長くイラストレーターとしてお仕事をされている方のお話を聞く事が面白くて、自分の技術や経験を積み重ねていき、おばあちゃんになるまでやり続けられたらいいなと感じました。鞄の職人さんも50年位働いていた方がそばにいたこともあり、手で長く仕事を続けている人はかっこいいなと思います。
職人さんの積み重ねてきた技術をそばで見ていて憧れはありました。いつか職人のようになれるように、描き続けていきたいです。

 

 

— そのような経緯があったのですね。”人に絵を見てもらう”という点では、どんなことからはじめてみましたか?

MJでは、課題をやって授業の日には20~30人の前で見せるんです。最初はためらったり、恥ずかしいんですが、みんな一生懸命やっているので、見る方も、それについて話すのも楽しいです。
ブログという形で自分のサイトを作ったことで、ネットで絵を見てもらえる機会が増えました。インターネットって広い…と言いますか、今も作り込んだサイトは作っていないのですが、Flickrなど元々ある機能を使って作品をどんどんアップするようにしました。それもMJの先輩がきっかけで知りました。

海外の人に見てもらえる機会が増えて、広い範囲で反応が出てくるようになって、海外でブログをやっている人がいくつか自分の絵をピックアップして紹介してくれました。人気のあるブログの人があげてくれたら、見る人の数が増えて反応がわかりやすいんです。見せる前はちょっと怖いけど、見せることで反応をもらえる楽しさがわかってきました。
それと同じくらいの時期に、スペインでの個展開催のお誘いの話をいただきました。HBファイルコンペも2回目の応募のときで、鈴木成一さんの賞をいただいたりと、同じ頃のタイミングで色々と絵を見てもらう機会が増えました。すごくドキドキするんですけどおもしろいです。その前後から、少しずつ仕事が来るようになったりして、3年の間に色々ありました。

 

 

— 絵の露出を増やしたことが良かったのですね。どの作品も小池さんの穏やかな空気感が出ているなと感じますが、描くときに心がけていることはありますか?

自分が絵を描くことで、気持ちいいなとか、おいしそうとか、感覚的な部分の反応をもらえるのが一番嬉しいです。何か意識しているわけではないのですが、自分が心地よい感じで描けて、見る人も心地よく感じてもらえる絵が描きたいなと思っています。日常の中でも心地よいなと思うことは、季節が変わっていくなあ、とか、夏が終わって涼しくなってきたな、とか、冬はさむいけど気持ちいいな、とか、食べ物が出来上がっていい香りがするなとか…。ささやかだけど心地のよい日常の中の小さな感動を大切にしたいです。自分はのびのび描けていないなと思うこともあります。これでいいのかな?とか、苦しくなってるときもあります。

展示の初日に、鈴木成一さんが来てくださった際に「人物の背中の部分とかあんまり描いていない感じもいいね。そういうところが気持ちいい」と言ってくださいました。「細かく描き込むのもいいんだけど、大胆なところもいいんじゃない?」と。たしかに、ちょっと力が抜けている部分と、ぎゅっとなっている時の差があるので、のびのびやれる技術のような、そういうことがうまくなりたいなと思いました。

 

 

— ざっくりとしたタッチは小池さんの新境地ですかね。そんな絵も楽しみです。これからはどんな活動をしていきたいですか?

今回はあまりテーマを設けずに展示の準備をしたので、具体的なテーマを作ったり企画的な展示もやってみたいです。ストーリーがあったりするのもいいなと思います。仕事をするなかで、人と関わりながら作りあげていくのが好きだなと感じています。展示に向けて1人でやっているのもいいけれど、色々な人と関わりながら色々な仕事をしていけたらいいなと思っています。