7月2018
HBファイルコンペvol.28の受賞者展、第4週目は副田高行賞大賞に選ばれた西山寛紀さんです。
昨年の初個展から、約1年ぶり2回目の個展開催となりました。色とりどりに綴られた、心地よいふとした瞬間を切り取った日常のワンシーンをお楽しみください!
今回展示されたのは、昨年4月に開催された個展「PARTS OF DAYS」から、地続きで描いていたテーマを発展させた作品たち。朝起きて窓から差し込む光だったり、いつものコーヒーを飲んだり、単純なデスクワークをしたり…と、ありきたりな普通のことが絵を通すことでまた生き生きと見えてくる。それらがどういう色と形で視覚化できるのかを探っていったそうです。西山さんご自身にとって、絵を見る喜びや描く喜びは生きていくことにフィードバックし生活を生き生きとしていくものであり、循環していくものだと思ったそうです。日常を肯定する日常讃歌であり、晴れた日の季節の匂いなど、些細なことが絵を描く動機になるとのこと。
よく深夜にサイクリングをするそうで、夜ならではの光と影の見え方に、昼間には見えてこなかった形が浮かびあがる面白さがあるそうです。想像力がかきたてられ、絵にインスピレーションを与えてくれるとのこと。今回の新作にも深夜のサイクリングから生まれた作品があるそうです。
コンペは3回目の応募。テーマは変えずに前回応募した作品からイメージをふくらませ、新旧混ぜた作品をファイリングされたそうです。同じ作品でも、別の1枚があいだに入ると何か違った作品に見えることから、連動を確かめながら順番を考えたとのこと。受賞するとは全く思っていなかったそうです。前にウケたからこれを描けばいいという気持ちではなく、今から描こうとしているものに対していかに自分が新鮮に感じているか、発見があるか、そこを大事にしないとダメ、と西山さん。その実感があると次のトビラが見えてくるのだそうです。
今年の春頃からお仕事の依頼が来るスパンが短くなってきたそうで、お忙しい日々が続いているとのこと。ライフワークとして描いていた絵が、日常をテーマにしたクライアントのお仕事に繋がったことが特に嬉しかったそうです。
今後も自分が素敵だなと感じるものに関わっていきたいと、西山さん。特に音楽、生活、ファッション…など日常に寄り添って心を活気づけるもの。また、いい活動をしている人たちのことを、視覚的な面でハッとするもので広く人に伝えたい、そんな想いもあるそうです。描きたいという気持ちの前に、まずは色々なものを知りたいという気持ちが強いそうで、素敵なものを見てうっとりする気持ちや、それらを肯定する気持ちから絵が生まれ、結果的に絵を描いている、と西山さん。出会ったもの、これから出会うものが今後の西山さんの絵に影響していくようです!
2018年7月30日 4:50 PM |
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HBファイルコンペvol.28の受賞者展、第3週目は永井裕明賞大賞に選ばれた矢野恵司さんです。
初めての個展開催となりました。TIS公募展でも大賞を受賞するなど注目の作家さん!
ファイルコンペでは顔のシリーズで見事受賞、そこから発展した全身シリーズや時代ものを描いた新作をお楽しみください!
1年半ほど前から顔のシリーズを描きはじめたという矢野さん。手描きで描いた後、パソコンに取り込み加筆。その絵を出力した後また加筆し…と、最終形にいたるまで何度も作業を繰り返すそうです。何かひっかかりのある顔になるよう、眉を無くしたり髪型を変えたりしていくうちに、はじめに描いた顔からは離れていくとのこと。どの顔もモデルがいるそうですが、完成時には別の表情や人格があらわれ、実在はしないけれど、どこかで出会ったことのあるような不思議な存在感があります。
幼い頃から絵を描くのが好きで、画家のおじいさまが開いていたデッサン教室で絵を学ばれていたそうです。名画を見せてくれたり、夜中に一人で絵をコツコツと制作している姿を見て「自分もいつかこうなりたい」という憧れの気持ちがあったそうです。大学は東京藝術大学へ進み、彫刻や解剖学を研究。学生時代から描きたいものはたくさんあったそうですが、技術が追いつかずジレンマがあったそうです。卒業後は任天堂へ就職し、キャラクターデザインや3Dモデリングを担当。そこでさまざまなツールを学び、技術面がついてきたことが現在のタッチに繋がるきっかけになったそうです。
能や歌舞伎、仏像がお好きな矢野さん、学生時代は能面を作っていたことも。矢野さんの絵に通ずる、左右対称や無表情なところ、焦点を少しはずし鑑賞者と目を合わせないようにしているところなど、技術面で参考にしているそうです。造形的なその人らしさだけを抽出することで、顔の形の面白さや、おかしさを見てもらいたいという想いがあるそうです。
イラストレーションのお仕事も少しずつ増えている矢野さん。興味のある時代物や、ファッション関連のお仕事もぜひやってみたいそうです。ふだん描かないものも、お仕事で描いてみると絵の幅が広がり喜びがあるとのこと。今後、幅広い分野でのご活躍が楽しみです!
2018年7月21日 7:23 PM |
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2016年10月よりスタートしました「HB塾」
第5期生の募集がはじまります。
この塾は、イラストレーターとしての扉を開けながらも、
入り口で立ち尽くしている人のためのスクールです。
今期より1年間でじっくり学べる授業内容になりました。
次のステップに進みたいという方々、ぜひご応募ください。
応募期間:8月1日(火)〜9月2日(日)
参加をご希望の方は、
下記応募申込書と作品ファイルを同封の上ご応募ください。
※画像クリックで拡大・ダウンロード用データにジャンプします。
お問い合わせ
HBスタジオ 藤井
hbc@viola.ocn.ne.jp
2018年7月20日 3:45 PM |
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HBファイルコンペvol.28の受賞者展、第2週目は藤枝リュウジ賞大賞に選ばれた平井利和さんです。
HBでの個展は今回が3度目。平井さんの念願だったという大賞展、作品数や熱量はこれまで以上のものになりました!お見逃しなく!
蚤の市などで売られている、海外や日本の古い写真をコレクションにしているという平井さん。見ず知らずの家族写真や、ポートレイトに想いを馳せて描いたという今回の作品たち。版画やペイントを駆使しさまざまな情景を描かれました。コンペへ応募するにあたり描いた未発表の作品も展示しています。さまざまな技法にチャレンジする姿勢や、コンペで賞をとりたいと思っていた時期の熱い気持ちの感じられる作品、受賞後に描いた晴れ晴れしさを感じる新作たちも!偶然の技法から生まれるタッチの面白さもあったそうです。会場では資料となったコレクションの写真の数々もご覧いただけます。
ファイルコンペへの応募は、今回が4回目だったという平井さん。ファイル作りは、最後までリズム感やページ構成などに力を入れたそうです。応募作20点を選ぶまでに50点近くの作品を描き、そこから選んだとのこと。受賞の電話が来ず、あきらめモードだった日の翌日、藤枝リュウジさんの大賞受賞の電話が。思ってもみなかった藤枝さんからの高評価に驚いたそうです。
今後は国内のみならず、海外からのお仕事もぜひ受けてみたいと平井さん。今後のご活躍にも注目です!
会場では缶バッチやアクリルキーホルダー、Tシャツ、トートバッグなどオリジナルグッズも多数販売中! ぜひお越しくださいませ!
2018年7月14日 7:48 PM |
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今週からファイルコンペvol.28の受賞者展が始まりました!
7月6日から8月29日まで、受賞者の作品を展示致します。第1週目(7/6(金)-7/11(水))は、特別賞に輝いた受賞者6名によるグループ展です。6人それぞれの個性が光る展示をどうぞお楽しみください!
日下潤一特別賞 / 吉岡里奈
副田高行特別賞 / 坂之上正久
藤枝リュウジ特別賞 / 町田かおる
鈴木成一特別賞 / 武井智子
永井裕明特別賞 / 高寄尚子
仲條正義特別賞 / 町田七音
受賞者のみなさんと審査員の鈴木さん、永井さん、日下さん。
永井裕明特別賞 高寄尚子さん http://www.yorimichi.com/
鈴木成一特別賞 武井智子さん http://awai-123.tumblr.com/
副田高行特別賞 坂之上正久さん http://sakanouemasahisa.watson.jp/index.html
藤枝リュウジ特別賞 町田かおるさん http://kaokinawa-blog.tumblr.com/
仲條正義特別賞 町田七音さん http://nanairomachi.com/
日下潤一特別賞 吉岡里奈さん https://rina-yoshioka.jimdo.com/
HBファイルコンペVol.29の募集もはじまりました。
今年の小冊子イラストレーションは藤井紗和さんの描きおろしです!
応募要項・小冊子はギャラリーで配布しております。ギャラリーでのお申し込みも可。
http://hbgallery.com/compe.html
↑こちらのリンクからダウンロードもできます。今年もたくさんのご応募、お待ちしております!
2018年7月7日 12:06 PM |
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今週の作家さんは川央ヒロコさんです。HBでは初めての開催です。
川央さんならではの穏やかな視点で切り取った何気ない日常のシーンを描かれました。丁寧な描写と独特な空気感が美しい作品です!ぜひお越しくださいませ。
“透間”には、建物と建物の間から見える風景という意味があるそうです。今回描いた作品も、川央さんが実際に見た風景や、見たモノ同士を組み合わせて描かれました。ほんのちょっとしたこと、たいしたことないことを描きたい、そんな想いがタイトルに込められています。タイトルの『日常の透間』は川央さんの言葉遊びからうまれた言葉。
元々は舞台衣装に興味があり、お仕事もされていた川央さん。ファッション画をもっと勉強したいと思い、セツ・モードセミナーへ通います。映画も大好きで、石川三千花さんの映画イラストコーナー『シネマ通信』を見ていたことで、イラストレーターへの憧れもあったそうです。当時は「自分には目指せる職業じゃない」と思っていたとのこと。しかし、セツへ入ってみると、ほとんどの人がイラストレーター志望だったことから、「自分にも目指せる職業なのかもしれない」という意識へ変わったそうです。卒業後もやっぱり絵が描きたいという想いが強く、アルバイトや契約社員をしながらさまざまなコンペや企画展へ参加。2014年に「ロバミュージアム」へ参加し、出品した作品が宇野亜喜良さんのチョイスに選ばれました。評価してくれる人がいるんだと思い、これでいけるのかも!と思えたそうです。2016年には個展「こんな犬を見た。」を開催、その作品を玄光社のチョイスへ応募し、及川賢治さんの審査で入選を果たします。少しずつ自信を持てるようになり、イラストレーターへの道を歩み始めています。
新聞連載の挿絵を担当し、ご両親に見てもらうことも夢のひとつ、と川央さん。ひとつの物語にずっと関われるということも、やってみたい理由だそうです。本の装画も描いてみたいとのこと。今後の作品も楽しみです!
2018年7月1日 3:25 PM |
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