3月2022
今週の作家さんは山口志のぶさんです。HBでは初めての個展開催となりました。蜜蝋を使った技法で描かれる山口さん、どれも一度しか刷ることのできない1点ものの版画なのだそうです。偶然性を生かした、繊細かつ大胆な表現をお楽しみください!
2年ほど前から蜜蝋を使って描くようになったという山口さん。それまでは電線や風景、人物など細かな描写を得意とされていました。蜜蝋は細かなタッチが描けない分、シンプルなモチーフを描くのに向いているとのこと。今までの自分にはなかった描き方で、思うように描けない偶然の産物を楽しんでいる、と山口さん。
蜜蝋画の雰囲気を残したいという理由から、色は先に着彩されるそうです。手を加えることは極力せず、シンプルに描くことを楽しんでいるとのこと。新作では色を使わず、デジタル上で版を重ねたりするなど、色をつけない方が表現の幅が広がるとも感じるそう。イラストレーターとしてまた違った可能性を見い出せるのではと山口さん。
版がうまく剥がれきれず、それによって表れるマチエールがあったりと、まだまだ奥が深いという蜜蝋画。試しながら、楽しみながらたくさん描いてきたそうです。この技法での発表は今回が初めて。これから、書籍や広告など幅広く挑戦していきたいそうです。この雰囲気でお仕事にも使ってもらえたら嬉しいとのこと。人物など色々なモチーフにも挑戦していきたい、と山口さん。今後の作品も楽しみです!
2022年3月30日 11:17 AM |
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今週の作家さんは陣内昭子さんです。HBでは初めての個展開催となりました。絵本『ふうちゃんとミーのぼうけんのうた』の原画や、舞台ポスターの原画、新作「Welcome to the world」と題した新生児を描いたシリーズも!優しく力強い陣内さんの世界観をお楽しみください!
Q1.今回の展示テーマや、個展でやってみたかったことなどお聞かせください。
作家としてのキャリアをスタートするアクションと位置付けています。
その上で、色や形を重ねるように、これまで重ねて来たことの軌跡を辿れるといいなあと思いました。
Q2.絵本を作ろうと思ったきっかけや、「ふうちゃんとミーのぼうけんのうた」の着想はどんなところからでしたか?
劇作家・演出家の山崎元晴さんから依頼されて足掛け5年の「人生旅行」の公演、
「錆色の木馬」が、2020年5月に最初の緊急事態宣言で中止になり、
描いた木馬の絵が無駄になってしまったことがきっかけです。
その木馬を主人公の絵本を描こうと決めました。
2020年3月に決めて最初のプロトタイプを作るまでの4ヶ月は何かに取り憑かれたように描いていましたね。
木馬が女の子と空に旅立つという話がどこからともなく降りてきて
あとは、登場人物たちに引っ張られるように進んでいきました。
「うたがあればどんなところにも行けるし、誰とでもつながれる」という
ことも、物語の核になっています。
Q3.作品作りで心がけていることはどんなことですか?
「ものがたり」でしょうか。1枚の絵でも、その背景にどんなことがあるのか
自分の中でおはなしを作って色ひとつでも決めていきます。
そうすると表現したいことのゴールがはっきりするという感じになります。
Q4.今回個展をしてみていかがでしたか?
大好きなHBギャラリーに自分の絵が飾ってあって、
知人との再会、新しい人との出会いのきっかけに
自分の作品があることがとても幸せな気持ちになりました。
今日、英語圏からの旅行者の男女の方から
絵本の内容を説明してくださいと言われ、
物凄いブロークンイングリッシュで読み聞かせして、唄を歌いました。
本を買ってくださったときは嬉しかったですね。
Q5.今後の活動予定、やっていきたいこと、お知らせなどありましたらぜひ!
10月に淡路島の洲本市の図書館で、絵本の原画展を持ち込みでやらせて
もらうことになっています。ふうちゃんが帰っていくときのあさひの海は
瀬戸内海のようにも見えるので島に行くのが楽しみです。
あと、今回始めた赤ちゃんの絵を発展させる制作を続けていきたいと思っています。
その子の癖や好きな洋服など、ヒアリングしていくつかのお気に入りの写真をいただき
1枚のポートレートをオリジナルで作成するサービスも開始します。
今後もSNSなどを通じて発信していきたいです。
2022年3月22日 3:09 PM |
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今週の作家さんは原裕菜さんです。HBでは約5年ぶり、3回目の個展開催となりました。個展のために描かれた新作のほか、CMアニメーションのお仕事の原画や直木賞受賞作『渦 妹背山婦女庭訓 魂結び』(大島真寿美著)の装画など、貴重な原画の数々をご覧頂けます!原さんならではの筆致と、民話のような不思議な魅力のある世界観をお楽しみください!
Q1.今回の新作のテーマをお聞かせください。
装画の仕事などで人物や小物など要素の多い絵を描くことが多かったので、それに合わせてオリジナル作品も賑やかな群像を多く描きました。
Q2.アニメーションのお仕事がとても印象的でした。制作してみていかがでしたか?
実際の原画は70枚ほど描いているのですが、やはりその枚数を2〜3週間の短い期間で描いたのが大変でした。
同じ人物を色々な角度から描くというのも初めてでしたので、とても勉強になりました。
Q3.オリジナルの作品作りで心がけていることはどんなことですか?
身の回りの変化や社会のことに関心を持つこと、考え続けること、本を沢山読むことが自分の作品の世界観を作ることに役立っているように思います。
Q4.本のお仕事も年々増えていますね。装画を描くときに意識していることはありますか?
絵で説明し過ぎないこと、本の内容と適度な距離感をもてたら良いなという意識はしています。
Q5.今後やっていきたいこと、お知らせなどありましたらぜひ。
絵本など、ストーリーのあるものを描いてみたいです。
「」
2022年3月15日 12:13 PM |
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今週の作家さんはタムロアヤノさんです。初めての個展開催となりました。タムロさんが画材にされているのは板とオイルパステル。描いた後、さらに表面を削ったり掘ったりすることでタムロさん独自の表現に!見ているだけで元気が湧いてくる、温かみのある作品たちをお楽しみください!
Q1.今回のテーマや、個展でやってみたかったなどお聞かせください。
自分の理想と妄想と猫が織り混ざった部屋を思うがままに描いてみました。(ちなみに猫は飼ってません)
Q2.イラストレーターを目指したのはいつ頃ですか?また、それに向けて実行したこと、頑張ったことなどお聞かせください。
2017年頃からイラストのお仕事を頂くようになってきました。目指したというより自分に出来ること、描いてて楽しい表現をSNSで発信していく中で徐々にいろんな方に見つけて頂けたと思っています。
Q3.作品作りで心がけていることはどんなことですか?
常に自身過去最高作品を生み出すつもりで挑んでます
Q4.近年手がけられたお仕事はどんなものがありますか?
■北欧暮らしの道具店さんのカレンダー
■フラボア×サクラクレパス×タムロアヤノのコラボファッションアイテム
■NHK Eテレおはなしのくに『あかずきん』舞台セットイラスト
Q5.今後の活動予定、やっていきたいこと、お知らせなどありましたらぜひ!
今回が人生初個展でしたが、またいつかHBギャラリーさんで個展を開催したいと思っています。成長した所を感じていただけるよう、それまで作品制作、お仕事イラスト両方がんばります!!
2022年3月12日 1:23 PM |
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今週の作家さんは中島花野さんです。初個展となりました。こどもたちの日常のワンシーンを瑞々しく描かれる中島さん、ふとした仕草や繊細な表情が魅力です。会場では作品のタイムラプスも上映中!美しい原画の数々と合わせてぜひご覧頂きたいです!
Q1.今回のテーマや、個展でやってみたかったことなどお聞かせください。
タイトルの通り「こども」です。昔からこどもと呼ばれる時代に興味がありました。おそらく輝きだけではない、ちぐはぐした不思議さを感じているので、それを自分の作品で切り取ってみたいという気持ちがあったのではないかと思います。
また、今までの作品ではあまり登場しなかった淡い色を使ってみたり、背景をいろんな形で取り入れる、という挑戦もしてみました。
Q2.イラストレーターを目指したのはいつ頃ですか?また、それに向けてどんなことを実行しましたか?
2019年頃です。小さい頃から漠然と絵の仕事がしたいとは思っていましたが、自分には無理だろうと思っていました。ただ、やはり絵じゃないと嫌だなと思い直して、2019年からイラストレーション塾に通い制作を始めました。
Q3.作品作りで心がけていることはどんなことですか?
一番は「状況にある程度の実感があること」です。手のしぐさや服装や持ち物など、その状況を演出している要素ひとつひとつが、記号的だったり、先入観にとらわれたものにならないように気をつけます。そのために、日々見ているモノや人・自分自身のことを思い出して絵に落とし込むようにしています。
Q4.近年手がけられたお仕事はどんなものがありますか?
まだキャリアがスタートしたばかりですが…、今は装画のお仕事をさせていただくことが多いです。
Q5.今後の活動予定、やっていきたいこと、お知らせなどありましたらぜひ!
装画や広告などはもちろんですが、人物を描くのが好きなので、キャラクターデザインのお仕事にも興味があります。さまざまな媒体で、自分の作った人物が動き回ってくれる日が来るように頑張りたいと思います。
中島さん、素敵な展示をありがとうございました!
2022年3月1日 1:11 PM |
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