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8月2019

仲條正義個展「一九、仲條」展

今週の作家さんは、アートディレクターの仲條正義さんです。

今年の展示はオール新作、摩訶不思議な仲條ワールドをご堪能下さい!

作品は¥97.200-(税、送料、額込み)で販売いたします。tel.03-5474-2325(HBギャラリー)

 

仲條正義賞 
矢入幸一個展「age」

HBファイルコンペvol.29の受賞者展、ラストを飾るのは仲條正義賞大賞に選ばれた矢入幸一さんです。
前回2月の個展から、6ヶ月という短い期間で制作された今回の新作。世相から感じることや日頃から感じていることを、バリエーション豊かに力強く表現されました!ぜひお越しくださいませ!

日頃から関心があるという世の中の出来事をテーマに、26歳の今だからこそ感じられることを表現されたそうです。前回の初個展では、自分の世界を多く見てもらいたいという気持ちだったそうですが、今回は自分の特徴だけではなく、世の中と繋がったことで自分のフィルターを通して表現したいと思った、と矢入さん。受賞の知らせを聞いたときは、お勤め先で頂き物の大量のワカメを無心で洗っていた時だったそうです。仲條賞と聞いた後は、ワカメを洗うのも楽しくなるくらい嬉しかった、と矢入さん。HBファイルコンペは初めての応募でした。

 

黒いざらっとしたノイズのような下地を生かしつつ、今回はより絵の具のタッチを増やしてみたとのこと。白をベースに、ざらっとした質感は残しつつ、調子やグレーの階調が広く出せるように意識されたそうです。絵のお仕事で一番やりたいことは、個人のお部屋や企業の一室やエントランスなどに絵を飾ってもらうこと。頼まれて描くことも増えて来たそうで、依頼者の方とのさりげない会話からどんな絵が合うかイメージを膨らませるそうです。

 

 

普段デザイナーとしてお勤めされているため、デザインは仕事、絵は活動、と分けてしまうそうですが、今後は絵も仕事にしていけたら嬉しいとのこと。ストーリーを1枚で表現するのこともお好きだそうで、どういう絵が一番伝わるのかは常に意識しているそうです。本の表紙やファッション系のお仕事もやってみたいそうで、モノに落とし込んだところを実際に見てみたいとのこと。ご自身でもTシャツやトートバッグなどさまざまなグッズを展開。ぜひ会場でご覧いただきたいです!

 

鈴木成一賞 
一乗ひかる個展「運動と発育」

HBファイルコンペvol.29の受賞者展、第6週目は鈴木成一賞大賞に選ばれた一乗ひかるさんです。活発で生き生きとした女の子たちを、シルクスクリーンやUVプリントなどさまざまな印刷で表現されました。今回の個展のために描かれた涼しげな新作やグッズ販売も!お楽しみに!

 

昨年の審査では、鈴木成一さん以外の審査員からも高評価だった一乗さんの作品。落ちたかな…と思っていた頃、受賞の知らせがありすごく嬉しかった、と一乗さん。ファイル作りは、自分の強みが伝わる作品を中心に選ばれたそうです。この作風でいろいろ表現できることも伝えたかったそうで、全体感を損ねない程度に幅を持たせてもいるとのこと。HBファイルコンペは2回目の応募でした。

 

今の作風になったのは2年程前から。デザイナーとして働いているときに描き始めたそうです。会社員時代は深夜2~3時まで働く日々だったそうですが、それでも描き続けられる絵を模索していたとのこと。その頃はまだ絵の具でリンゴを描くといったような、仕事に合わせて作風を描き分けることもあったそうです。

 

昨年秋のTIS公募受賞者展での展示や、玄光社の「ファッションイラストレーション・ファイル」の巻頭で紹介してもらったこと、個展を開催したことなど、少しずつ絵を見てもらえる機会が増えたことがお仕事に繋がるきっかけになったと感じるそうです。TIS受賞者展のあと、鈴木成一さんが装画のお仕事をくださったことが、やる気にもなり絵を描く勢いがついたとのこと。
普段のお仕事の絵はデジタルで、展示の際にはシルクスクリーンなどアナログな手法も用いるそうです。これまでの作品もほとんど女の子を描かれてきたそうで、体の曲線を描くのが特に楽しい、と一乗さん。

音楽関係のお仕事は意外にもあまり経験がないそうで、いいバンドやラッパーなど、好きな音楽に関わってみたいそうです。スポーツブランドとのお仕事も目標だそうで、スニーカーをテーマにオリジナル作品も制作されています。特にNIKEのお仕事をいつかやってみたいとのこと。とにかくいいデザイナーさんといい仕事がしたい、と一乗さん。今後益々のご活躍が楽しみです!

夏期休廊、オンラインショップお休みのお知らせ

まことに勝手ながら、

8月8日(木)〜  8月15日(木)まで、夏期休廊とさせて頂きます。

それに伴いまして、HBオンラインショップの発送業務もお休みさせていただきます。
休廊期間中にいただきましたご注文やお問い合わせについては、
8月16日(金)以降に順次対応させていただきます。商品到着が遅れますことご了承くださいませ。

ご不便をおかけ致しますが、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

藤枝リュウジ賞 桃山鈴子個展「わたしのイモムシ」

HBファイルコンペvol.29の受賞者展、第5週目は藤枝リュウジ賞大賞に選ばれた桃山鈴子さんです。
ファイルは20作品、すべてイモムシの絵で統一。審査員たちも魅了された美しいイモムシの世界をお楽しみください!

「ジャコウアゲハ、ウマノスズクサ」

今回描かれたイモムシたちは、すべて桃山さんが実際に飼育されて描かれたものです。自然豊かな環境にお住まいで、家のまわりで昆虫採集ができるとのこと。個展期間中はイモムシの世話ができないため、今現在、サナギの状態のものが5匹。孵化しそうなものは、木にクリップで留めてきたのだそう。描く時はなるべく触らないよう、筆に載せたりし、傷めないように観察するそうです。手の油がイモムシの呼吸を妨げる恐れがあるとのこと。

「ナミアゲハ」

「イボタガ、ネズミモチ」

虫を好きになったのは小学1年生のころ。さみしかったときうつむくと草むらや地面に虫をみつけ、笑顔になれたそうです。特にイモムシがお気に入りで腕に這わせてあそぶときのイモムシの足がぴとぴとと肌にすいつく感触が好きだったそうです。虫を触っているか、絵を描いているか、本を読んでいるか…そんな子ども時代だったそうです。今から10年ほど前にも、再び虫に救われるような出来事が。本格的に虫を描こうと思ったきっかけになったそうです。

「クロシタアオイラガ」

はじめからイモムシの展開図を描いていた桃山さん。実際に虫を開いて描いている訳ではなく、色々な角度から観察し、平面上でいくつものイメージを繋ぎ合わせて描いているとのこと。背中からお腹まで、繋がっている連続した美しい模様の流れを途切れさせずに、一つの画面で全て同時に観ることができたらどんなに美しいだろうと考えた結果、虎の皮の敷物やサンマの開きのような展開図を思いついたそうです。
画材はアクリルインクと丸ペンを使用。美しさと不思議さ、どうしてこんな模様になるのか頭では理解できないところが魅力なのだそうです。イモムシは描き終わったら元に居た自然に戻すそうで、7~10日程度、手元に置いておき飼育しながら観察して描かれるとのこと。一生懸命葉っぱを食べているところも、ウンチをしているところも、全てが可愛いなと感じるそうです。

「シャクトリムシ、ワビスケ」

イラストレーションのお仕事では特に本の装画と絵本に興味があるそうです。みんながネコが好きだからネコ、イヌが好きだからイヌを描くようにイモムシを描いていきたい。イモムシの展開図はライフワークとして続けていきたいそうです。