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7月2019

永井裕明賞 與畑春花個展「then」

HBファイルコンペvol.29の受賞者展、第4週目は永井裕明賞大賞に選ばれた與畑春花さんです。初個展となりました。
女の子のするどい視線とユーモアのある色とカタチ。思い思いに描かれた與畑さんの世界観をお楽しみください!

「少女2」

今回がHBファイルコンペ4回目の応募だったという與畑さん。1冊を作品として見せるファイル形式のコンペが自分には合っているのではと思い応募されていたそうです。画材はシャープペンシルと色鉛筆。これまではインクや木炭でドローイングを描いていたそうですが、ご自身でも今回のタッチが一番しっくりきたとのこと。電話で受賞の知らせを聞いた時はとても嬉しかったそうです。ただ好きで続けてきたので、いい結果が出て良かったなと感じたそうです。でも喜びはつかの間、このタッチになったのが浅かったため不安に駆られたとのこと。

 

「おもい」

「ふと」

 

その時に描きたいものを、描きたいように描いて来たという與畑さん。頭に浮かんでいるイメージをすぐに描ける画材が合っているそうで、油彩や水彩は難しかったそうです。本や音楽からインスピレーションを受けることが多く、イメージが浮かばない時はいっさい描かず、浮かんだ時に衝動的に描きたいと思い描くとのこと。 線が好きという気持ちは一貫していて、自分なりに大事に育ててきたつもり、と與畑さん。余白に最初にのせるときのインクの始まりが好きなのだそう。線を描けば、自然と色が浮かんでくるとのこと。昼間はお子さんと一緒にお絵描きをしながら色塗りをして、夜は集中して線画を描くそうです。下書きなしの一発勝負、ドキドキを楽しんでいるそうです。

 

「No.2」

本がお好きだそうでNADiffやABC六本木店で、長い間書店員として様々な本に触れてきた與畑さん。出版業界を盛り上げたいという想いはずっとあるとのこと。制約があるようで、こんなにも自由に表現できるんだと、たくさんの本を見て感じてきたのだそうです。イラストレーションのお仕事は何でもやってみたそうですが、やはり一番の目標は本の装画を描くこと。デザインして頂くことで、がらりと変わった自分の絵を見てみたいし、自分の絵の可能性を見てみたい、と與畑さん。今後のご活躍が楽しみです!

「Life」

副田高行賞 坂之上正久個展「顔色模様」

HBファイルコンペvol.29の受賞者展、第3週目は副田高行賞大賞に選ばれた坂之上正久さんです。初個展となりました。
一昨年は特別賞を受賞された坂之上さん、昨年はがらりと作風を変え見事大賞に選ばれました。無表情な顔からは様々な想像が広がります。原画のユニークなマチエールもお楽しみに!

 

 

前回がHBファイルコンペ8回目の応募だったという坂之上さん。大学生の頃から様々なイラストレーションのコンペに応募されていたそうです。前回、特別賞を受賞できたことで、これまで以上に絵の仕事をしてみたいと思ったとのこと。装画への憧れがあったことから、書店へ行き様々な本を見て研究されたそうです。人物の絵が多かったことから、自分なりに描くことのできる人物画に挑戦してみようと思い、今回の作品に辿り着いたそうです。

 

ファイル作りで意識したことは、群像画や上半身、全身、横構図の絵を入れるなど、ページを開いていく間に変化があるように工夫されたとのこと。ページを開くごとに、モチーフの人数が増えてまた戻る…といったリズムも意識されたそうです。他にも明るく前向きな気持ちになるような絵を描こうと意識されたとのこと。モデルは居らず、何も見ず想像で描くそうです。

 

 

今後も小説の表紙を目指します、と坂之上さん。のびのびとしたタッチが見る側の気持ちをほぐしてくれるような作品たちでした!ぜひお越しくださいませ!

 

 

日下潤一賞 
 上山拓次個展「ハレとケ」

HBファイルコンペvol.29の受賞者展、第2週目は日下潤一賞大賞に選ばれた上山拓次さんです。
昨年、7回目の応募で見事大賞受賞となりました。黒い影には何が描かれているのか…ぜひギャラリーでご覧いただきたいです。上山さんの初個展、ぜひお越しくださいませ!

今回のテーマは「ハレとケ」。民俗学の用語で行事や祭事の「ハレ」とそれ以外の普段の生活「ケ」、日常と非日常をひっぱり出して作品にしようと思った、と上山さん。奇妙なタッチを生かせるモチーフを選ぼうと意識されたそうです。統一的なトーンが嫌だったそうで、ハレとケ、2つの属性が混ざっているモチーフを描いたとのこと。

 

 

 

応募したファイルの作品は、描いた絵を古いコンパクトデジカメで撮影し加工したもの。予想していない色や変な色を拾い、色調を変えるなどして実験的に制作していたものだったそうです。1枚1枚で完結するのではなく直接的ではない、見えないストーリーが出てくるような、ファイル全体で伝わるような絵を目指したそうです。怖くも見えるし、普通にも見える、どこにでもあるものにも見えるように描いたとのこと。自分の中では形が一番重要で、一番の問題、と上山さん。

 

愛知県にお住まいの上山さん。学生の頃からHBファイルコンペに応募されていたそうで、コンペに出し始めたきっかけは、予備校時代の先生でイラストレーターの杉山陽平さんが仲條正義賞を受賞されたことだったそうです。杉山さんも形にこだわる作家さん、上山さんが10代の終わりにとても影響を受けた方なのだそう。昨年の応募でダメだったら最後にしようと思っていたのでラッキーだった、と上山さん。
今後やってみたいお仕事について伺ってみると、「今の作風でできること、イラストレーションとしてどう見えるのか知りたい。 イラストレーションにならないのだったら、この絵は辞めてもいいと思っている」と上山さん。上山さんの探究心を垣間見る作品たちでした!今後も楽しみです。

HB塾第6期生 募集のお知らせ

2016年10月よりスタートしました「HB塾」、第6期生の募集がはじまりました。

この塾は、イラストレーターとしての扉を開けながらも、
入り口で立ち尽くしている人のためのスクールです。
次のステップに進みたいという方々、ぜひご応募ください。

ご参加をご希望の方は、内容をよくご確認の上
ご応募くださいませ。

※クリックで拡大・ダウンロード用データにジャンプします。

(デザイン・イラストレーション: HB STUDIO 藤井紗和)

 

お問い合わせ

HBスタジオ 藤井
hbc@viola.ocn.ne.jp

特別賞展 特別賞6人によるグループ展

今週からファイルコンペvol.29の受賞者展が始まりました!
7月5日から8月28日まで、受賞者の作品を展示致します。第1週目(7/5(金)-7/10(水))は、特別賞に輝いた受賞者6名によるグループ展です。6人それぞれの個性が光る展示をどうぞお楽しみください!

日下潤一特別賞 / 小沢信一
副田高行特別賞 / 小山義人
藤枝リュウジ特別賞 / 丸山礼華
鈴木成一特別賞 / おぎわら朋弥
永井裕明特別賞 / あおい陽子
仲條正義特別賞 / 黒﨑威一郎

 

受賞者のみなさんと、審査員の鈴木成一さん、日下潤一さん

 

日下潤一特別賞 小沢信一
さん http://shinichi-ozawa.com/

 

鈴木成一特別賞 おぎわら朋弥さん https://ogiwara-tomomi.jimdo.com/

 

副田高行特別賞 小山義人さん https://www.yoshito-koyama.net/

 

藤枝リュウジ特別賞 丸山礼華さん https://ayaka-maruyama.com/

 

仲條正義特別賞 黒﨑威一郎さん https://iichiro-kurosaki.jimdosite.com/

 

永井裕明特別賞 あおい陽子さん https://instagram.com/aoi_yoko.03?igshid=3of901su1yvl

 

 

HBファイルコンペVol.30の募集もはじまりました。
今年の小冊子イラストレーションは一乗ひかるさんの描きおろしです!
応募要項・小冊子はギャラリーで配布しております。ギャラリーでのお申し込みのほか、
PASS MARKETからのお申し込みも受付しております!

今年はもう1種類のコンペ、「HB WORK Vol.1」もはじまります!
審査員は川名潤さん、岡本香織さん、尾崎行欧さんの3名です。

http://hbgallery.com/compe.html

↑詳細はこちらから。たくさんのご応募、お待ちしております!