HB Gallery

Blog

11月2014

仲條正義個展「CATS」

今週の展覧会は、HBギャラリーで毎年開催されるココファームワイナリーさんとの企画展、収穫祭です。
ワインラベルの制作を
イラストレーターさんにお願いし、それに伴い展覧会を開催して頂きます。

今年の作家さんは仲條正義さんです。
HBでの仲條さんの展示は、「LOST AND FOUD」以来約1年ぶりとなります。
今回のテーマはネコ。仲條さんらしいアイデアに富んだ、ユニークな作品ばかりで
これまでに見たことのない、驚きと楽しさに溢れています。
収穫祭のために描き下ろされた新作イラストレーション、全20点を展示・販売しております。

 

 

 

おとなしいネコ、今にも飛びかかりそうなネコ、色っぽいネコ…
画材もタッチもさまざまな、表情豊かなネコたちです。
ひとつのテーマから、こんなにもユニークな作品を生み出すことのできる
仲條さんのパワフルさには、ただただ圧倒されます。

 

 

 

ココ・ファーム・ワイナリーさんで販売されている、
仲條さんラベルの「収穫祭記念ワイン」は下記リンクよりお求め頂けます。
とても飲みやすく美味しいワインです、ぜひお試しください!
 

白ワイン http://cocowineshop.com/SHOP/SBB-2572.html
赤ワイン http://cocowineshop.com/SHOP/SAB-2570.html

浅妻健司個展「髭と猫」

今週の作家さんは浅妻健司さんです。HBでの個展は約6年ぶりとなります。
今回は『吾輩は猫である』を執筆していた頃の夏目漱石をテーマに、さまざまなタッチで
表情豊かな浅妻さんらしい漱石像が描かれています。
普段のお仕事とは違ったタッチの作品もあり必見です。お見逃しなく!

 

 

— まずは今回のテーマについてお聞かせいただけますか?

何かしら、自分にゆかりのあるものをテーマにしようと考えていて、
自分の勤め先がある早稲田に住んだ人物、ということで夏目漱石を選びました。

— 今も漱石にちなんだものなどが残っているのですか?

駅の脇に「夏目坂」は、この辺りの名主だった漱石のお父さんが名付けたそうです。
「喜久井町」という町名も、夏目家の家紋が由来になっています。

 

 

— 『吾輩は猫である』を執筆していた頃は、浅妻さんにとって印象的な出来事が多かったのでしょうか?

当時、大学の先生だった漱石は、作家を生業にしたいと考えていました。
なので「吾輩は猫である」執筆は漱石にとって、嬉しく楽しい作業だったんじゃないかなと思います。
絵にするのに、神経質で精神を患っている暗い漱石よりも、創作を楽しんでいる漱石を描けたらなと思って、
「猫」を執筆していた頃にテーマを絞りました。

 

 

— ほのぼのとしていてかわいい漱石ですね。
今回、いろいろなタッチで描かれているように見えるのですが画材は何を使われていますか?

アクリルガッシュや、ボールペン、マッキーなど文房具のペンです。
気軽に使えて、リラックスして描ける画材を使っています。
面白そうな画材を見つけたら試してみるようにしています。

 

 

— 今回、6年ぶりの個展開催ですが、展示してみてよかったなと感じたことはありますか?

作品を作っていく過程で色々な発見があって、それが良かったです。
またテーマについて色々調べものをしたのも、良い経験になりました。
漱石は、絵を描くのも見るのも好きでしたし、自身で装丁をした『心』に「ars longa, vite brevis.(芸術は長く、人生は短いと訳すようです)」という言葉を掲げたように、漱石は普段から、芸術や創作はどうあるべきか考えていたんじゃないかなと思うので、そういう姿勢を自分も見習わなきゃなと思いました。

 

 

— 最後に、今後の活動目標をお聞かせください。

20年近く前に、唐仁原さんに「長く続けていきなよ」と言われたのもあって、そうあるのが目標です。
長く続けるためには、自分自身にも、人にも飽きられないようにしないといけないなと思うので、少しずつでも進化していきたいです。

ファイルコンペ、直接搬入について

HBファイルコンペの搬入はいよいよ今週末、
前日に確認する事&搬入日の手引きを作りました。ぜひご確認下さいませ!

 

 

赤池佳江子個展「アジェのレンズ」

今週の作家さんは赤池佳江子さんです。HBでは3年半ぶり、5回目の個展となります。
元HBスタッフの赤池さん。現在は地元の金沢でイラストレーターのお仕事を続けられています。
今回の作品は、20世紀初頭に、古きパリの街並みを撮り続けた写真家、ウジェーヌ・アジェをテーマに
すべて墨一色で描かれました。掛け軸での展示も新鮮です!ぜひお立寄くださいませ!

 

 

— 今回はどうしてモノクロで描かれたのですか?

普段描くときに、色を使いすぎているなと感じていて
次の個展はどうしよう…と思っていたときに、たまたま唐仁原さんにお会いする機会があり
「次はモノクロがいいんじゃない?」と、ぽんっとアドバイスをいただきました。
最初の個展もモノクロだったので、初心にかえる気持ちで描きました。
墨の配分を考えたりするのが楽しかったです。

 

 

— 今回はなぜアジェをテーマにされたのですか?

パリへの憧れがあったのと、この時代がすごく好きで
アジェの写真集も持っていて好きだったこともあり、この人をテーマに描こうと思いました。

— パリにも実際に行かれたんですよね。

以前個展でユトリロをテーマに描いたときは実際に行った事はなく、資料を元に想像で描いていたのですが
1度は行かなければ!と思っていました。実際に行ってみると、写真で見た建物があったり、パリの空気を吸えたのがよかったです。今回描いたムーランルージュへも行ったのですが、トップレスの女性が踊っていたりして、想像と全然違いました…。

 

 

— 作品からも好きな気持ちが伝わってきますね。
掛け軸の展示もおもしろいです。和と洋が組み合わさっていて新鮮ですね。

掛け軸も唐仁原さんのアドバイスです。
和洋折衷でとアイデアをいただきました。和紙に描くのが難しいと思ったので、シルクスクリーンの刷れる工房を借り、そこへ通って制作しました。和紙は金沢の石川まゆみさんという方が漉いている、二俣和紙を使用しています。

— 原画と思うくらい綺麗な刷りですね。
アジェの長い生涯を描くにあたり、描くシーンはどのように選ばれたのですか?

まず年表を作って、この場面を描きたいなというシーンを書き出していきました。
子供の頃の写真はなかったので想像で描いたり、アジェの撮った写真を参考にしたりして描きました。

 

 

— 赤池さんの絵はどんな媒体で使ってもらうことが多いですか?

文芸誌や、きょうの料理、主婦雑誌やファミリー向けの雑誌が多いです。

— 地元の金沢でもご活躍ですが、お仕事の割合は東京と比べてどうですか?

6割が東京、4割が金沢くらいです。金沢の看板やイベントのチラシのデザインや、
金沢の新しい郷土玩具「てるてる」という桐の木地に絵付けしたりもしています。

 

 

— 地元に戻られてから売り込みなどはされたのですか?

売り込みはしなかったのですが、せまい地域なので1人とつながれば、次々とつながるような感じで
イラストレーターもあまり多くないので、お声掛けいただくようになりました。

— 今後やってみたいお仕事はありますか?

映画のチラシにイラストレーションを描くお仕事をやってみたいです。
映画のエンドロールに自分の名前がのったらいいですね。これからも、細く長く続けていけたら良いです。