6月2020
今週の作家さんは原口祥絵さんです。HBでは初めての個展開催となりました。緑豊かな街並や水辺のある風景など、色とりどりの点描で綴られました。原口さんの描く、のどかで豊かな世界感をお楽しみください!
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「行きたいまち」
今回のテーマは旅。点描の風景画をお得意とされる原口さん、絵を描きはじめた頃は人物画を多く描かれていたとのこと。風景画を描くようになった転機は、2015年に鈴木成一さんの装丁塾へ通われたことだったそうです。その時の課題本、三浦綾子著『丘の上の邂逅』を読んで描いたものがたまたま風景だった、と原口さん。その時に描いた作品が見事、文庫本の装画に採用。初めての装画のお仕事だったそうです。風景画を描くことも面白いなと思った、と原口さん。当時、好きな作家さんの絵をたくさん見て勉強し、画風を研究されていたとのこと。
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原口さんが装画を描かれた本。
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「エストニアと」
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「esplanade park」
MJイラストレーションズへ約5年間通われ、色彩や線の描き方など、峰岸先生から多くのことを学ばれたそうです。色数をおさえて、というアドバイスもあったとのこと。それらも原口さんの絵に活かされているようです。
正面に飾られた大きなパネル作品の絵は、原口さんの願望を描いたという作品。様々な国の人々が一つのテーブルで楽しそうに食事をしています。旅が大好きだそうで、ヘルシンキ、エストニアなど実際に行かれた土地も描かれました。
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「乾杯」
自分の部屋に欲しかったという世界地図を自ら制作。コーヒー豆やカンガルー、マクドナルド…などが模様となったユニークな世界地図です!
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「世界地図」
これまでのお仕事は本の装画や社内誌の表紙、パッケージ、教科書の挿絵など。『MJイラストレーションズBOOK』や『イラストレーションファイル』を見た方からお仕事の依頼があるそうです。特にやってみたいお仕事はパッケージのイラストレーション。旅が好きなので、旅エッセイの挿絵なども興味があるとのこと。今後益々のご活躍が楽しみです!
2020年6月27日 5:47 PM |
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今週の作家さんは楓真知子さんです。HBでは約2年ぶり2回目の個展開催となりました。楓さんが描く、見ているだけで元気が出る動植物や人間たち、モノや風景まで、思い思いに描かれた新作の数々をお楽しみください!楓さん初の絵本『たびにでた』のお披露目も。ぜひお越しくださいませ!
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「みつけたみつけた」
今回の個展はコロナのこともあり、開催できるのかどうか…気持ちを立てることに時間がかかった、と楓さん。目標は”人間を描くこと”、それだけは決めてあとはとにかく描こうと思ったそうです。描いていく中で、苦手だった風景にも挑戦したり、色の彩度を調整したりと、様々な挑戦ができたことが良かったとのこと。気づきながら、描き続けていくしかないなと思ったそうです。今年に入ってから描かれた100点以上の新作の中から、厳選された68作品を展示していただきました!
「灯男」
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5月の連休明けから一気に描いたという今回の作品たち。
生き生きとした筆致と色彩に心が動かされます。
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「水色」
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「はじめての彼女」
昨年の7月、10月、今年の1月、6月とハイペースで個展を開催されている楓さん。展示のお誘いを頂けたら、断らないというスタンスで活動をされているそうです。絵の露出が増えることで、イラストレーションの仕事も増えていったとのこと。最近のお仕事のほとんどはSNSを見た方から依頼がくるそうです。常に動いておくことが大事かな、と楓さん。
絵本や教材のイラストレーション、こども図書館に関わるお仕事など、子どもに関わるお仕事が多いそうです。その方面では売り込みをしてこなかったそうで、思わぬところから来るんだなという印象とのこと。
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「さいしょの鉢」
7月に初の絵本を出版される楓さん。以前から個展に来てくださっていた絵本館の編集の方に「一緒に作りませんか?」とお誘いを受けていたとのこと。その後、グループ展で自主制作した絵本を持ち込みに行き、出版に繋がったそうです。絵だけでなく物語も楓さんによるもの。動物の絵を描こうと思い、そこからお話を作っていったそうです。最初は緊張してのびのびと描く事ができなかったそうで、何度も描き直しがあったとのこと。2年の歳月を経てついに完成です!
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楓さん初めての絵本『たびにでた』(絵本館)
会場で先行販売中!ぜひお越しくださいませ!
2020年6月20日 7:21 PM |
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今週の作家さんは田口実千代さんです。HBでは3年ぶり、3回目の個展開催となりました。
ヘルシンキの旅の一コマや海辺の風景など、心地良い風が感じられる爽やかな作品をお楽しみください!
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今回の作品は、フィンランドやフランス、スペインなど、田口さんが旅をされた土地の風景を中心に描かれました。旅行が大好きな田口さん、今は行くことができないけれど、描いているうちに「また行けたらいいな」という気持ちになったそうです。旅の写真を見ながら描かれた新作118点のうち、60点が展示されました。
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海や空の絵が多いのは横須賀生まれだからかも、と田口さん。ヘルシンキにはたくさんの海や湖があるそうです。ちっぽけな海がお好きとのこと。今回ほとんどの作品が油彩画で、個展がなくても、毎日ご自宅で油彩画を描かれているそうです。筆跡が残りやすいところや、描き心地がお好きとのこと。アクリルガッシュよりもふわっとした雰囲気を描くことができるそうです。
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描く前に「この風景、このサイズのキャンバスだったらどう描こうか…」と頭の中で構図や色をイメージしてから描くそうです。静物を描くこともお好きだそうで、物をセッティングして直接見ながら描くとのこと。今回は果物や花もなかなか買えず、自粛してしまった、と田口さん。
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装画のお仕事はもちろん、児童書や絵本、CDジャケットのお仕事はずっと憧れだそうです。お仕事になると店頭に並んで不特定多数の人に見てもらえるので嬉しいとのこと。絵を描くことが好きなので、普段描かないものをお仕事で描くことも楽しいそうです。タブローをやりつつ、次は線画もやってみようかな、と田口さん。今後の作品も楽しみです!
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2020年6月13日 4:05 PM |
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お待たせしておりました、HB WORK vol.1の審査結果です!(応募総数605名)
岡本歌織賞・竹浪音羽
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岡本特別賞(3名)
有持有百
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中島花野
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六角堂DADA
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川名潤賞・マナベレオ
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川名特別賞(3名)
ゲレンデ
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小山義人
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akira muracco
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尾崎行欧賞・玉川桜
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尾崎特別賞(3名)
藤本将綱
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中村桃子
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谷川千佳
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近日中に各審査員の大賞のコメントや、一次通過以上の参加者のお名前もUPいたします!
たくさんのご応募、誠にありがとうございました。
2020年6月12日 2:50 PM |
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今週の作家さんは鈴木理子さんです。HBでは初めての個展開催となりました。ポートレイトを撮る気持ちで、ひとつひとつ好きな花を描かれたという今回の作品たち。暗闇の中に浮かび上がる美しい花々をお楽しみください!
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風景画をお得意とする鈴木さん、これまでは街や路地裏、打ち捨てられたもの…などを多く描かれていました。今回はあまり描いたことのないという花に挑戦。好きなものを描こうと思ったときに、すぐに浮かんだモチーフだったそうです。強さや可憐さが、素直に美しいと思えるので描きたいと思ったとのこと。タイトルは「Flower」とし、複数形にはしたくなかった、と鈴木さん。花にはそれぞれ個性があり、大勢の中のひとりのような扱いは出来ないと感じたそうです。身の回りに咲いている花の一瞬を描かれました。
![薔薇_2](http://hbgallery.com/blog/wp-content/uploads/薔薇_2.jpg)
![ダチュラ_2](http://hbgallery.com/blog/wp-content/uploads/ダチュラ_2.jpg)
描く際には写真がとても重要になるそうで、さまざまな構図で沢山の枚数を撮影されるとのこと。花を女優さんに見立てて、どんな風に撮りたいか考えるそうです。写し方やシチュエーションで人の顔が変わるように、花もそうだと思ったとのこと。コツコツと撮りためた中からピックアップし描かれました。
![アンスリウム_2](http://hbgallery.com/blog/wp-content/uploads/アンスリウム_2.jpg)
創形美術学校で版画を学ばれていた鈴木さん、学生時代は版画に没頭していたそうですが、卒業後は働きながら独学で様々な絵を描き続けていたそうです。イラストレーターを志したきっかけは、内容は面白かったのに本の表紙が良くないという本に出会ってしまったことだったそうです。読んだ後に装丁でがっかりするような気持ちを少しでも減らしたい…そんな想いから、自分が本を作る側の立場になろうと思ったそうです。それからはMJイラストレーションズで本格的に学ばれ鈴木さん。「楽しく描くことが基本」「デフォルメはアリだけれど漫画寄りにはならないこと」「切磋琢磨する仲間を大切にすること」「第三者的に自分の作品を俯瞰する目を養う」「最後は自分に自信を持つこと」…など、峰岸先生からは技術面のみならず精神論まで様々なことを学ばれたそうです。
![ダリア_2](http://hbgallery.com/blog/wp-content/uploads/ダリア_2.jpg)
イラストレーター歴は3年という鈴木さん。モノクロームで描くようになってから、新聞連載や文芸誌の挿絵のお仕事が舞い込むようになったそうです。今のタッチになったのはイラストスクール「山田塾」へ通われたことがきっかけだったとのこと。ひとりひとり与えられる課題が違うという山田塾、「見たままそっくり、モノクロームで描いてみたら」というアドバイスの元、風景画を描き始めたそうです。それまで、色々手を尽くして悩み倒したそうですが、自分で工夫して描くより悩まずに済むし爽快感があった、と鈴木さん。そのまま描いても、どの作品にも鈴木さんの個性が光っています。
自分がいいと思ったものを展示できたし、のびのび描けた、と鈴木さん。今後は装画や広告のお仕事など、垣根を作らず挑戦してみたいそうです!
![向日葵_2](http://hbgallery.com/blog/wp-content/uploads/向日葵_21.jpg)
2020年6月6日 1:31 PM |
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今週の作家さんはイラストレーター&漫画家の伊藤ハムスターさんです。HBでは初めての個展開催となりました。1日1枚描かれている1コマ漫画や、個展のために描かれた水彩で描かれた新作、アクリルブロックの立体作品など盛り沢山です!クスッと笑える愛らしいキャラクター達にぜひ会いに来てください!
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動物が人間のように話をしているようなユニークな世界を描くハムスターさん。絵に添えられたひとことは、じわじわと惹きこまれる魅力があります。ずらりと並ぶ作品は、毎日1日1枚描いたシリーズです。まとめて描くとつまらなくなるそうで、その日その日、違うテンションで描いた方がおもしろい絵になるとのこと。日常的に興味を持ったことや、自分に起きた理不尽なことなどを戯画化し、動物たちで表現されるそうです。オカルト、恐竜、動物、悪魔、妖怪…これらが特にお好きだそうで、作品にもよく登場しています。
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今話題の『こども六法』のイラストレーションを丸々1冊手掛けられているハムスターさん。書籍や雑誌、実用書、小中学生向けの教科書や参考書のお仕事が多いそうです。画材は墨汁とつけペンを使用し、PCで着彩。今回の展示では水彩で描かれた新作も展示されています。ハードルが高いなと思っていることを、せっかくなので個展でやろうと思った、とハムスターさん。日頃あまり描かないという、建物や空間を描く事にもチャレンジされました。
今までは興味がなかったけれど、年齢的にも「丁寧な暮しへの憧れと憎しみ」がテーマ、とハムスターさん。動物たちの可愛い表情と、ほんの少しの毒…そのギャップがなんとも可愛らしく見る人の心を掴みます。
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「波にのれない」
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「アリクイラテ」
漫画家としてコミックエッセイ本を出版されているハムスターさん。6年程前、クリエイターエキスポへ出展した際に編集者さんからお声掛けがありお仕事に繋がったそうです。当時、連載もなく、突然丸まる1冊の全ページカラーの漫画を描くことになったハムスターさん、都内30店舗を食べ歩くカレー食べ歩きの本のお仕事だったそうです。1日に2件、昼に2杯食べるという過酷なスケジュール。現在も月1で短い漫画連載のお仕事を続けられています。
これまでは背景のない、役者さんだけの青空演劇のような絵が多かったので、これからは舞台装置も描いて、情景も描いていきたい、とハムスターさん。今後の作品も楽しみです!
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2020年6月1日 11:33 AM |
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