HB Gallery

Blog

4月2022

HB WORK COMPETITION VOL.4 応募要項ができました

HB WORK VOL.4の応募要項が完成!
表面は当コンペの受賞から繋がったお仕事の一部を掲載、川名潤さんにデザインして頂きました。
次回は新しい審査員として新潮社の黒田貴さんが加わります!
沢山のご応募お待ちしております! http://hbgallery.com/compe.html

 

 

HB WORK Competition vol.2 Exhibition

今週はHB WORK Competition vol.2の受賞者展によるグループ展です。
新作を含む、受賞者12名の力作揃いの作品たちをどうぞお楽しみください!

 

岡本歌織賞 / 竹田明日香
特別賞 /金子幸代、chitose chitose、野口奈緒子

尾崎行欧賞 / 丹野杏香
特別賞 / カチナツミ、POOL、ワカヤマリダヲ

川名潤賞 / 芳賀あきな
特別賞 / 3rdeye 、ZHAO WENXIN、深町マチコ

 

尾崎行欧賞 /丹野杏香

 

岡本歌織賞 /竹田明日香

 

川名潤賞 /芳賀あきな

 

上段:川名潤特別賞 /深町マチコ

下段:川名潤特別賞 / ZHAO WENXIN

 

上段:川名潤特別賞 /3rdeye

下段:尾崎行欧賞 /ワカヤマリダヲ

 

上段:尾崎行欧特別賞 /POOL

下段:尾崎行欧特別賞 /カチナツミ

 

上段:岡本歌織特別賞 /金子幸代

下段:岡本歌織特別賞 /chitose chitose

 

岡本歌織特別賞 /野口奈緒子

 

<期間中の営業時間>
4/22(金)…11:00~19:00
4/23(土)…11:00~19:00
4/24(日)…休廊
4/25(月)…11:00~19:00
4/26(火)…11:00~19:00
4/27(水)…11:00~19:00
4/28(木)…11:00~17:00 (最終日)

大谷美保子個展「花鳥風月」

今週の作家さんは大谷美保子さんです。HBでは3年ぶり2回目の個展開催となりました。今回はススキやヤツデ、アザミ、スズメなど身近な草花や鳥をテーマに描かれました。大谷さんならではの鋭い観察眼と、美しく繊細なコントラストと色彩をお楽しみください!

 

 

花鳥風月をテーマに、大谷さんが日々の生活で見かけた草花や鳥たちを描かれました。誰も寄せ付けない雰囲気のトゲトゲしたアザミ、横須賀で見た強い海風になびくススキ、小さく密集した世界に驚いたミツマタ、神さまのようなカラスなど、どのモチーフにも大谷さんならではの気付きや驚きが込められています。

 

 

スズメたちがお互いに話しかけているような可愛らしい作品も。カラスはまるで貫禄のある仙人のような出立ち。よく見ると羽は単純な黒ではなく、玉虫色のような、光の加減で複雑に変化する様子もおもしろかったとのこと。いつも空を見ている様子が思慮深く、何を考えているのかなと気になる存在なのだそう。どれも何気ない風景だけれど、身近にこういう生きものがいるって面白いなと思う、と大谷さん。

 

雑誌のために描かれたいちごの絵。会場では丁寧なお仕事の数々もご覧いただけます。

 

 

どの作品も構図を大事にされているという大谷さん。下描きを描く際に、綺麗に収まるところを探っていくのだそうです。色彩はコントラストが強いと違和感があるそうで、彩度と明度が自分の中で気持ちの良い範囲があり、その中で描いているとのこと。

大谷さんが草花を描きたいと思ったのは、横須賀の海辺で育つ植物を見たことがきっかけだったそうです。強い海風にも逞しく荒ぶれた感じや、ジャングルのような雰囲気も感じられ、横須賀をテーマにしたいくらい興味深かったのだそう。

 

 

自分が面白いと思ったものじゃないと描けない、と大谷さん。ただ描くのではなく、趣や情緒を表現したいなと常に思っているそうです。生きものについてまだまだ知らないことばかりだし、調べることも楽しいので、興味が続く限り描いていきたいとのこと。花鳥風月は昔からある言葉なので、今も昔も人の関心は変わらず、心惹かれて描き続けているんだなと感じたそうです。英語には訳せないわびさびや風情、日本人の中に息づいていることを自分も大切にしたいとお話してくださいました。今後の作品も楽しみです。

 

しまだたかひろ個展「住人」

今週の作家さんはしまだたかひろさんです。HBでは2年ぶり2回目の個展開催となりました。自由な作風とポップな線画が魅力のしまださん、今回の展示ではアナログとデジタル両方で魅せる展示構成も必見です!たくさんの可愛らしいキャラクターたちにぜひ会いに来てください!

 

 

右壁にずらりと並んだカラフルな作品は、今回しまださんが一番やってみたかったというプリント作品たち。iPadで描いた絵をプリント後、ご自分で転写プリントをし木製パネルに定着させたそうです。独特の擦れがしまださんのタッチと相まってさらに魅力的な表現に。

作品制作に着手する前に、まず決めたのは会場構成だったとのこと。正面の壁は入って一番最初に見える場所なのでバンと大きいものを、右壁には一番やりたい木製パネル作品を、左壁には額装した作品を…と全体のイメージを膨らませていったそうです。

 

 

テーマを設けそれに向けて描くという風にはしたくなく、描く上ではあくまで自由に、制限をつけたくなかったそうです。「住人」というタイトルが、物語の中の住人なのか、僕自身の中にいる住人なのかは見る人それぞれ感じてもらえればとのこと。今回の作品も好きなように描けて、バリエーションも見せることができ、自分が思っている通りになってくれていると思う、としまださん。

 

 

個展準備は昨年の夏頃から始められたそうで、iPadを導入したのもその頃だったとのこと。練習も兼ねてたくさん描いたそうです。修正作業も格段にラクになり、漫画も描かれるしまださんにとってはかなりの効率化に。実用書での漫画を描くお仕事が多く、硬い内容をわかりやすく伝えたい際に需要があるなと感じるそうです。その他、webイラストや料理本、スポーツ誌、ファッション誌などで幅広く描かれています。

 

 

 左壁の作品は、オリジナルのペンを用いてモノトーンの線のみで描かれたものたち。思いつきのアイデアを大事に、描き進めていったとのこと。
子供の頃、ノートに描いていたラクガキを描くように、今でも自由な気持ちでペンを走らせるしまださん。今後の作品も楽しみです!

 

浜野令子個展「Play」

今週の作家さんは浜野令子さんです。HBでは2回目の個展開催となりました。アクリルガッシュ、色鉛筆、油彩など画材もさまざまに、遊ぶように描かれた作品たち。浜野さんの描く美しい線と、妖艶な世界観をお楽しみください!

 

 

 

「Play」と題された今回の作品は、ふとノートに描くような落書きをテーマに制作されました。壁に思いきり落書きをしてみたいという想いから、支持体はA1サイズの大きなパネルを選ばれたとのこと。どの作品も初めからこの画面になるとは思っていなかった、という浜野さん。まず花を描き、次に空いたスペースを使い脈絡なく次のモチーフを描いていく…というように、下描きはほぼせずに感覚的に描き進めていくのだそうです。手元には日々ストックされている写真や描きたいものを置き、それらからイメージを広げていくとのこと。

 

 

 

浜野さんは描く際に、なるべく結果は気にしないように意識しているとのこと。表現として出てくるものは気にせず、描いてて「上手くはまったな」「これははまってないな」と感じながらも、そこはいいやと次々受け流していくのだそう。なるべく描きたいものは描く、ということを心掛けているそうです。
前回の個展ではiPadを多用し描いたため、今回は色々な画材に触れることができ良かったとのこと。家にある画材を全て引っ張り出し、こんな感じだったなと思い出しながら、いじっている時間が楽しかったそうです。

 

 

 

落描きのように何もしないで描けると思っていたけれど、ゴールを設定せずに描くことは意外としんどかったとのこと。けれど、自分では思ってもみないものが出来、ここから広げていけるものはあるかなと思う、と浜野さん。今後の作品も楽しみです!