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7月2023

HB FILE COMPETITION vol.33 河西達也賞 こみひかるこ個展「ぴかぴか PikaPika」

HBファイルコンペvol.33 受賞者展、第5週目の作家さんは
河西達也さんの大賞を受賞されたこみひかるこさん。初個展です!
弾けるような曲線で描かれた、可愛らしい動物たちをたっぷりお楽しみください。

会場では、シナ材でつくられた壁掛けオブジェなど
こみさんならではの新たな試みもご覧いただけます。ぜひお越しくださいませ!

一部展示作品はオンラインショップでもお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

Q1.
河西達也賞大賞受賞、おめでとうございます。
受賞を知った時はどんなお気持ちでしたか?
河西達也さんに選ばれた感想もお聞かせください。

 

A1.
河西さんのお仕事をかなり以前から拝見していて、手掛けられるパッケージやグラフィック等、全てがとても可愛らしく素敵なものばかりで、
いつも発売されたらお店へチェックしに行っておりました。その為、受賞をお聞きした時、飛び跳ねるほど嬉しかったです。

 

Q2.
応募されたファイルを作成するにあたり、
工夫されたことや意図されたことなどはありますか?

A2.
流れるように、スムーズにページをめくっていただけるように、イラストの順番に気をつけておりました。
テイスト的にも、静と動を交互に感じられるようにして目線が退屈しないように工夫して選択しました。

 

Q3.
こみさんは広告制作会社に勤務されているとお聞きしております。
デザイナーとして成果を出しながら
ご自身のイラストレーションを数多く制作されているのが
大変素晴らしいと感じます。
限られた1日の時間をどのように管理し、制作時間を確保されていますか。
ご自身で気をつけていることや心がけてらっしゃることはありますか?

A3.
まだまだ時間の使い方が難しい所はありますが、勤務時間前後の朝と夜やお休みの土日祝日を使って、イラストレーターの活動をしております。
平日に下書きだけ進めて、土日のまとまった時間を確保できる時に着彩していたりなど、
iPadでの制作がメインなので、その辺りは思い立ったらすぐ取りかかれるところがデジタル作画の良いところかなと感じております。


Q4.
こみさんは学生時代から温かみのあるイラストレーションを描かれていますが、
幾何形態をベースとした直線的な表現から
現在では曲線を主体に、より伸びやかに、より愛らしく、
ますます進化されているように感じます。
こみさんご自身はどのようなビジョンを持ってイラストレーションを制作されてきたのでしょうか?

A4.
学生時代はイラストは好きでも、描くこと自体に不慣れで、コンパスや定規を使って製図するように絵を描いておりました。
社会人になってから、普段のお仕事等を通じて自分の描きたいものが明確になり、肩の力を抜いてのびのびと制作できるようになってきたと感じます。
また、「こんな犬がそばにいたらいいのに〜」といった、生活の中に癒しを求めて描いていた部分が大きかったかと思います。

 

 

Q5.
イラストレーションのお仕事で手がけてみたいジャンルや、
取り組みたい活動など、
こみさんの今後の抱負を是非お聞かせください。

Q5.
様々なジャンルで良いお仕事ができるように、これからも新しい表現に挑戦し続けていきたいです。
絵本や本の装画など、物語に関わるお仕事も、たくさん増やしていけたらと思っております。


HB FILE COMPETITION vol.33 八木彩賞 メリヤスミドリ個展「PLANT KILLER」

HBファイルコンペvol.33 受賞者展、第4週目の作家さんは
八木彩さんの大賞を受賞されたメリヤスミドリさん。初個展です!
デジタルで作品制作されているメリヤスさんですが、今回はご本人の手作業によるシルクスクリーンや
メタリックな質感の大作など、一味違う展示となっております。
会場ではメリヤスさんが装画を担当された書籍『ドライブイン・真夜中』のほか、シルクスクリーンTシャツなどのグッズも。
ぜひお越しくださいませ!

一部展示作品はオンラインショップでもお取り扱い中です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

Q1.
八木彩賞大賞受賞、おめでとうございます。
受賞を知った時はどんなお気持ちでしたか?
八木彩さんに選ばれた感想もお聞かせください。
A1.
コンペは第三者から見た意見や作品の強度を知るための力試しで応募していたので素直に嬉しかったです。
広告の第一線でご活躍されている八木彩さんだからこそ、
印象に残るインパクトや新鮮さを評価いただけたのかなと思います。
Q2.
メリヤスさんが応募されたファイル作品はモノクロームで統一され
フィルムで撮影された写真集を見ているかのような
美しい諧調がとても目に残ります。
応募されたファイルを作成するにあたり、
工夫されたことや意図されたことなどはありますか?
A2.
統一感がある反面、単調にならないように構成を考えました。
モチーフの順番や大きく見せたい見開きのイラストをどこに持ってくるかなど検証しました。

Q3.
メリヤスさんの表現は静けさの中にも、鐘の音のように長く響くような強さを感じます。
この独特の質感はどのように生み出されるのでしょうか。制作プロセスをお伺いしたいです。
A3.
繊細さと力強さは製作する際に意識していることなのでとても嬉しい評価です。
普段は手書きのラフからイラレでベースを作り、フォトショでライティングや質感を描き起こしています。
デジタルの処理ですが自分はやっぱり手触りのあるものが好きです。
今回の展示はシルクスクリーンも使っているので、また違った質感にできたと思っています。
制作しているときはモノクロで描いているというより、暗い空間の中に黒い質感のモチーフを作っている感覚なのかなと
最近自分では思うようになりました。

Q4.
メリヤスさんがInstagramに投稿されている作品を拝見すると、
カラフルな作品からモノクロームの作品へと切り替わり、
構図に関しても、対象へ接近するかのように、
距離が縮まった印象を受けました。
メリヤスさんの絵が変化された転機などはあったのでしょうか。
A4.
最初は流行っているようなカラフルなトーンでなんとなく制作していました。
でもそこに自分のイズムが何もないなって気づいて、
予備校や学生時代は黒い背景で作品を作ることが多かったのを思い出しました。
原点回帰のつもりでモノクロを試してみたのがしっくりきてこの表現を突き詰めてみようと思いました。
Q5.
9年間勤められた会社を独立されたそうですね!
イラストレーターとして、アーティストとして、
どのような活動をされていきたいですか?
手掛けたい仕事、挑戦されたい表現方法など、
メリヤスさんの今後の抱負を是非お聞かせください。
A5.
海外のお仕事や展示には挑戦してみたいので、近いうちに実現したいです。
具体的な案件だとファッション系や香水/フレグランスなどにも興味があります。
自分のトーンとマッチするブランドやジャンルはきっとあると思うのでその世界観をビジュアルにしてみたいです。
あとはどんな仕事をやりたいかと同じくらい、どんな人と一緒にやりたいかも重要だと思います。
素敵な方々とご一緒できるように自分もスキルアップを頑張っていきたいです。

インタビュアー 須貝美和

HB FILE COMPETITION vol.33 鈴木久美賞 濵佳江個展「アソートメント」

HBファイルコンペvol.33 受賞者展、第3週目の作家さんは
鈴木久美さんの大賞を受賞された濵佳江さん。初個展です!
動物、お菓子、お花…思わず集めたくなるような可愛らしいものたちがぎゅっと詰まった展示です。原画の丁寧な筆致にもご注目ください!

会場ではハンカチやワッペンなど濵さんならではのオリジナルグッズのほか、コンペ受賞ファイルも閲覧できますのでぜひお立ち寄りくださいませ!

一部展示作品は後ほどオンラインショップでもお取り扱い予定です。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

Q1.
鈴木久美賞大賞受賞、おめでとうございます。
受賞を知った時はどんなお気持ちでしたか?
鈴木久美さんに選ばれた感想もお聞かせください。

A1.
受賞を知った時はやった〜!と心が躍るような気持ちでした。そしてだんだん冷静になって覚悟の気持ちに変わりました。

鈴木久美さんの審査評を拝聴した時に、とても細やかな部分まで丁寧に解説してくださっていて主観では気付けなかった捉え方や可能性を知ることができました。ひとつひとつの言葉を糧にして評価していただいた部分をもっと伸ばせるように頑張ろうと思いました。

Q2.
応募されたファイルを作成するにあたり、
工夫されたことや意図されたことなどはありますか?
何かテーマは持たれたのでしょうか。

A2.
一枚の絵を簡潔にすることを意識しました。「りんご」「犬」「花」といった認識しやすいモチーフを選び、「持つ」や「つまむ」などシンプルな手の動作を加えた構成にして、ページをめくるとテンポよくシーンが切り替わっていく見せ方にしてみました。楕円の形に揃えたのは手元に焦点を当てたくて視野を狭くできたらという意図があります。絵のテーマは「理想の暮らし」です。飼っている動物を可愛がったり、季節の果物や植物を楽しんだり、そんな本の挿絵のような世界観を目指しました。

Q3.
受賞が決まり、個展までの約半年間、
決して長くはない準備期間と思われますが
濱さんにとってどんな時間でしたでしょうか?
個展タイトル「アソートメント」にされた理由もお聞かせください。

A3.
この半年間は個展に向けて毎日少しずつ絵を描いていました。頭の中にあったアイデアをたくさん作品にできたので、描き終わった今は気持ちがすっきりしています。時間に追われる日々でしたが東京で個展ができるという非日常なわくわく感を楽しんでいました。

「アソートメント」は「詰め合わせ」や「色んな種類」という意味があると解釈しています。同じモチーフが等間隔に並んでいたり、色んなものが集合しているレイアウトにはなぜか人の心を惹きつけるものがあると感じていて、そんな絵をたくさん描いて並べたいと思いました。お気に入りのモチーフを集めたり、配色や柄を考えたりすることがとても楽しかったです。

Q4.
濱さんの作品は形の美しさはもちろん、
配色においても、青の使い方がとても魅力的だと感じました。
特に、描かれた動物の澄んだ瞳が印象的で心に残ります。
絵とご自身と、丁寧に向き合われているのだなと感じるのですが
濱さんご自身は、描く際に何か心がけられていることはありますか?

A4.
学生の頃はプロダクトデザインを学んでいたので形の美しさを評価していただけることはとても嬉しく感慨深いです。
心がけていることはデザインしている気持ちで絵を描くことです。必要な線や色数をなるべく少なくしたり、レイアウトや配色のバランスにメリハリをつけたり、心地よい形や色のことをいつも考えています。

Q5.
イラストレーションのお仕事で手がけてみたいことや、
作ってみたいグッズ、取り組みたい活動など
濱さんの今後の抱負を是非お聞かせください。

A5.
手がけてみたい仕事はバレンタインのパッケージです。毎年デザインを楽しみにしていて憧れる仕事のひとつです。
作りたいグッズは絵の中でデザインした器や包装紙や靴下たちです。もともとはデザインしてみたいものを絵の中に落とし込んでいるのでそれを実際に作ってみたいです。

絵を描き始めて3年経ちますが、描きたいテーマや細部の表現方法などしっかりと定まっていない部分がまだまだたくさんあると感じています。もっとたくさん作品を描いて研究して、自分らしい絵が描けるように技術とセンスを磨いていきます。

 

HB FILE COMPETITION vol.33 池田進吾賞 三宅崇之個展「_YO_SO_MO_NO_」

HBファイルコンペvol.33 受賞者展、第2週目の作家さんは
池田進吾さんの大賞を受賞された三宅崇之さん。初個展です!
デジタルコラージュによって作られた世界は、静かな佇まいでありながら情熱が感じられます。
会場では、エディションナンバー付きの作品集も販売しているほか、コンペ受賞ファイルも閲覧できますのでぜひお立ち寄りくださいませ!

一部展示作品はオンラインショップでもご覧いただけます。
http://hbgallery.shop-pro.jp/

 

 

Q1.
池田進吾賞大賞受賞、おめでとうございます。
受賞を知った時はどんなお気持ちでしたか?
池田進吾さんに選ばれた感想もお聞かせください。


A1.
全く予期してなかったので、最初は「ん?」でした。
その後に個展のことも書いてあって、だんだん何が起きたのかコトの大きさの実感が湧いてきて、嬉しさと同時に焦りの気持ちに満たされました。

池田さんに選んでいただけたことは、特別に喜びです。
僕がコラージュに手を出したきっかけが大竹伸朗さんで、その大竹伸朗さんの「全景」のあのとんでもない図録をデザインされた池田さんに引っかかっただけでも、何かが繋がった気がして、心底嬉しかったです。

 

Q2.
応募されたファイルを作成するにあたり、
工夫されたことや意図されたことなどはありますか?

 

A2.
当時、コンペのためとかではなく、自分の絵のスタイルを一つに決めようとしていた時期でした。
彫刻作品のように、一つのカタチに魂を込めるスタイルでやっていきたいな〜と思っていて、それで生まれた最初の作品たちをファイルにまとめました。

 

 

Q3.
個展のタイトル「_YO_SO_MO_NO_」
アンダーバーの入り方が魅力的です。
こちらのタイトルにはどんな思いが込められているのでしょうか
個展のテーマもお伺いしたいです

 

A3.
個展のテーマは、居場所が定まらない「余所者感」で、今の自分の心境を表しています。
イラスト業界で仕事がジャンジャン来るような作風ではないことは自覚していて、そんな自分が超有名なイラストギャラリーで展示することに、違和感が半端ないです。

タイトルは、日本語の「余所者」では作品の彼らに似合わないと思い、言葉の意味に縛られない記号的なものにしたくて「YO_SO_MO_NO」を思いつきました。

アンダーバーは空白の意味で使われますが、何かと何かを繋ぐ役目がある気がして、彼らがこれまで歩んできた過去がYの前に、これから向かって行く未来が最後のOの後に繋がるイメージで、アンダーバーを入れました。

 

 

Q4.
三宅さんの作品は、フォトショップによるデジタルコラージュだそうですね。
現在の手法になられた経緯やきっかけなどをお伺いできますか。

A4.
過去に一度アナログ絵で煮詰まってしまって全ての作品をゴミに出したことがあるんですが、あのとてつもない虚しさを感じて以降、二度と作品をゴミにしないように、デジタルコラージュに専念しました。
デジタルコラージュだと、ダメだと思ったらまた解体して再利用できるので、ゴミにならなくて安心です。

 

 

Q5.
イラストレーションのお仕事で手がけてみたいことや、
取り組みたい活動、挑戦されたい表現方法など、
三宅さんの今後の抱負をお聞かせください。

A5.
挿画やCDジャケットに使われたいとは思っています。
ですが、現状イラストレーターとしてコンスタントに仕事が来るわけない作風なので、とりあえず今はもっと色々吸収しつつ、どんどん作品を増やします。
そうした中で、使える作品があれば、ぜひ使っていただきたいです。よろしくお願いします。

 

インタビュアー 須貝美和

HB FILE COMPETITION vol.33 特別賞展 特別賞5人によるグループ展

今週からファイルコンペvol.33の受賞者展が始まりました!

6月30日から8月9日まで、受賞者の作品を展示致します。第1週目(6/30(金)-7/5(水))は、特別賞に輝いた受賞者5名によるグループ展です。5人それぞれの個性が光る展示をどうぞお楽しみください!

池田進吾特別賞 / ちなみ
河西達也特別賞 / kigimura
鈴木久美特別賞 / のなかあやみ
鈴木成一特別賞 / えだようこ
八木彩 特別賞 / 安里貴志


八木彩 特別賞 / 安里貴志


鈴木久美特別賞 / のなかあやみ


河西達也特別賞 / kigimura


池田進吾特別賞 / ちなみ


鈴木成一特別賞 / えだようこ

 

 

HBファイルコンペVol.34の募集もはじまりました!

審査員は、河西達也さん、鈴木久美さん、鈴木成一さん、
そして今年は、葛西薫さん、服部一成さんが新しい審査員として加わりました!

応募要項・小冊子はギャラリーで配布しております。ギャラリーでのお申し込みのほか、
PASS MARKETからのお申し込みも受付中です!

 

「HB WORK Vol.5」は、albireo(アルビレオ)さん、川名潤さん、黒田貴さん(新潮社装幀部)、

そして新たに池田進吾さんが審査員として加わりました!

 

https://passmarket.yahoo.co.jp/event/show/detail/01fjnbf98qy21.html

↑詳細はこちらから。たくさんのご応募、お待ちしております!