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1月2019

いとうあつき個展「Night Out」

今週の作家さんはいとうあつきさんです。初めての個展開催となりました!
夜と女の子をテーマに制作されているいとうさん。幻想的で密やかな夜の情景を、水彩絵の具とデジタルで描かれました。展示のために制作された作品集やポスターの販売も!ぜひお越しくださいませ!

 

 

2年程前から個展に向けて準備をされてきたいとうさん。伝わる絵を描くにはどうしたらいいか、悩みながらも現在のタッチに辿り着いたそうです。装画の仕事をしたいと思うようになってからは、自分で写真を撮り風景も交えて描く練習をされていたとのこと。今回の作品を描くにあたり、視覚以外の五感要素を想像してもらえるような絵になるよう意識したそうです。水彩絵具とデジタルのどちらで描くのも好きという、いとうさんの両方の表現が楽しめる展示になりました。

 

 

 

大学時代は教育学部で学ばれたいとうさん。絵は独学だそうで、在学時から作品をサイトにアップしていたことで、絵のお仕事に繋がったそうです。大学卒業後は保育士として働きながら、絵も続けていたとのこと。少しずつイラストレーターになるための準備をしていたそうです。

今回のようなタッチ以外にも、お仕事によっては描き込む絵も描いてみたいとのこと。今後も装画や広告など、幅広くお仕事に挑戦してみたいそうです!

 

山本由実個展「地図を広げる」

今週の作家さんは山本由実さんです。HBでは初めての個展開催となりました。
3年ぶりとなる山本さんの個展、今回は旅にまつわるさまざまなシーンを描かれました。深みのある色彩や版画の質感は原画ならでは。展示作品を収録した作品集『地図を広げる』の販売も!ぜひお越しくださいませ!

 

 

子育てをしながらイラストレーターとして活動中の山本さん。旅行には行けないけれど、絵で旅行をした気持ちに!という想いが今回のテーマに。ロシア、ニューヨークなど行ってみたい国の風景や、これまでの旅行の記憶を思い出しながら描いたそうです。これまで、作品はすべて版画で描いていたそうですが、今回は版画をベースに、描き足したり、切って貼ったりと、新しい試みもあったそうです。

 

 

イラストレーションのお仕事は装画や雑誌のカットが多いそうで、コンペの受賞や個展、持ち込みをきっかけに繋がっていったそうです。大好きな映画をテーマに描いたオリジナルの作品が、ザ・チョイスでADの大島依提亜さんの目にとまり、映画『ジュリーと恋と靴工場』のビジュアルを描くお仕事へと繋がったことも!
今後も本のお仕事はもちろん、広告のお仕事はやったことがないのでぜひチャレンジしたいとのことでした!

 

 

高杉千明個展「日々」

今週の作家さんは高杉千明さんです。HBでは2年ぶり2回目の個展開催となりました。
昨年は装画のお仕事でのご活躍や、ザ・チョイス年度賞大賞を受賞されるなど、ぐんと作品が広まった高杉さん。今回は描きおろし作品のほか、お仕事の原画も展示いたします。細やかなしぐさや感情の描写は高杉さんならでは!ぜひご覧くださいませ!

 

 

前回の個展では、制服姿の少女が印象的だった高杉さんの作品。今回は子どもから老人まで幅広く描かれました。高杉さんならではの視点で捉えた、日常のふとした場面。日常を描くきっかけになったのは、ある日の駅のホームで、死んでいる蝶を見つけたことだったそうです。たくさんの人が行き交い、人々の生活は続いている。けれどこの蝶の日々は終わる、そのことがふと不思議に思ったそうです。「自分が人を描く意味って何だろう」その蝶の出来事がきっかけで、命というものを人を通して描くのが好きだということに気づいたそうです。それは植物や動物を描くときも同じで、命を描きたいということ。「日々」というタイトルには、命のかたちは普通の生活だったりする、そんな想いが込められています。

 

 

2年前の個展を機に仕事を頂けるようになったと高杉さん。仕事が来ると、たくさんの絵を描くため物理的に上手くなるが、それ故に失っていくものもある、と思うことがあるそうです。それは仕事をしていない時には見えなかったものだそうです。自分の絵に対するハードルが上がり「もっとこう描きたい」「こうじゃない」といった感情がうまれ、描けば描くほど、自分の表現したいものが明確になるそうです。絵は自分を表現するツール、仕事をきちんとしながら自分のための制作を今後も続けていきたいとのこと。

これまで装画や挿絵の仕事で経験を積むことができたそうで、今年は広告の仕事にも挑戦したいそうです。今後益々のご活躍が楽しみです。