HB Gallery

Blog

11月2021

福田利之展覧会「冬の間」

今週の作家さんは福田利之さんです。HBでの個展は約6年ぶりの開催となりました。オリジナル作品のほか、ノーベル賞作家カズオ・イシグロさんの「クララとお日さま」や、本屋大賞受賞、町田そのこさんの「52ヘルツのクジラたち」の装画も展示しております!貴重な原画販売のほか、福田さんがデザイナーを務められている布ブランド「十布」のハンカチや、福田さんオリジナルポストカードの販売など盛りだくさんです。お見逃しなく!

 

 

 

松木直紀個展「雨と雪」

今週の作家さんは松木直紀さんです。HBでは2回目の個展開催となりました。臨場感の感じられる松木さんならではの筆致をお楽しみください!

 

今回描かれたのは、金沢で見た新雪の光景と静かな雨の降る夜の光景。雨の日と雪の日のしんとした空気感を描きたかった、と松木さん。反射した綺麗な光を描くために、これまでも雨の光景を描くことは多かったとのこと。ご自分で撮った写真を元に描かれるそうですが、絵におこす際には雰囲気だけを残し、できるだけ要素を減らすよう心がけているとのこと。

 

恩田陸さんの「失われた地図」の装画を描く際には、実際に舞台となった錦糸町へデザイナーさんと取材に行かれたそうです。描いたシーンは、帰りに一人で立ち寄った公園。元々その場に信号機はなかったそうですが、小説の内容に合わせて描き足したとのこと。日常の隙間や境目を感じさせるような絵にしたかったのだそう。

 

日常が舞台の物語は、描く場面を自分の足で探しに行くことが多いそうです。写真のストックがあればいいがなかなか難しい、でもできるだけ自分で探して見つけたい、と松木さん。最新のお仕事は週刊新潮の伊与原新さん「燐光の家」の挿絵を描かれました。来週がラストなのでぜひ見て欲しいとのこと。普段は会社勤めをされているとのことですが、イラストレーションのお仕事はとても楽しいそうです。目標は広告のお仕事を手がけること。今後ますますのご活躍が楽しみです!

古川じゅんこ個展「時のしじま」

今週の作家さんは古川じゅんこさんです。HBでは初めての個展開催となりました。生活の中で訪れる静寂、優しい静かなひとときを感じて下さい!

 

Q1. HBでは初めての個展開催となりました。やってみようと思ったきっかけはありましたか?

A1. 以前から素敵なギャラリーだと思っていたところ、唐仁原さんから
お声をかけていただけたので開催しようと思いました。

 

 

Q2. オリジナル作品はどんなテーマで描かれましたか?

A2. ふとした瞬間に感じる空気や想いを描きたかったです。

 

 

Q3. 画材は色鉛筆と水彩、PCも使用されて描かれているとのことですが、
手書きとデジタル、それぞれ良いところはどんなところですか?

A3. 手描きはPCでは表現できない肌合いや揺らぎがあって、それが魅力なので
これからもこだわりたいです。それをより魅力的に表現するために、PCで補足している感じです。

Q4.近年手がけられたお仕事はどんなものがありますか?

A4.・雑誌「じゃぱとら」(住まい教育推進協会)連載小説「木は生きている」/森久美子さん 挿絵
・絵本「ちょうちょむすび」(文芸社)/琴柱富美子さん 絵

 

Q5.今後の活動予定、やっていきたいこと、お知らせなどありましたらぜひ!

A5. 自分のイラストを進化させるために、原点にもどってスケッチをしようと思っています。
今のイラストを大事にしながら、新しい表現を探りたいです。

 

古川さん、素敵な展示をありがとうございました!

 

平井利和個展「ASIAN POP」

今週の作家さんは平井利和さんです。HBでは6回目の個展開催となりました。温めていたシリーズが満を辞して登場!インパクトの中にどこか懐かしさを感じる平井ワールドをお見逃しなく!

 

Q1.今回の個展で挑戦してみたかったことをお聞かせください。

ポートレートの延長線で何ができるか?です。
展示中、「平井=太線のポートレート」という印象を何度か聞きました。
私自身も「太線のポートレート」は強い印象を与える造形で類似しない
記号になっているという自負と同時に
簡潔である世界観に満足して、わかる人にだけわかればいいという閉塞に
自分が陥ってるかもしれないとも感じていたのでその懸念を払拭したかったです。

その上でアジアの民画やアニメーションなどの資料をもとにして
色使いやニュアンス、線と面の扱いを参考に制作しました。

具体的にしたことは強い色をしっかり使う、身近なモチーフを取り入れる
省略やデフォルメの研究をすすめるなどです。

 

Q2.「ASIAN POP」は昨年の個展で発表される予定でしたね。
コロナで延期となり今回の開催となりましたが、その間、方向性や心境の変化などありましたか?

昨年から今年の初めにかけては、頭の中の理想が先走りしすぎていて
苦しかったです。
色々ある絵柄の統一性の問題や色の扱いや作品を最終形まで
待っていくプロセスなどは0ベースから考える必要があったので
課題は盛りだくさんでした。

最終的には、絵柄は混ざって良い。
色の扱いは経験とカラーパレットの蓄積でイメージができるようになった。
作品の技法はシルクスクリーンと相性のいい画材の発見
OHPシートへの出力は、出力してくださる会社さんとの出会いなどで解決しました。

延期がなければ出会いや作品に対する許容、研究する時間を持てなかったように思いますので
うまく時間を使えたと感じてます。

 

Q3.近年手がけられたお仕事にはどんなものがありますか?

サントリーさんとお仕事しました。

https://www.suntory.co.jp/enjoy/inshokuten/

 

Q4.お仕事を継続していくために、日頃から心がけていることはありますか?

1  金額交渉
2 作品を定期的にアピールする
ポートフォリオ・DMの送付など
(SNSはどのように運用するかは研究中です)
3 自分の作品に飽きないために、絵柄を更新する。
続きのある絵にする。
4 同時に求められた絵を描ける手元の技術もキープする

 

Q5.今後の活動予定、やっていきたいこと、お知らせなどありましたらぜひ。

ジョン・アーヴィング『熊を放つ』の第二部です
HB塾での課題のスケッチブックもやらないといけないです。

直近ですと来年、四国で個展をします。
今回の延長線上のイメージです。

次回の個展も楽しみです。平井さんありがとうございました!