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7月2016

副田高行賞 おおたはるか個展「真空パック」

夏のファイルコンペ展、第4弾は副田高行賞に輝いたおおたはるかさんです。
HBのコンペには初めての応募で見事に大賞受賞となりました。おおたさん自身の分身をそのまま生き写して描く、そんな描き方が『真空パック』という言葉に込められました。瞬間の気持ちを閉じ込めた生きた作品たち、ぜひご覧いただきたいです!

 

<審査員、副田高行さんのコメント>

いい絵は、人の目を釘づけにしてやま ない。こちらの目をずーっと離さない。恐い。でも、出会ってしまったら、もう逃げられない。

 

奈良の美大へ入学後、絵を描き始めたおおたさん。自分の絵がどのくらいの位置にいるのかが全くわからなかったため、力試しにさまざまなコンペへ応募していたそうです。HBのコンペやチョイスへ入選したことが絵を描く自信に繋がった、とお話してくださいました。

作品は天ぷら紙に水彩絵の具で描かれています。思ってもいないところに滲みが出て、自分の想像の上を行ってくれることが魅力なのだそう。下描きはせず考えずに、その瞬間に見えたものを描くことを大事にされています。

 

 

今年の3月に卒業されたばかりのおおたさん。在学中は洋画コースで油絵を描いていたそうですが、イラストレーションにも興味が出てきて、画材を変えて水彩絵の具でも絵を描き始めたそうです。油絵と違いすっと思うままに描けて、自分のせっかちな性格に合っている画材だなと感じたそうです。はやく絵を完成させたいという気持ちや、その時見えたものをすぐに描きたいという気持ちが今のタッチに繋がりました。

 

 

将来は需要のある作家になりたい、と大きな目標を持っているおおたさん。絵本の制作など自発的に活動しています。自分のためには絵は描けないので、たくさんの人に見てほしいそうです。今後の作品にも期待です!

 

審査員の副田さんとおおたはるかさん。

鈴木成一賞 杉山巧個展「色を打つ」

夏のファイルコンペ展、第3弾は鈴木成一賞に輝いた杉山巧さんです。
HBでの個展「Lesson 0」後、約1年間新作を描きため応募したところ、見事に大賞受賞となったそうです。草花の瑞々しさや群衆のざわめき、生きものたちの生命力が感じられる作品です。絵を描く楽しさが伝わってきます、ぜひご覧くださいませ!

 

「群生」

 

〈審査員、鈴木成一さんからのコメント〉

ミニマルなモチーフの中の強かな情熱が、明るい解放感を与えている。具体性と装飾性のバランスも絶妙で、新たな世界観を創り上げているのではないだろうか。

 

「トラ」

「藤棚」

 

今回の展示は、杉山さんご自身の気に入っている絵を飾りたいという気持ちと、楽しく格好つけずに気持ちを一生懸命こめて描くということがテーマだそうです。 『色を打つ』というタイトルは杉山さんの絵の共通点から出てきた言葉。ボール紙のカケラに絵の具を付けて、スタンプを押すようにして描いています。正面に飾られたのは縄をモチーフにした大きな作品。杉山さんにとって縄は素朴でタフで、存在自体がお好きなのだそう。特に気持ちをぶつけて描きたかった作品です、とお話してくださいました。

 

「木材」

 

これまではいい仕事をしなきゃ、うまく描かなきゃという気持ちが強かったそうですが、前回の個展で思いきり描けたことで、その後の作品も良い方向に向かっていったようです。今後も、色々なお仕事をやってみたいそうですが、特に本を読むのが楽しくお好きだそうで装画はもっと描いてみたいとのことでした。今後益々のご活躍も楽しみです!

 

杉山巧さんと審査員の鈴木成一さん。

 

永井裕明賞 三好愛個展「みみうちじけん」

夏のファイルコンペ展、第二弾は永井裕明賞に輝いた三好愛さんです。
『みみうちじけん』という気になるタイトル。三好さんの日常生活で気になった感情を言葉にし、そこから絵を考えて描かれるそうです。絵と言葉が溶け合うような楽しさがある作品たち、ぜひご覧くださいませ!

 

「見てあげる」

 

〈審査員、永井裕明さんからのコメント〉
この作品を見ると”イラストレーションっていうのは、 自由なのだ”と言われているような気がする。
色も僕好みだが、 思いもよらないヘンな眼が何ともいえない魅力を放っている。

 

芸大時代、油画と版画を専攻されていた三好さん。その頃からイラストレーションにも興味が出てきたそうで、様々なイラストレーションコンペに応募するようになったそうです。いくつかのコンペで入選を果たすも状況に変化はなく、卒業後はデザイン事務所へ就職。その後もコンペには諦めずに応募し続けたそうです。 HBのコンペは7度目の応募で、見事大賞に輝きました。

現在のデザイン事務所、アイルクリエイティブのヤスダさんは、スタッフそれぞれの”その人らしさ”を大切にし、理解してくれる方だそうで、三好さんの活動も応援してくれていたそうです。

 

「たくらみ顔」

「かたいふろ」

 

画材はアクリルガッシュと和紙を使用して描かれています。絵の具が吸い込んでムラになったマチエールも魅力です。今回のタイトル『みみうちじけん』は「聞きたくもないことを、誰かが教えてくれちゃったとき」という、少しネガティブな出来事から生まれた言葉だそうです。

 

「いやなねこと」

 

「なかなおり」

 

小説を読むのがお好きな三好さん。村上春樹さんと安西水丸さんや、星新一さんと和田誠さんの組み合わせなど、文章と絵がぴったりな本作りに憧れがあるのだそうです。いつか小説の装画を描きたいとお話してくださいました。今後のご活躍が楽しみです!

 

三好さんの事務所のアートディレクターのヤスダユミコさんと、三好さん、永井さん。

次回ファイルコンペの参加者募集中!ふるってご応募くださいませ!

http://www.hbgallery.com/compe.html

 

 

HB塾が開講します!

2016年10月、唐仁原教久+大森賀津也主宰の

イラストレーション・スクール「HB塾」が開講いたします。

この塾は、イラストレーターとしての扉を開けながらも、

入り口で立ち尽くしている人のためのスクールです。

次のステップに進みたいという方々、ぜひご応募ください。

 

詳しい内容、ご応募の方法はHBギャラリーに設置のチラシ、

もしくはこのページのPDFのデータからご確認の上、よく読んでご応募ください。

 

※クリックで拡大・ダウンロード用データにジャンプします。

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HB塾開講のお知らせ

 

 

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