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2月2020

しらこ個展「ひとりでも楽しい」

今週の作家さんはしらこさんです。初めての個展開催となりました。しらこさんならではの穏やかな視点で描かれた日常のひとこま。iPadで制作された作品を木に印刷し展示されています。手で触れて質感を楽しめる演出も!ぜひ会場へお越しくださいませ!

「ひゅ–––ん」

「月の真下の」

ひとりでお茶をしたり、動物と戯れたり、楽しく過ごしている女の子の日常が描かれているしらこさんの作品。自然とひとりのシチュエーションを描くことが多いそうで今回のテーマとなりました。風景はご自分で撮った写真を元に描くことが多く、人物は何も見ずに描かれるそうです。デジタルで制作しているので、印刷はおもしろいものにしようと思った、としらこさん。デジタルで描く人が増え、展示も増えてきているけれど、キャンバスや紙への印刷が主流だなと感じたそう。あえてちょっと変えてみたかったとのこと。

 

「端っこの席が好き」

「ケーキセット(チーズ)」

幼い頃から絵が好きだったというしらこさん、大学時代は建築とデザインを勉強。その後、海外の技法書を読んで、風景画や色彩理論を独学で学ばれたそうです。その後はイラストレーターの木内達朗さんが講師をつとめる青山塾へ1年通われました。青山塾に入ったのは木内さんがいたから、としらこさん。木内さんがアメリカで勉強をされていたことを知り、これまで海外の本を読み勉強していたことが合っているのか確かめたかったそうです。「しらこくんに教えることはもうほとんど無い」と木内さんに言われる程、すでに技術を習得していたそう。絵の具で描く授業もあったそうですが、当時から作品の完成系はデジタルだったため、途中からは授業にiPadを持ち込み描いていたそうです。

 

「寄り道 Ⅱ」

 

「石拾い」

お仕事が増えて来たのは、1年半程前から。売り込みはほぼしておらず、依頼のほとんどはTwitterで作品を見た方からだそうです。装画や児童書、絵本のお仕事が多く、今後も本にまつわる仕事はどんどんやっていきたいそうです。もっと日本での仕事の経験を積んで、いずれは海外の仕事をやってみたいとのこと。behanceも今後もっと活用していきたい、としらこさん。今後の作品も楽しみです。

 

夜久かおり個展「遠い町」

今週の作家さんは夜久かおりさんです。HBでは約3年ぶり、2回目の個展開催となりました。どこか遠くの町の人々や生活を、丁寧に線を紡ぐように描かれました。静かで儚げな世界観が魅力です。ぜひお越しくださいませ!

 

 

どこかにある遠い町…そんなイメージで描かれた今回の作品たち。好きに描いていいと言われたらいつも描いてしまう情景、と夜久さん。その町で生活している人や通りがかりの人を漠然と描き始めたそうですが、背景や小物などの細部の描写から様々な物語が感じられます。

 

 

 

画材は主にボールペン。普段からグレイッシュな紙の色を生かして描かれている夜久さん、今回は赤色と白色をメインに描きたかったとのこと。ボールペンの細かな描写は、木版画のような表情が出るところが気に入っているそうです。

 

現在は文芸にまつわるお仕事が主だそうで、挿絵の連載は3本担当されるなどご活躍中です。これからも挿絵や装画のお仕事はもちろん、まだ経験のない女性誌や生活系のお仕事や広告のお仕事もしてみたい、と夜久さん。人の顔をもっと描けるようになりたいと新たな目標も。今後益々のご活躍が楽しみです!

 

 

きくちまる子個展「名無しの登場者」

今週の作家さんはきくちまる子さんです。HBでは初めての個展開催となりました。きくちさんは昨年末のHBファイルコンペVol.30で仲條正義特別賞を受賞された注目の作家さんです。今回の作品は岩波文庫『イソップ寓話集』のショートストーリーを題材に描かれました。明快な表現が心地良い作品です。ぜひお越しくださいませ!

 

「猫のお医者と鶏」

今回の個展では自分の世界観だけを見せるのではなく、何か題材を元にして表現したかったときくちさん。今回題材にされた岩波文庫の『イソップ寓話』は、人間だけでなく、動物や植物、モノなどが主人公となって会話をするユニークな短い物語が多数収録されています。人間が頂点ではない、それぞれが並列して存在する世界がいいなと感じ、題材に選ばれたとのこと。

 

「鼬と鑢」

 

「太陽と蛙」

PALETTE CLUB、SIS(山陽堂イラストレーターズ・スタジオ)でイラストレーションを学ばれたきくちさん。PALETTE CLUBに入った当時はなんとなく絵が描きたいという気持ちだけだったそうですが、安西水丸さんの授業を受けたことでイラストレーターという仕事を意識するようになったとのこと。水丸さんにもっと絵を見てもらいと思い、山陽堂で開かれていた水丸さんが講師をつとめるSISへ通い始めたそうです。

ここ数年はイラストレーションにこだわらずに、自分で作りたいものを作って過ごしていたとのこと。やっぱり線をひくことが好き、ときくちさん。味わい深い線が魅力です。

 

「榛」

「ナイチンゲールと蝙蝠」

 

「病気の鹿」

HBファイルコンペでは、植物画と線画のユニークな組み合わせが仲條さんの目にとまりました。植物のスケッチをたくさん描いていた時期で、このスケッチを使って何か作品を作りたいと思ったことがきっかけだったそうです。実験的に作っていたものだけれど、自分でもとても良いなと思ったものだったので賞に入り嬉しかった、ときくちさん。デジタル作業だったため、仕上げなきゃという気持ちが無く、遊ぶように絵を作れたことが良かったのかもしれないとのこと。

 

きくちさんが絵と題字を手掛けられた本のお仕事。

夢は子どもたちに見せる仕事をすること。絵本作家・井上洋介さんの絵を見た子どもがゲロを吐いたというエピソードがお好きだそうで、それくらい感受性の強い子供たちにとって、絵はすごく大事なものだなと思ったそうです。そんな子供たちに衝撃を与えるような絵を描きたいとのこと。商業に寄せず、子ども用としてではなく何かを作ってみたい。そういう人とお仕事がしてみたいそうです。そしてずっと描くことを続けていきたい、ときくちさん。

7月にはHBで特別賞6人展も開催。また新たな試みをしたいとのこと!こちらもお楽しみに!

タテヤマフユコ個展「一族」

今週の作家さんはタテヤマフユコさんです。HBでは初めての個展開催となりました。
頭の中に浮かぶイメージを日々アウトプットされているタテヤマさん。「一族」と題された今回は、色鮮やかな世界の中でさまざまな生きものたちが楽しそうに暮らす様子が描かれています。巨大な家系図を描いた新作も見どころです!ぜひお越しくださいませ!

「みんな家族」

血がつながっていてもいなくても、共に暮らせばみんな家族。そんな風に考えるようになったのは、昨年上京してひとり暮らしを始めたことがきっかけでした。ひとりで暮したことで「人は誰かと共有し一緒に暮らすことで安心感や温かみを感じているんだ」と気づき、共に楽しく暮らす幸せな生き物たちをテーマに描かれました。古代の生き物を感じさせるヘンテコな生き物など、じっくりと見入ってしまう不思議で可愛いキャラクターたち。

 

「夜明けを共に過ごす」

「光がすき」

イメージはすぐに頭の中に浮かんでくるそうで、絵や言葉など普段から書き留めているというタテヤマさん。どうしてこんな構図が浮かんできたのか、自分でも不思議に思うことがあるそうです。色はスケッチの段階でコピックを使って着色。その後、絵の具で描き進めていくとのこと。その絵がボツになるのか、発表できるものなのかは最後まで描き終わらないとわからないそうです。

 

「野原の一族」

「ワニと少女」

「おでかけ」

年に数回、個展やグループ展で作品を発表し、精力的に活動されているタテヤマさん。平面作品以外にも、立体作品やオリジナルグッズなど、どれも楽しそうに作られているのが感じられます。イラストレーションのお仕事はこれからだそうですが、ショッピングモールのビジュアルなど、空間演出に興味があるそうです。絵本作りにも挑戦したいとのこと。今後の作品も楽しみです!