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10月2020

樋口たつ乃個展「Life」

今週の作家さんは樋口たつ乃さんです。HBでは4年ぶりの個展開催となりました。Lifeをテーマに、のびのびと暮らす生きものたちや、暮らしの風景、心に浮かんだ情景を描かれました。樋口さんならではの、気持ちのよい筆致をぜひご覧いただきたいです!ぜひお越しくださいませ!

 

日々の生活や生きもの、人生…といった様々な意味を込め描かれたという今回の作品たち。今までで一番楽しんで自由に描くことができて楽しかった、と樋口さん。個展では仕事以外のオリジナルの絵を描いたり、大きい絵を描くことが楽しく、それを見てもらえるのも嬉しいとのこと。

 

 

 

20年程前からフリーランスで活動中。続けるコツを伺ってみると「好きなことなので、あまり根詰めないようにしています。リラックスしながらですね。リラックスしないと続かない気がします。」と樋口さん。特に絵を描く環境はとても大事とのこと。現在、葉山にお住まいで、歩いてすぐのところには海がある環境。気分転換によく散歩に行くそうです。今回の作品も、気分転換しながら描きたくなって描いた作品ばかりとのこと。無理をせず気持ちに正直な姿勢が、作品にも表れているようでした。現在は読売新聞での隔週連載、雑誌の表紙、装画、雑貨店one’sterraceの毎月のポスターを描くお仕事、葉山芸術祭への参加など、幅広く活動されています。

 

 

 

2018年から茶道とイラストレーション&写真&音楽をコラボした『無ん茶会』を仲間と主催されている樋口さん。今後もイラストレーターだけに留まらず、アート茶会など様々な活動をしていきたいそうです。今後のご活動も楽しみです。

 

野口奈緒子個展「いつかの風景」

今週の作家さんは野口奈緒子さんです。HBでは2年ぶり、2回目の個展開催となりました。今回は日常の景色と女の子をテーマに、野口さんならではの繊細な世界観で、様々な情景を描かれました。風が吹き抜けるような気持ちの良い構図と、美しい線画をお楽しみください!

「オリーブ」

前回の個展で、カラー作品のなかにモノクロで描いた線画の評判が良く、次は線をメインで作品づくりをしてみたいと思ったという野口さん。最初に描いた「オリーブ」という絵をきっかけに、風景画も面白そうだなと思い今回のテーマに繋がったそうです。はじめは、色も線もフルプリントで制作されたそうですが、せっかくの個展なので原画を飾りたいと考えた結果、線画を描いた後に色面をプリントするというやり方に至ったとのこと。失敗のできない描き方だけれど、色を先に塗ってしまうとそれに囚われ線がつられてしまい、固くなってしまうと感じたそうです。

 

「歓び」

「南へ」

今回描かれた風景は、普段見ている景色や実際の場所からイメージしているものが多いとのこと。自然豊かな土地で暮らしていることから、植物がお好だそうで、今回の作品にも多く描かれています。画材は油性の0.4ミリのボールペン。紙に髪の毛がついていると思い、ついはらってしまった…というほど繊細な線描。

 

「シグナル」

人物画は知り合いのお子さんをモデルに、実際にポーズをとってもらうとのこと。前回の個展作品でもモデルになった女の子です。

 

「路地」

「ふたり」

今後は風景画を描くようなお仕事もしてみたい、と野口さん。物語をイメージして、女の子と色々な景色を描いてみたいそうです。ますます魅了される野口さんの作品、今後も楽しみです!

ケッソクヒデキ個展「some-thing」

今週の作家さんはケッソクヒデキさんです。HBでは7年ぶりの個展開催となりました。広告、装丁、新聞連載など近年手掛けられたお仕事と、プロフェッショナルな原画を一堂にご覧頂けます!印刷物とはまた違った原画の魅力をお楽しみください!

7年ぶりとなった今回の個展では、前回の個展以降に担当されたお仕事と原画を展示。
久しぶりに個展をやろうと思ったきっかけをお聞きしました!

「仕事ではクライアントが喜んでもらうのが一番だけれど、それだけだと陳腐になってくるのは避けられない。そうじゃない人もいるけれど、自分の場合はそういう傾向がある。好きなようにやるのが個展。仕事の絵もしっかり描いて、オリジナルの絵も定期的に発表する、その2つをやっていくのがバランスが良かったけれど、しばらく忙しくてオリジナルを描くことができなかった。業界で皆が知っている状態にならなきゃいけないなと思う。」

ここ数年間は、美大でイラストレーションの授業を受け持たれていたケッソクさん。その間にも装丁や新聞連載のお仕事をかかえ、多忙なスケジュールで活動されていました。昨年、講師のお仕事が一区切りし、再び自由な創作活動に専念できるように。個展をやることで「またやってるな」と思ってもらえて、認知度があがると考えるそうです。

絵本『図書館が燃えた』の原画。会場では100部限定で販売中。

 

 

自身のことだけでなく、イラストレーション業界全体のことを常に考えているケッソクさん。

「アニメや漫画の方が人気がある今、イラストレーションは業界として負けていると思う。皆いい仕事をしているのに、世間にあまり浸透していないなと。和田誠さん、宇野亜喜良さん等、素晴らしい仕事をしてきた方々がいる。今の若い人達も、もっと評価されてもいいと思う。社会的に認知度を上げていけたらと思うし、今は有名な人だけが突出している状態なので、他の皆も注目を浴びることができたら…と思う。現在イラストレーションと言われている領域はどこか排他的な感じがある。アニメを拒絶するのはよくないし、とんでもない技術で面白いことやっている人もいて、僕らも知らないといけない。僕は不器用だから色々なことができないけれど、世間のことを知らなきゃとは常に思っている。情報を取り入れて、社会との関わりをもつことはやっていかなきゃなと思う。あとは行動を起こす事が大切。受け身だと良くなくて。動く事が格好悪い、恥ずかしいと思っている人が多い。文句ばかり言っていて何もしない人が一番良くない。常に動いている奴が勝つと思っている。考えているだけじゃダメだと、肝に銘じている。動いたもの勝ちだと思う。」

途絶えることなく依頼が来ているケッソクさん、これからも今までないようなことをオリジナルの絵で挑戦してみたり、仕事に活かしたりしながら、自由と規制の中でしっかりと描きつつ、面白おかしくやっていきたいそうです。