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7月2017

竹内みか個展「センチメンタルパーク」

夏のファイルコンペ展、第4弾は日下潤一賞に輝いた竹内みかさんです。
昨年初めての応募で見事、大賞受賞となりました。”始まる事のワクワクと、終わる事の悲しみ”をテーマに、遊園地の魅力を描かれました。竹内さんの大好きなメロディペットがたくさん登場します。ぜひお立寄りくださいませ!

 

 

大阪の芸大をご卒業後、デザイナーとしてお勤めされていた竹内さん。絵が描きたいという思いが強くなり、イラストレーターの道へ。神戸のGallery Vie絵話塾でイラストレーションを学ばれました。その頃は仕事に繋がるようにと、子供や可愛らしい動物の絵を描いていたとのこと。講師で来ていたイラストレーターの安齋肇さんに絵を見てもらった際に「愛人はダメ、本妻になりなさい」というユニークなダメ出しをもらったそうです。初めて絵がダメと言われたことで、竹内さんの気持ちに大きく変化がありました。仕事になるならないにかかわらず、自分の好きなもの、一生描き続けられるものをみつけようと思ったそうです。それを探すため、カメラを持ち歩きモチーフをみつけるところから始まりました。

 

 

そこで出会ったのが地元の遊園地で出会ったパンダの”メロディペット”と呼ばれる遊具でした。出会った瞬間、描きたい!と思ったそうです。使い込まれた毛並みや哀愁のようなものは、小さなサイズの絵では伝わらず、大きなキャンバスに描くようになりました。パンダのメロディペットが描き上がった頃、その遊園地は閉園してしまったそうです。デパートの屋上遊園地なども次々と減っていく昨今、私が描き残して伝えないと、という使命感も生まれてきたそうです。

竹内さん手作りのメロディペット。会場で流れている音楽も竹内さんが制作されています。

 

メロディペットは遊園地ごとに表情が全然違うといいます。同じ動物でも、革ばりだったり布素材だったり。描く際には、遊園地巡りや取材からはじまるそうです。全国の遊園地巡りが夢とのこと! 今後も絵だけにこだわらず、音楽でも映像でも、他にも手段があれば表現していきたいとのことでした。今後の幅広いご活躍が楽しみです。

 

 

鈴木成一賞 椎木彩子個展「林林林」

夏のファイルコンペ展、第三弾は鈴木成一賞に輝いた椎木彩子さんです。
これまでの画風をがらりと変えてのファイルコンペ挑戦、見事大賞受賞に輝きました。
木や葉、花など自然のモチーフをのびのびと力強く描かれました。
殻をやぶった椎木さんの生命力溢れる作品、ぜひ原画をご覧いただきたいです!

 

『木の中』

 

ご近所にアトリエを借りて制作をされている椎木さん。個展前は毎日通い制作に励んだそうです。
元々は文化服装学院のデザイン科のご出身。テキスタイルに興味があり、形はシンプルで柄の凝った服を作られていたそうです。徐々に平面作品を描きたくなり、26歳で絵を描き始め、MJイラストレーションズに通い始めました。

 

『赤い羽根のハナ』

 

これまでは細い線と描写で、具体的な絵を描くことの多かった椎木さん。作風を変えて今回の絵にした時、絵の取り組み方の最後の変化として考え、誰にも認められなくてもいいからやってみよう!と思ったそうです。これでダメだったら絵をやめる覚悟、という気持ちで挑んだ大阪での個展開催。その作品でファイルコンペに応募したところ大賞を受賞されました。

 

『此処にいる』

 

椎木さんはご自身の絵を、”手遊びの中で生まれる具象画”と呼んでいるそうです。原画からも遊ぶように描く楽しさが伝わってきます。自分の進みたい方向へぐんぐんと舵をとる椎木さん、今後のご活躍も楽しみです!

 

『球根の大きな夢』

 

 

大賞受賞後、椎木さんが装画と挿絵を手掛けられた書籍。装丁は鈴木成一さんです。元々夢だったという装画のお仕事、鈴木さんがまっさきに椎木さんの絵をイメージし依頼されたそうです。
会期中、会場でも販売中です。展示とあわせてぜひご覧いただきたいです!

藤枝リュウジ賞 永井久美個展「運動会」

夏のファイルコンペ展、第二弾は藤枝リュウジ賞に輝いた永井久美さんです。
5年ほど前から運動会をテーマに作品を描かれている永井さん。入場行進、騎馬戦、応援団、大縄跳び、台風の目…など大勢の少年たちが一生懸命に戦う姿が描かれています! どこかシュールで愛らしい作品たち、ぜひご覧いただきたいです。

 

 

中学生の息子さんをお持ちの永井さん。お子さんが小学生の頃、全校生1200人ほどのマンモス校に通われていたそうで、運動会で子どもたちが一斉に入場する姿に感動し、その様子を絵にしたいと思ったそうです。共学だそうですが、絵に登場するのはほぼ全員男の子。男の子の方が表情豊かにおもしろく描けるそうです。特に動きのある、戦っている様子を描くことがお好きとのこと。

 

 

服飾の専門学校で長年、教員のお仕事をされていた永井さん。出産を機に退職された後も、セツ・モードセミナーに通うなどし、絵はずっと続けられてきたそうです。デザイン画やパターンを細かく正確に描くお仕事だったため、たくさん人物を描くことも全く苦ではないのだそう。コツコツ描くのがお好きで、2人くらいだとすぐに描き終わってしまいつまらないとのこと。家族が寝静まったあと、深夜2〜3時に描くことも多く、その没頭できる時間が楽しみなのだそうです。作品からもその楽しさが伝わってきます!

 

 

 

絵で賞をとるのは初めてだそうで、最初に受賞の知らせを聞いた際も、何のことかわからなかった…と永井さん。どうして私が??と驚いたそうです。
これからも絵を描き続けていきたいそうで、次のシリーズ絵も考えているとのこと。イラストレーションのお仕事は、この路線で使っていただけるのならぜひ!とのことでした。永井さんのはじめてのギャラリーでの個展開催、ぜひたくさんの方にご覧いただきたいです!

 

 

特別賞展 特別賞6人によるグループ展

今週からファイルコンペvol.27の大賞展が始まりました!
7月7日から8月30日まで、受賞者の作品を展示致します。第1週目(7/7(金)-7/12(水))は、特別賞に輝いた受賞者6名によるグループ展です。6人それぞれの個性が光る展示をどうぞお楽しみください!

 

ファイルコンペvol.27  特別賞受賞者 (敬称略)
日下潤一特別賞 / 草野碧
副田高行特別賞 / SKY STAMP
藤枝リュウジ特別賞 / 谷端実
鈴木成一特別賞 / 山浦のどか
永井裕明特別賞 / 高橋潤
仲條正義特別賞 / 中村隆

 

 

日下潤一特別賞 草野碧さん http://midorikusano.com/

 

鈴木成一特別賞  山浦のどかさん http://yamauranodoka.com/

 

副田高行特別賞 SKY STAMPさん https://uotanisky.jimdo.com/

 

 

藤枝リュウジ特別賞 谷端実さん http://tanibataminoru.tumblr.com/

 

 

仲條正義特別賞 中村隆さん http://takashi-nakamura.na.coocan.jp/

 

 

永井裕明特別賞 高橋潤さん http://juntakahashi.jp/

 

 

HBファイルコンペVol.28の募集もはじまりました。
今年の小冊子イラストレーションは西山寛紀さん。
応募要項・小冊子はギャラリーで配布しております。ギャラリーでのお申し込みも可。

http://hbgallery.com/compe.html

みなさまの熱い作品、お待ちしております!