6月2012
今週の作家さんは、HBでは2回目の個展となる小川かなこさんです。
光村図書さんの「飛ぶ教室」の表紙の原画と描き下ろしの花の絵など
ボリュームたっぷりの展示となりました。
原画を拝見すると、ひとつひとつの線やベタ面に筆のあとが残り
フィルムの質感と重なって独特の雰囲気を醸し出しています。
アセテートフィルムにアクリル絵の具で、ガラス絵の手法を用いて制作されています。
光村図書さん「飛ぶ教室」の表紙のお仕事は、楽しそうに遊ぶ子供たちの絵が並べられています。
原画を数点制作し、その中から選んで頂くという方法で制作されていたそうです。
お披露目にならなかった絵もあり、「せっかくなので展示をしてみたらどうですか?」
というご意見から今回の展示につながりました。
発表されていない原画もとても力作です。
ブランコに乗っている少女やお誕生日会、
鉄棒遊びにかけっこなどなど。見ているだけで楽しい気分になってきます。
初日にもう一枚展示された小川さん。
向日葵の絵が納得行くものが出来ず、前日に制作されました。
ギリギリまでイラストレーションにこだわり、展示に対する意気込みを感じます。
プロフェッショナルな姿勢に感銘を受けました。
今後のご活躍も楽しみにしております。
最後にパチリ!
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2012年6月30日 2:53 PM |
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今週は初個展の若手作家、阪口岳夫さんです。
鳥の羽ばたきや、崖にいるシロクマたち。
枯れ木にシマウマ。無表情の人物像。
一枚一枚にご自身で考えたストーリーが添えられています。
彩度の低い、茶系の色を中心とし、静かで不思議な世界がギャラリーを埋め尽くしました。
一枚の絵だけでもとても素敵ですが
お話を読むと、作者がどのようなイメージで制作したかが分かり
より絵に深みを増しています。
10年ほど前に大阪から上京した阪口さんは、
東京に来てすぐに青山塾、続けて峰岸塾でイラストレーションを学び
自分の世界観を模索されました。
大のヘンリー・ダガー好きの阪口さん。
以前は色彩鮮やかな女性像の絵を制作されていましたが、
イラストレーション誌「チョイス」で段々と掲載されて来た頃
「自分の絵は誰かに似ている」と感じ始めました。
「このままでは誰かの二番目だ。一番にならないと面白くない。」
そんな思いから、自分の経験した事を背景にし、絵にしようと制作。
グループ展で好評価だった事をきっかけに、今回のタッチにたどりつきました。
「このタッチは2~3年ほど前から制作しています。
以前制作していた女性の絵もとても好きですが、
今の世界観の方が自分の記憶や経験から出て来たものなので、
より『自分の絵』と認識できるんです」と阪口さんはお話します。
「どこかで見た事がある」「誰かに似ている」
お気持ちが分かる方もいるのではないでしょうか。
その過程をバネにし、制作し続ける気力は素晴らしいですね。
これからも阪口さんらしいイラストレーションを、是非見せて下さい。
阪口岳夫さんHP
http://takeo-sakaguchi.jimdo.com/
2012年6月23日 5:43 PM |
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HBギャラリーでは2000年に初個展をし、今回で4回目の個展となる蓑島恵美さん。
普段はお勤めをし、お休みの日に絵を描くという生活。
お忙しい中でも制作をコツコツとされるイラストレーターさんです。
絵の具の塗り方、花びら一つ一つの点描の細やかさ。
蓑島さんの丁寧なお仕事ぶりが絵に現れています。
一枚の絵を、じっくりと時間をかけ、大切に描かれている事がよく分かります。
「制作をしている中でも、もちろん疲れてしまう時や作業的に楽しくない時もあります。
でも出来上がったときに、描いてよかった!といつも思えるんですよね。」
そのお話された意味が分かるような精密な描写です。
時間も労力もかかりそうな桜の花びらや魚の模様。
でも一枚の絵としてみると、とても繊細でキレイです。
小さい頃から絵を描く事が好きだった蓑島さん。
自然と美術系の学校に行きたいと思うようになりましたが、
「絵では生活が厳しいかな…」という考えのもと、文化服装学院に入学しました。
卒業後、アパレル系の会社に就職しましたが、
イラストレーターになりたいという気持ちが大きくなり、セツモードセミナーに入学。
基礎から学び、その後は積極的にデザイナーや編集者、イラストレーターに絵を見てもらい、
着々と自分のタッチを作り上げていきました。
「著名な方に見てもらうと『だめなものはだめ』とはっきり意見を言ってもらえるので
自分なりに絵の善し悪しがわかるようになっし、自分はこれだ!というものが感覚でわかるようになりました。」
ずっと長く描き続け、努力してきた方のコメントですね。
イラストレーター歴は長い蓑島さんですが、並べられたイラストレーションを見る限り
蓑島さんのペースでこれからも作り上げて行くのだと、清々しい気持ちになりました。
最近ご結婚された蓑島さん。
旦那さんもギャラリーにお越しになり、とても仲が良さそう。
ほんわか幸せな空気が、ギャラリーに漂っています。
蓑島恵美さんHP
http://minoshimaemi.com/
2012年6月16日 3:13 PM |
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HBギャラリーでは2回目の個展となるヒラノトシユキさんです。
前回の個展とは違うタッチの作品が並べられました。
作品の制作方法も実にユニーク。
まず、ざっくりと描かれたイラストレーションをスキャンし
プリントした上から描きたす、という方法で制作されています。
日頃から新しい作品を模索しているヒラノさん。
今回の作品は、お仕事でラフスケッチ(カラーのもの)を出した際
「この感じもすごくいいね」と言われた事がきっかけだったそうです。
普段何気なく出しているラフがほめられ、そこから作品を制作しました。
他にはキャンバスの上に水張りテープを貼り、
その上から描いている作品なども目を奪われます。
絵を楽しんで描いている事が、見ているだけで伝わってきます。
「試行錯誤をしながら生まれた作品が、たくさんの人に好きになってもらい、
結果お仕事が増やせたらとても嬉しいですね」とお話されてました。
そのお言葉通り、今年はHBギャラリー他に、3回の展覧会を開催予定。
次回は大阪での個展、9月10月は東京と大阪でイラストレーターdannyさんとの二人展。
今後のご活躍も益々楽しみですね。
個展名「atmosphere」は「雰囲気」という意味。
日々試行錯誤しながら描いているけど
見る人が見れば「ヒラノくんが描いた絵」というのが分かるような、
昔も今も変わらない絵を描き続けるんです、とヒラノさん。
一見、いつもニコニコしてて優しそうな印象ですが
イラストレーションに対する想いは人一倍強く持っている方でした。
ヒラノトシユキさんHP
http://www.hiranotoshiyuki.jp/
2012年6月9日 4:54 PM |
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アクリル絵の具を水彩のようなタッチで描き、
独特の爽やかな雰囲気を醸し出している小川さんの作品。
絵の具を重ねては拭き取り、また重ねて…を繰り返し、境界線もふんわりと。
やさしい色使いが小川さんの人柄を見せているようです。
お話をお伺いすると、現在の作品は試行錯誤のくり返しで出来上がったそうです。
美大の油絵科をご卒業後、デザイン会社のイラスト部に就職した小川さん。
会社では様々なタッチ、ジャンルのイラストレーションを制作するのがお仕事だったので、
退職後はバラエティ豊富なのイラストレーションを、いろんな方に見て頂いていました。
そんな中「いろんなタッチを描くより、自分の世界観が現れているものが魅力的だ」
というアドバイスをいただき、少しずつ自分の絵を模索されました。
イラストレーターとしてはキャリアも長い小川さんの作品を拝見し、
日々描き続ける事の大事さを感じました。
今回の個展は「moment(瞬間)」がテーマ。
小説の短篇集を題材に、人のいる物語の場面「一瞬」を描いています。
今の季節にぴったりな、爽やかで涼しげなイラストレーションが並んでいます。
小川メイさんブログ
http://mayll.exblog.jp/
2012年6月2日 2:04 PM |
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HBギャラリーでは三年ぶりの個展となるサイトウトモミさんです。
今までは絵の具のみで制作してきましたが
画材に慣れていくうちに作品が固くなっているような気がしていたサイトウさん。
今回は初めて糸を使う事で、うまく行かないような偶然性を期待しつつ、
それを楽しむ個展にしたかったとお話されていました。
個展を開いたことで、知らない人とお話出来たり、
様々な方たちからいろんな意見を聞けたそうです。
今回は150人以上の来客があり、名刺も沢山頂き
出会いの多い期間となりまりた、と嬉しそうにお話されていました。
普段の営業はお電話をし、アポイントを取るという流れですが
個展をしながらデザイナーさんや編集者の方とお会いし、
ファイル郵送などのお願いを自然に出来るのが嬉しい、とサイトウさんは言います。
顔を合わせながらだと「是非事務所に来て下さい」と言われる事が多いそうです。
確かに作家さん本人の顔が見えた方が安心できますよね。
人と人がお会いし、対話を楽しみながらの方が
安心感や一体感があり、営業につながりやすそうですね。
今回、雑貨を制作されている方と
「クッションにしてみるのも楽しいね」なんて言うお話もでて
今後のご活躍がますます楽しみな展覧会となりました。
サイトウトモミさんHP
http://www16.ocn.ne.jp/~tomomi2/
2012年6月1日 2:31 PM |
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