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8月2020

植松しんこ個展「音楽がきこえる」

今週の作家さんは植松しんこさんです。4月に延期となった展示をついに開催!描きおろし作品をはじめ、今回はじめて挑戦されたというレリーフ作品も必見です。植松さんならではの美しい色彩と、温かみのある世界観をお楽しみください!

学生の頃からずっと音楽に慣れ親しんできたという植松さん。ユーフォニアムやトロンボーン、ベース、フルート…など楽器経験も豊富。現在も趣味で音楽を楽しまれているそうです。今回はそんな大好きな音楽をテーマに。音楽や楽器のある暮らしの風景が色彩豊かに描かれました。美大出身ではなく、絵の具の使い方も手探りだったそうですが、好きだなと思った色を手に取り自由に描かれているそうです。

イラストレーターになる前は、インテリアに関わるお仕事をされていた植松さん。趣味で制作していたコラージュ作品をブログで発表されていたそうです。その作品が雑貨店の目にとまり、お店でオリジナルポストカードを置いてもらえるようになったとのこと。そこから楽しくなり、インテリアのお仕事をしながら作品づくりを続けられたそうです。友人たちとグループ展を開催したり、イラストレーターという職業についてリサーチをし、少しずつ目標に近づいていったそうです。

2011年にコラージュ作品で手帳を手掛けられたのが最初のお仕事。現在も植松さんが手掛けられていて、もうすぐ新作が発売となるそうです。その他、女性誌のカットやファッションにまつわるお仕事、広告のお仕事など幅広くご活躍されています。線画のお仕事はここ1~2年で増えているそうで、HB塾の課題をきっかけに線画を描き始めたとのこと。instagramを通じてお仕事が来ることも多いそうです。

細やかな造形に惹きこまれる新作のレリーフ作品(粘土)は、今年の4月に初めて作ったもの。平面作品を描く際に、オイルパステルで描く質感が陶器の質感と似ていることから、立体作品も作ってみたいと思うようになったそうです。陶芸も通い始めたそうで、次は本当の陶芸作品を作りたいとのこと!

このお仕事をずっと続けていきたい、と植松さん。装画やパッケージのお仕事もやってみたいそうです。今後益々のご活躍が楽しみです!

藤枝リュウジ賞 湯浅景子個展「scratch lines」

ファイルコンペvol.30の受賞者展、ラストを飾るのは藤枝リュウジ賞を受賞された湯浅景子さんです。針でひっかくように描かれた線や、マチエールにひきこまれる湯浅さんの作品。3回目の応募で見事大賞受賞となりました。原画ならではの迫力をお楽しみください!

 

今回描かれたのは世界中の日用品。本来ならばオリンピック開催の年だったということもあり、様々な国の物を描こうと思ったそうです。描かれたのは湯浅さんが所有しているものがほとんどで、ほうきや糸、くし、シェイカーボックス、はえたたき…などユニークなものも。ここ数年で本格的に絵を描くようになった湯浅さん、これまでは本屋さんを経営されていました。

 

27歳の時に本好きが高じて、旦那さんとご友人の3人で地元の名古屋で本屋を開業。海外へよく行かれていたそうで、そこで仕入れた建築本や写真集、アート本を置いていたそうです。当時はそのような本屋がまだ少なく、東京から来るお客さんも多かったとのこと。お店をやっていた10年間は一切絵は描かなかったそうですが、その間に様々な作品を見てインプットしていたのだそう。

30代後半になり、やっぱり絵を描きたいという気持ちが強くなり、本屋を辞め再び絵を描き始めることに。絵は辞められなかった、と湯浅さん。これからはずっと絵を描いていこうと決意。今も本屋時代に知り合った人たちとの交流があり、そこからお仕事に繋がることも。人と人との繋がりを作るための10年だったのかな、と感じるそうです。

これまでにも様々なコンペで受賞歴のある湯浅さんですが、絵は独学で学ばれたそうです。はじめは画材の使い方を学ぶために画材店でアルバイトを。絵を描いたら人に見てもらいたくなり、様々なコンペに応募するようになったそうです。個展はこれまでに地元の名古屋、京都、東京などで開催。個展の際には、毎回その場所と空間に合わせて新作を描くようにしているそうです。体力はすごく使うけれど、今後も個展のお話があればやっていこうと思っているとのこと。 寄り道をしてきたので、焦らず怠らず、一生描いていけたらと湯浅さん。1枚1枚命を吹き込むように描き、それが仕事へと繋がったらベスト、とのこと。今後の作品も楽しみです!

夏期休廊、オンラインショップお休みのお知らせ

まことに勝手ながら、

8月13日(木)〜  8月20日(木)まで、夏期休廊とさせて頂きます。

それに伴いまして、HBオンラインショップの発送業務もお休みさせていただきます。
休廊期間中にいただきましたご注文やお問い合わせについては、
8月21日(金)以降に順次対応させていただきます。商品到着が遅れますことご了承くださいませ。

ご不便をおかけ致しますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

仲條正義賞 カワシマナオト個展「ファーストキッス」

ファイルコンペvol.30の受賞者展、第6週目の作家さんは、仲條正義賞を受賞されたカワシマナオトさんです。
今回が初個展となりました。自由なカタチと色彩で表現された、夏のドキドキとワクワク感をお楽しみください!

 

 

Q1.受賞のお知らせを聞いた時はどう思いましたか?

A : めちゃくちゃ嬉しかったです。未だに嬉しさが色褪せないです。

 

Q2.いつ頃から今のタッチになりましたか?

A : 2019年のちょうど今頃です。

 

Q3.作品を作る上で心がけている事はありますか?

A : たまに絵は自由なんだという事を忘れてしまいそうになるので、そういった意味で真面目になり過ぎないように注意しています。

 

 

 

 

Q4.最近はどんなイラストのお仕事をされていますか?また、今後手掛けてみたいお仕事はありますか?

A:3年程前から集英社の男性ファッション雑誌UOMOで連載のお仕事をさせて頂いてます。してみたい仕事としては、街へ出て自然と目にできるような、広告だったり本の表紙だったりへの憧れはずっとあります!色々な媒体で、デザイナーさんに自分の絵を素材にデザインしてもらって、新しい姿になるのを見たいです。

 

 

Q5.憧れのイラストレーターさんはいますか?また今後お仕事をしてみたいデザイナーさんはいますか?

A:イラストに興味を持ったきっかけの中村佑介さんだったり、小笠原徹さんやイラストレーターではないですが、アーティストの水野健一郎さんです。お仕事したいデザイナーさんは仲條正義さんです!

Q6.ペーターズギャラリーのスタッフだった経験で絵の参考になるような出来事はありましたか?

A:ペーターズギャラリーは、常設でペーター佐藤さんのポストカードやグッズの販売、そして定期的にペーター佐藤展を開催していたので、それをじっくり目にすることが出来たので、とてもためになりました。

 

 

Q7.ファイルコンペにこれから応募する人に何かアドバイスがあればお願いします!

A:表参道のHBギャラリーさんで個展が出来る権利をかけた、1年に1度のドリームジャンボ宝くじみたいなノリで、コンペを楽しめたら最高だと思います!

 

 

カワシマさん、夏にぴったりな作品をありがとうございました!今後の作品、お仕事も楽しみにしております!

鈴木成一賞 田澤ウー個展「ふつうの生活 いつもの時間」

ファイルコンペvol.30の受賞者展、第5週目の作家さんは、鈴木成一賞を受賞された田澤ウーさんです。ダンボールを切り貼りし、パズルのように色面を組み合わせて描く田澤さん。15年ぶりの応募で見事大賞に輝きました!田澤さんが描く、愛らしいふつうの日々をお楽しみくださいませ!

 

 

16年前のHBファイルコンペvol.14で藤枝リュウジ特別賞を受賞された田澤さん、今回新たな作風で約15年ぶりに応募し、見事大賞受賞となりました。鈴木成一さんからはこのような受賞コメントが贈られました。『コントロールのしづらい技法がかえって絵に強さを与え、同時に説明のしづらさがかえって想像力を喚起する。』

以前から田澤さんの作品に注目されていた鈴木さん、昨年のペーターズギャラリーのコンペでは次点に選ばれています。今回はどこにでもある普通の風景をテーマにすることで、観る方に自由にイメージを広げてもらえたら、と田澤さん。あえて人物の表情も描かなかったそうです。

 

 

この技法で描き始めたのは1年半前、輪郭線を気にせずに描くことのできる方法が無いかと考えていた時に、明け方にベッドの中で思いついたそうです。様々な技法を試しようやくこの技法に辿り着いたとのこと。この技法がきっかけで作家名を改め、作品サイトも新たに作り、コンペにも挑戦。早くも反応をもらえて嬉しかった、と田澤さん。今年中に個展をやろうと思っていた矢先での大賞受賞だったそうす。

 

 

会社勤めをしながらイラストレーターとして活動されてきた田澤さん。安西水丸塾の仲間、山崎杉夫さんと信濃八太郎さんとの3人展は10年以上続いているそうです。会社から帰って、ラクガキでも何でもいいから1日1枚描こうと思い、机に向かうようにしていたとのこと。今描いている絵がどの程度受け入れられるのか、コンペに出し続けたり、展示で発表してみたりと、辞めようと思ったことは無かったそうです。「やっぱり好きだから」と田澤さん。これからも本も雑誌も、どんな仕事でもやってみたいとのこと。お仕事でも拝見できるのが楽しみです!