4月2014
今週の作家さんは、きたざわけんじさんです。
HBでは6年連続、6回目の個展となります!
今年も、春らしく清々しい風が感じられるような作品が並びました。
木製パネルを組み合わせ、絵の具で直描きされたライブ感のある作品や、
色とりどりなデジタル表現の作品、鉛筆線のラフスケッチなど
きたざわさんのすべてが見れるような展覧会です!
4月25日(金)まで開催しています。お見逃しなく!
– 今回、展示されているのはすべて描きおろしですか?
パネル作品はすべて描きおろしです。
プリント作品は過去に描いた絵、描きおろした絵など混ざっています。
最近、抽象画の方へシフトしたいという気持ちがあります。
アートまではいきませんが、平面構成的な抽象画も描いていきたいなと思っています。
– 最近のお仕事でそういったものはありましたか?
「 恋愛は小説か」の装画、「難民・強制移動研究のフロンティア」の装画で描かせて頂きました。
今回、パネルに描いたような抽象的な絵も、仕事になったらいいなと思い展示しています。
– 抽象画でやってみたいお仕事はありますか?
書籍の仕事をもっとやりたいです。
具象だと上手な方はたくさんいますので、負けてしまうかなと。
– 現在、お仕事の割合としてはどんなジャンルのものが多いですか?
広告やカタログの仕事が多いです。
広告の仕事は値段交渉などもできるので、そういう点でいいなと思います。
– 普段、絵を描いていて変化してきたことなどありますか?
変わらないですね。最初に決めたものをずっと描き続けています。
どんどん作風を変えていくことで、仕事につながっている方もいますが、
ぼくはうまくできないんです。楽しく描けているので、そのまま続けていこうと思っています。
– きたざわさんの絵とすぐにわかりますし、世間に定着しているのがいいですよね。
「こんな感じで描いてください」と以前描いた絵を見て
仕事をくださる方もいますので、変える暇もないといいますか…
ずっとお仕事を頂けているので、変える必要もないかなと思っています。
– お仕事の量や種類が変わったなと感じますか?
最初の頃と比べてもそんなに変わっていないと思います。
ギャランティは下がってきたかなと。
イラストレーターが増えすぎて、仕事の取り合いみたいになっているんだと思います。
続けられないと残れないのかなと感じますし、これからは突出した何かや
だれも真似できない作風がないとやっていけないんじゃないかと思います。
– 現在も売り込みはされていますか?
去年は5~6件行きました。
現実的に、仕事のスケジュールなどで行けないんですよね。
自分で調べられる範囲では行き尽くした感があるので、最初の頃よりは行く所が減りました。
デザイン事務所でお勤めされていた方が、フリーランスになられて
そちらに売り込みへ行ったりしています。
売り込みに行ったほうが、仕事にはつながりやすいと思います。
10件行って、1~2件は仕事を頂けるかなと。
– きたざわさんは、展示を見にいらしたイラストレーター志望の方などへ
熱心にお話しをされている印象があります。
学校の先生もお似合いだなと感じますが、そういったご依頼はありますか?
今のところお声掛けいただいたことはないですが、やってみたいなとは思います。
教えるのは嫌いじゃないです。でも守りに入ったと思われるんじゃないかと…。
本業がおろそかになってしまいそうだなとも思うので、今の中途半端な気持ちじゃ難しいかなと。
– いつかオファーがあるといいですね。
これまでも様々なお仕事を経験されていると思いますが、ほとんどのジャンルは経験されましたか?
カレンダーの絵を描くこと以外、ほとんどやらせて頂けたと思います。
仕事が忙しくて首が回らないとよく言いますけど、それくらい仕事がしたいですね。
個展をやる暇がないくらいもっと仕事がしたいです。
– 今もとてもお忙しそうですが…!
最後にご自身で思う、長くイラストレーターを続けてこれた秘訣は何だと思いますか?
自分にはこれだという気楽なイラストレーションをみつけて
好きで描き続けられたことだと思います。
青山塾へ通っていたときも、課題のときは極力、人物は描きませんでした。
みんなと同じものを描いても、仕事は来ないんじゃないかと。
みんながやっていないことで、自分がうまくやれるものをみつけたことだと思います。
人物を描かないイラストレーションでもやっていけるという。
あとは、真剣に考えないこと。それがいいんじゃないでしょうか。
– なるほど。楽しく描けることが大事ですね!貴重なお話ありがとうございました。
2014年4月21日 11:00 AM |
カテゴリー:未分類 |
コメント(0)
まことに勝手ながら、
4月26日(土)〜 5月8日(木)まで、GW期間のため休廊とさせて頂きます。
それに伴いまして、HBオンラインショップの発送業務もお休みさせていただきます。
休廊期間中にいただきましたご注文やお問い合わせについては、
5月9日(金)以降に順次対応させていただきます。
商品発送は5月12日(月)以降となります。商品到着が遅れますことご了承くださいませ。
ご不便をおかけ致しますが、どうぞよろしくお願いいたします。
2014年4月21日 10:00 AM |
カテゴリー:未分類 |
コメント(0)
今週の作家さんは鈴木さや香さんです。
HBでの展示は、HBファイルコンペvol.19での特別賞展以来、約5年ぶりとなります。
ギャラリーでの個展は今回が初めてだそうです。
パステルの涼しげなグラデーションのタッチが印象的な鈴木さんの作品。
今回はそのタッチを軸に、より一層広がりを感じさせる表現にも挑戦され、
さまざまな海の表情を描きました。見る人それぞれの、海の記憶が呼び起こされるような
どこかノスタルジックな気持ちになれる素敵な展覧会となっております。
鈴木さんが書かれた、それぞれの作品にまつわるお話とあわせてお楽しみください。
− 今回の展示テーマをお聞かせいただけますか?
まずはじめに、海にまつわるものを描きたいなという思いがありました。
「何を描こう」というところからスタートし、ストーリーを感じられるものを描きたい!と。
自分の実体験だったり、ノンフィクションな部分とイメージを追加して織り交ぜた
色々な海のストーリーを作りました。
– 「海のある地域にうまれました」と書かれていましたが、ご出身はどちらですか?
静岡県の焼津市というところです。まぐろの水揚漁で有名な土地なんです。
地元以外の方が焼津に来ると、まず電車のドアが開いた途端「魚くさい!」と言われます
それくらい海沿いの町です。学校帰りにふらっと海に寄ったりしていました。
– とても身近な存在だったのですね。
今回展示をするにあたり、見せ方で意識されたのはどんなところですか?
新しいことをしたかったのですが、あまりいつもの作風とかけ離れると、
それらを描かないと思われるのも嫌で、そのバランスが難しかったです。
– 色んな手法で描かれているように見えますが、画材はどんなものを使われましたか?
パステル、リキテックス、ラッカーなどを使って描きました。
普段から印刷のような表現が好きで、版のずれた感じを自分でもやりたいなと思いました。
昔のロシア絵本のような表現が好きなんです。
今回はスプレー表現が 特におもしろかったです。古い感じの印刷のような表現ができるところや、質感が好きですね。
– 手法は違っても、鈴木さんのすきな雰囲気が出ていて素敵だなと思いました。
お話もとてもおもしろかったです。文章は普段から書かれているのですか?
普段は書かないですが、本を読むのが好きです。
ミステリーも、旅行記も、ジャンル問わずなんでも好きです。
自分でも絵と文章をいつか描けたらなと思います。
– 鈴木さんは以前、DRAFT でお勤めされていたそうですが、
どのようなお仕事をされていたのですか?
D-BROS事業部というところで、ステーショナリーの営業を3年ほど担当していました。
デパートやミュージアムショップなどのお取引先へ営業に行きました。
全般的な営業活動にたずさわれましたし、ものを作って売るとはこういうことなんだ、と
とても勉強になりました。
– 営業職をされていたのですね!その後、イラストレーターの道へ進まれたのですか?
会社を辞め、絵本作家になりたくて公募へ出しました。でもなかなか通らない…。
文も絵も、いきなり一緒には無理だとわかり、絵だけに絞りました。
友人に「HBファイルコンペというのがあるよ」と紹介してもらい、
その時に応募した作品で、副田高行さんの特別賞をいただきました。
受賞のお電話をいただいたとき、派遣の事務仕事の最中だったのですが、
電話口で「本当ですか?!」と驚きました。感動してすぐに親へ電話したことを覚えています。
– こちらも嬉しいです!その後は売り込みなど行かれたのですか?
出版社やデザイン事務所へ作品の持ち込みに行きました。
ひどいこともいっぱい言われて、 泣きながら帰ったこともあります…
自分の作風は出版業界には合わないのかなと思い、
イラストレーターをマネジメントしている会社へ持ち込みに行きました。
しかし、そこでの描いてほしい絵とは、
” きれいなOLさんがお茶をしている絵 “といったようなものでした。
なかなか合う人に出会えなかったんです。
最初にいただいたお仕事は、DRAFTを出て独立した方からいただいたものでした。
「母の日のカーネーションを、上手に描かないでほしい。自由に。」といった依頼で、
形をくずして、カーネーションとギリギリわかるくらいの絵を求められました。
「いつものよくわかんない感じで描いて」と言ってもらえたことで、
こういう人と仕事をすればいいんだ!と思えたのです。
自分と合う人とはそんなに出会えませんが、
みんなと同じ進路を選んでも、自分は違うのかなと思いました。
たとえば、絵からモノを作ったりすることは、他の人に評価されなくても1人で動ける。
納得できる何かを常に探しています。
– その気持ちを保つことは、大変ですがとても大切ですよね。
今後、こんなお仕事をやってみたいと思うことなどお聞かせいただけますか?
テキスタイルをやってみたいです。
今回描いたような、波のチェックで布を作り、スカートやワンピースにしたいですね。
海外の方ともお仕事をしたいですし、向こうのテキスタイルと組めたらおもしろそうだなと思います。
青が好きなのですが「自分はどの青が好きなんだろう?」と何年も研究しているんです。
今は、少し紺がかった紫っぽい青が好きだなと。
「キタノブルー」のような、自分の色みたいなものがいつか欲しいです。
– それはおもしろいですね!完成したらぜひお知らせくださいね。
素敵なお話をありがとうございました!
2014年4月14日 6:16 PM |
カテゴリー:未分類 |
コメント(0)
今週の作家さんは最上さちこさんです。HBでの個展は約2年半ぶり、4回目の個展となります。
元HBスタジオのデザイナーでもある最上さん、現在はフリーのイラストレーターとして
数々の装画や挿絵を手掛けられています。
見ているだけでハワイの風を感じられるような、のんびりとした心地のよい作品たちが並びました。
ハワイへ旅に行きたいなぁ…と思わせてくれる、最上さんの描く丁寧で美しい原画の数々、ぜひ見にいらしてください!
– まずは今回の展示テーマについてお聞かせいただけますか?
ハワイ島は真ん中に山があって、その周りをぐるりと一周できるような道があるんです。
そこを5日間かけて車で周り、見てきた風景を描きました。
信号もなく、道も混んでいないので同じスピードでドライブができて気持ちよかったです。
あまりにもよかったので、今回個展で描いてみようと思いました。
– ハワイ島の良さはどんなところにありますか?
空気がきもちいいですし、とにかく心地よかったです!
緑がたくさんあるのですが、その一方で火山もたくさんあって、人を寄せつけず木も育たないような
ハードな土地だなぁと感じる場面もありました。
溶岩台地なので、黒いビーチが存在したり、塀も溶岩で出来ていたり、道路の脇には溶岩が転がっていたり…
人が謙虚に、自然から土地を借りて住んでいるんだなという印象を受けました。
– 最上さんの絵からも、すてきな場所なんだろうなというのが想像できます。
今回の作品はなにで描かれているのですか?
下地として墨汁で濃淡を描き、その後アクリルガッシュとリキテックスで着彩、色鉛筆でタッチを付けています。
– 深みのある色合いがいいですね。
少し遡ったお話しをお聞きしたいのですが、最上さんは子供の頃から絵がお好きでしたか?
幼稚園くらいからずっと一人で描いていました。
チラシの裏に絵を描いたり、少し大きくなってからは自分で自由帳を買って描いていました。
高校では美術部に。その後の進路は一般大か美大で迷ったのですが、美大へ行くという決定的な理由がなく、
周りにも美大へ行く人がいなかったので、芸術分野も学べるような一般大学へ進むことを決めました。
でもそこが落ちてしまい、1年浪人することに。
母親に「美大、目指してみたら?」と言われたのがきっかけにもなり、
美大進学向けの予備校に1年間通って、金沢美術工芸大学へ入りました。
– イラストレーターを目指そうと思ったのはいつ頃でしょうか?
大学生の頃です。同級生が就職活動をしている中、
自分は知り合いに紹介してもらった、東京の出版社やデザイナーに絵の持ち込みに行きました。
訳のわからない絵や、ヘタな絵も持ち込みに行って…
その頃の作品を見ると「こんなひどい絵を持って行ったんだ!」というのもあれば
「この頃の方が描けていたなぁ」というのもあったりして。安定していなかったですね。
卒業後は実家のある群馬へ帰り、バイトをしながら絵を描いて生活をしていました。
デザイン科の教授からは心配されていましたね。
その頃の私は「就職したって、やりたいことできない!」という感じでした。
でも実家に1年ほど居ると「これはヤバいな…」と思うようになり、
それからはデザイン事務所の求人に応募しました。そのとき、HBスタジオの唐仁原さんが拾ってくれました。
– そんな過去があったんですね!最上さんはいろんなタッチや技法で描くことができますが、
それらは仕事で求められる中で出来るようになっていったのですか?
色鉛筆は最初の頃から使って描いていました。
水彩は唐仁原さんが描く絵を見て、自分でもやってみたいなと思ったんだと思います。
ポンと描いた絵を唐仁原さんに「いいね」と言ってもらえて、
いいところを拾ってまた描いてみるということを繰り返したり。
今は仕事の内容によって描き分けたり、先方から「今回はこの描き方で」というリクエストがあったりします。
– どのタッチでもお仕事をされているのがすごいなぁと思いました。
最上さんはご自身でもデザインが出来るので、装丁と装画の両方を手掛けてみたいと思うことはありますか?
ぜひやってみたいです。
HBスタジオではデザイナーでもあったので、装画と装丁も含めやらせていただけたら嬉しいです。
– 今後、こういうお仕事をやってみたいというものはありますか?
今は出版系の仕事が主なので、それ以外、広告などにも仕事の幅が広がればいいな、と思います。
今回の展示のように旅行に行き、取材して描くというのもいつかやってみたいです。
連載も大好きです。ずっとそのお仕事と一緒に、ゆっくりと付き合っていけるようなところがいいですね。
いつか新聞連載も…! 50歳くらいにはやれていたらいいなぁと思っています。
– すぐにでもお仕事が来そうですね。これからも様々なお仕事で拝見できるのを楽しみにしています!ありがとうございました。
2014年4月8日 11:42 AM |
カテゴリー:未分類 |
コメント(0)